Morgen~明日(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真尋のCD制作は順調に進んだ。



ほぼオリジナル曲はできあがったので、レッスンスタジオに志藤と斯波がやってきてチェックをした。



真尋がピアノを弾くのを志藤は腕組みをしながら聴いていた。



全て引き終えて、彼は得意そうに



「どお? 作曲って初めてやったけど、おもろいね。 すごくよくできたと思うんだけど、」



と明るく言った。



「うん、そやな。 おまえにこんな才能あったんやな、」


志藤は思ったよりもデキがよかったその曲に大きく頷いた。



「で! このCDの発売に合わせたコンサートツアーとかどう?」



その言葉には



「は??」


志藤の顔色が一変した。



「クラシック一辺倒だとつまんないし。 こういうのもおもしろいんじゃない? ほら、他のミュージシャンみたいに!」



ノリノリの真尋に



「や、それはアカンやろ。」


志藤は首を振った。


「え、なんで?」


よもや反対をされると思っていなかった真尋は驚いた。



「せっかくアルデンベルグでの評判がこっちでも盛り上がってるのに。 やっぱしばらくは王道をいくべきなんやないかな。 みんながおまえに期待してんのはクラシックやろ、」



「これからはクラシックだけじゃ、やってけないって。 もちろんちゃんとやっていこうとは思うけど。 新しいことにも挑戦しないとさあ、」


真尋は納得がいかなかった。



「ここで。 オリジナルを中心にやるようなピアニストになってしまったら。 おまえが何のためにあのコンチェルトを頑張ったんやってことやろ? 今が肝心やん、」



志藤もだんだん声が大きくなる。



「志藤さんならわかってくれると思ったのに。 おれは、型にはまったピアニストにはなりたくない。 お客さんが喜んでくれるように・・・・」



「それは違うやろ。 シェーンベルグ先生の遺志にもそむくなることになるで。」



シェーンベルグの名前を出されて



「・・・それ。 反則だぞ、」



真尋は一気に機嫌が悪くなってしまった。



「おまえはクラシック演奏家なんやで。 それ忘れたらアカンやろ、」


志藤はどこまでも厳しくそう言った。



「クラシックだけ弾いてるピアニストなんか掃いて捨てるほどいるんだよ! おれはそういうおもしろくないピアニストにはなりたくない!」



自己主張の強い真尋は納得できなかった。



そこに


ずっと二人のやり取りを腕組みをして聞いていた斯波が



「・・・ツアーコンサートは置いといて。 このオリジナルはCDだけに収めるのは惜しい気がします、」



ボソっと口を開いた。



「え、」


二人は同時に斯波を見た。



「北都マサヒロのピアノをもっともっと生で聴いてもらうために全国を回るのはいいことだと思います。 海外からのオファーもあるし、そろそろスケジュールを立てましょう。」



いつものように言葉すくなにそう言って彼はふうっとスタジオを出て行った。



斯波は冷静に真尋の才能を見極めていました・・



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