Das Schicksal~運命(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真尋はそんな絵梨沙にヨロヨロと近づいて



「・・き・・キレイだ・・」


半ば呆然として近づいた。


「は?」


「絵梨沙! すんげえキレイ!!!」


興奮して彼女の両腕を掴んだ。



「そ、そう?」


絵梨沙は照れて笑った。



「ほんと・・キレイだなあ・・」



真尋はつくづく彼女を上から下までジッと見た。


「なんか・・恥ずかしくて、」


戸惑う彼女の胸元を覗き込んで



「・・あんまり屈むなよ。 オッパイ見えちゃうといけないし、」



急に現実的なことを言い出した真尋にプっと吹き出した。




フランツが久しぶりにピアノを弾いた。



彼の弾くワーグナーの『結婚行進曲』が教会に響き渡った。



そのピアノに合わせて二人は腕を組んで入場してくると、いつも『Ballade』にやってくる客や音楽院のオケの仲間たちがたくさん集まっていた。


それにも驚いて、二人は顔を見合わせたあと幸せそうに微笑んだ。



レオは必死にビデオ撮影を続ける。



「エリサ!!」


マリーが走ってきて、ブーケを手渡した。


「・・ありがとう、」


「すっごいキレイ!!」


彼女がはしゃいでそう言ってくれる姿を見ると、やっぱり感激して涙ぐんでしまった。


そのとき。



「絵梨沙、」


声がして顔を上げると、父の姿があった。



「・・パパ・・・」


NYにいるはずの父がなぜここにいるのか。


絵梨沙は呆然とした。



フェルナンドは笑顔で



「・・おめでとう。 とってもきれいだ、」



花嫁姿の娘を目を細めて見た。



「絵梨沙をびっくりさせようと思って呼んだんだ、」


フランツはニヤっと笑った。



絵梨沙はピアノを投げ出してNYから逃げてしまったこと


父の思いを踏みにじってしまったこと


全てを思い出して、もっともっと涙が出て止まらなくなってしまった。



フェルナンドは彼女に近づいて、そっと抱き寄せた。



「ごめんなさい、ごめんなさい・・・」


絵梨沙はそれだけを繰り返すが、


「もう・・いいんだよ。 こんなに幸せそうな絵梨沙を見ることができただけで。 絵梨沙がウイーンに戻ってきてくれたとき・・本当に嬉しかった。 4年もの間絵梨沙と過ごせたことも・・全部幸せだったよ、」


父は娘の頭を撫でた。



「マサと幸せに。 もうぼくは何も言うことはないよ・・・・」



絵梨沙はお化粧がぐちゃぐちゃになるくらいに


式の前から泣いてしまって



花嫁が仕度をしなおす、という微笑ましい事態になった。





父との再会に絵梨沙は胸がいっぱいになって・・・・


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