Zwei~ふたり(15) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ねえ・・・真尋。」



その夜。



絵梨沙は真尋にそっと身体を寄せて、小さな声で言った。



「ん~?」


彼女の言葉を聞かずに、何度も何度もキスをした。



それを受け入れながらも、



「・・・あたし。 まだここにいてもいい・・・?」



絵梨沙は彼を上目遣いで見るように少しかすれる声で言った。



「え・・・」



思ってもいなかったことを言われた。



「・・・まだ。 ここにいたい。 真尋と一緒に、いたいの・・・。」



ピアノへの思いは蘇ったけれど。


絵梨沙はあのピアニスト生活に戻る気はなかった。




「・・こうして・・・小さくてもみんなに喜んでもらえる仕事をしたい。  大好きなピアノで・・・」



「絵梨沙、」


「あたしを・・ここにおいて、」



そんな健気なことを言う彼女に



「おれだって。 もう離さないよ。 ずっと。 一緒だ・・・」



真尋は再び彼女の身体を抱きしめた。



お互い


もう離れて暮らすことなんかこれっぽっちも考えなかった。






「・・・ありがとう。 何だか涙が出て止まらなかったわ、」



真理子は真尋から送られてきたビデオを手に彼に電話をした。



「絵梨沙はやっぱりピアノが大好きだから。 すげーいい顔してたでしょ?」


「ええ。 こんなに嬉しそうにピアノを弾いている絵梨沙を初めて見たわ、」


「フェルナンド先生にも送っておいたよ。 絵梨沙のこと心配してっから・・・」


「・・ええ。 彼からもあたしに電話がかかってきたわ。 ちょっと涙ぐんでたみたい。」


真理子はフッと笑った。



真尋は意を決して



「・・あの、それで・・・」



自分たちの決心を切り出そうとすると、



「・・これからも。 あなたのそばに絵梨沙を置いてもらえるかしら、」


まるでわかっていたかのように真理子からそう言われた。



「え・・・」



「マークとも話していたの。 これからは、絵梨沙が絵梨沙らしくいられるようなピアノを弾いて欲しいって。 あたしたちは絵梨沙が幸せでいてくれることが望みだから・・・・。」



「おれも・・・絵梨沙なしの自分が考えられないから。 もう離れたくない・・・。 ただ・・」


真尋は一つの迷いをふと口にした。



「・・男として責任取れって言われたら・・ちょっとまだ自信がない気もする、」



『結婚』のことを真理子から持ち出されるんじゃないか、と真尋は卑怯な気もしたが自分からブレーキを掛けてしまった。



「それは。 まだあなたたちは若いんだから・・・。 ゆっくり決めたらいいと思うわ。 マークも同じ気持ちだと思う、」


真理子は真尋を安心させるようにそう言った。



絵梨沙の母は娘の気持ちをわかりきっていました。絵梨沙の一番の幸せを思います・・・


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