Leben~命 (18) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

絵梨沙は翌日にちょうど検診の日だったので、南とともにシェーンベルグの入院してる同じ病院に出かけた。



「わー・・・。 動いてる。 すごーい。」


南は一緒に胎児のエコーを見て感動していた。


赤ん坊は順調にスクスクと育っているようだった。



「もう8月やもんな。 生まれるまで・・あと1ヶ月半くらいかあ。」


「あっという間ですね、」


絵梨沙はポツリとそう言った。



赤ちゃんが生まれてくるのが楽しみなのに。


その時間が経過するのが少し怖い。




そして帰りに二人はシェーンベルグの病室へと向かった。



「なんじゃ。 二人して。 オーバーな。」


想像していたより彼は元気だった。


「元気そうですね、」


南は笑った。


「別に。 今さら入院なんかしても同じなのに。 2週間くらいで退院する。」


「あまりムリをしないで下さい、」


絵梨沙はそっと乱れた上掛けを直してやった。



「まだ。 詰めのところができてないのに・・・。 ヤツには練習の指示はしておいたが。 おまえさんも大変だろうが、」


シェーンベルグは傍らから楽譜を取り出した。



「ここに。 細かい指示が書いてある。 たまに行ってチェックをしてくれ。」


それを絵梨沙に渡した。



楽譜には所狭しと書き込みがしてある。


シェーンベルグが真尋にどれだけのことを望んでいるかがそれを見てわかってしまうかのように。



「・・わかりました、」


絵梨沙は少し微笑んで頷いた。



「来月からは・・・オケとの練習も始まる。 そうなるとまた手直しが必要になるかもしれん・・。 こんなところで寝ているヒマはないのに。」


時間がいくらあっても足りない


と彼は言いたいのかもしれない。



しかし、それはもう限られている・・・・。





真尋は相変わらずストイックにピアノに打ち込んでいた。



「こんなに弾いて。 手は大丈夫なんかな、」


一緒にスタジオに様子を見に行った南は絵梨沙にコソっと耳打ちした。


「あたしもオーバーにならないように見ていますから・・・。」


もう真尋のその気迫に満ちたピアノに


彼に近づくことさえためらわれ。



二人はただジッと後ろで彼の演奏を聴いていた。



練習を終えて帰ろうとすると、


「マサ!」


フランツが突然やって来た。


「今日、みんなで店で食事会をすることになって。 マサたちも呼ぼうってことになってさ。 レオやマリーたちも来るからどう?」


「食事会?」


絵梨沙も首をかしげた。


「たまには。 みんなでわいわいと食事をしようよ。 今日は貸切だよ、」


フランツは笑顔で言った。




久しぶりの『Ballade』だった。



「エリサ!」


マリーもカタリナと一緒に来ていた。


「マリー・・久しぶりね。 なんだか背が高くなったみたい。」


マリーは絵梨沙のおなかに触れて、


「赤ちゃんもおおきくなったね。 すごーい・・・」


笑顔を見せた。


「おかげさまで。 あたしのバイトも順調ですから。」


カタリナはレオを見て微笑んだ。


「ほんと。 マリーもすぐに懐いて。 カタリナもピアノをやっていたから二人でピアノを弾いたり。 すごく仲良しなんだ、」


レオは絵梨沙に笑顔で言った。


「・・そう。 よかった・・」


絵梨沙にとっても久しぶりのホッとできる場だった。



シェーンベルグの状態は良くないですが、みんな二人を励まそうと盛り立ててくれます・・・



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