Leben~命 (5) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「お帰りなさい、」


絵梨沙はいつものように真尋を出迎えた。


しかし


いつもと違う雰囲気の彼にすぐに気づいた。



「どう、したの?」



おそるおそる聞いてみると



「絵梨沙は。 知ってたんだろ?」


真尋は怖い顔で振り返った。



「え、」



「ジイさんの・・病気のこと。」



心臓がドキンと音を立てた。



「・・・さっき。 レッスン中に倒れて。 病院に連れて行った、」



恐れていたことが起きてしまった。



「それで、」


シェーンベルグの病状を聞こうとすると


「・・骨にガンが転移していて、痛みがすごいらしくて。 今日も医者に行く日だったのに・・ジイさんはそれをサボって、」



真尋はうつむいた。



サボって


おれのレッスンをしていたんだ



そう続けることができなかった。



「あと。 どんくらいなんだ?」


真尋の本能はシェーンベルグのただならぬ状態を感じ取っていた。



絵梨沙は彼から目をそらすように


「・・1ヶ月前くらいに・・カタリナが・・・。 全身にガンが転移をしていて。 ・・半年くらいだって・・・」


ポツリポツリと言った。



「半年・・・」



思っていたよりもずっとずっと短かったその時間に真尋は驚く。



「・・先生が。 真尋には余計なことを言わないで欲しいって・・・」



その言葉に真尋の中の何かがキレた。



「余計なこと!? こんな大事なことがなんで余計なことなんだ!!!」



テーブルがすごい音がするほど叩いた。



その音にビクっとした。


「おれだけが・・何も知らないでジイさんに文句ばっかり言って!! 反抗して!! でも・・・ジイさんは自分の命を縮めるようなことして・・・おれにピアノを・・・・」



両手で顔を覆った。



「・・真尋、」


絵梨沙は目を潤ませた。



「なんだよ・・半年って・・・。 たったそんだけって・・なんなんだよ・・・」


真尋は絵梨沙に背を向けたが、泣いているような声だった。



そして


そのまま勢いよくドアを開けて外に出て行ってしまった。



絵梨沙は何もできず彼を見送るしかできなかった。




自分のために命を削っているシェーンベルグのことを思い、真尋は・・・



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