何とか打ち合わせを終えて帰ろうとしたとき。
「南さん、」
「こんちわ~~~。」
南が訪ねてきて、斯波は少し驚いた。
「あれ? 斯波ちゃん来てたの? ごくろーさん。 真尋、わがままやから。 ほんま腹立つことあったら叱ってやって。」
「もうスゲー叱られたし、」
真尋はブーたれた。
「・・じゃあ、明日はムーンリバーミュージックに1時だからな。 1時! ぜったい遅れんなよ!!」
斯波は自分の書類を片付けながら時間を強調して言った。
「あ~~~、ウルセ・・・」
真尋はため息をついた。
南はベッドの竜生を抱っこして
「竜生~~~。 もうハイハイもすぐやなあ・・。 ほんま子供の成長って早い~~~、」
と、嬉しそうにほお擦りをした。
「けっこう寝返りも早かったので、ハイハイも早いかもしれません。 どんどんベッドの中を移動しちゃって、」
絵梨沙も嬉しそうに言った。
その時。
真尋が言い放った言葉に斯波は瞬間冷凍されたように固まった。
「竜生~。 南おばちゃんに何でも買ってもらいな~~。 そのうちかわいい甥っ子のために車とか買ってくれっから、」
は・・・・?
固まったが意味はよくわからなかった。
「アホか。 車なんか。 でも、ほんまに何でも買ってあげたいな~~~。 ばばバカになってしまう~~。 ほんまにかわいいんやもん、」
南は竜生に頬にキスをした。
「お義兄さんと一緒に早く帰ってこれるといいですね。新しいおうちで一緒に暮らすのも楽しみ、」
絵梨沙の言葉はまたも斯波を混乱させた。
お義兄さん・・・・・。
「まったく3世帯同居ってカンベンだよな~~~。 プライバシーゼロ。 この人とか勝手に上がってきそうだし。」
真尋は南の頭を上からぐりぐりと手で押さえつけた。
「ほんま! どんどん行っちゃいそー、」
3人が盛り上がっている間、斯波はもう目がなくなるのではないかというくらいテンになっていた。
「・・・いま。 なんつった・・・?」
そしてようやく口がきけた。
「は? プライバシーゼロってとこ?」
真尋がのんきに答えると、斯波は堤防が決壊したように
「・・・この人・・・・。 ここの人?」
南を指差して子供のような問いかけをしてしまった。
真尋と絵梨沙は彼の言う意味がイマイチわからないまま
「・・・ハア。 あの・・・あたしたちの義理のお姉さんですけど・・・・」
絵梨沙が斯波の顔色を窺うように言うと
おねえさん・・・・・?
斯波は一生懸命にいろんな事柄をつなぎ始めた。
そして。
はじき出した答えが。
「・・・ひょっとして・・・。 社長の・・・長男の・・ヨメ????」
大きな目で南を見た。
「え、言わなかったっけ?」
本人はケロっとして、竜生を絵梨沙に手渡した。
言わなかったっけ・・・・
って!!!
斯波はいろんな意味で『大ショック』を受けてしまった。
斯波ちゃんのおどろきポイントをフォント大・太字にしてみました~~(^ε^)
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