Zwei~ふたり(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

あのときよりも



彼のピアノはもっともっと優しく大きくなった。



彼に抱かれている時のように、それがすごく安心できる。



ピアノで誰にも負けたくなかったあたしはたぶんもういない。


彼のそばで


そのピアノを聴いて。


そして


ピアノを弾いて。



もうそれだけで幸せ。



時々、彼と目を合わせて微笑み合う。



パパ、ママ・・・


あたしにピアノを与えてくれてありがとう。



それが彼に出会うための道に全て繋がっていたと思うだけで


この運命に感謝する・・・・




クライマックスに差し掛かった頃、身体が宙に浮くような感覚にとらわれて。



二人で昇りつめていく感覚を肌で感じ。



気がついたら涙が頬を伝わっていた。


ピアノを弾きながら泣いてしまうなんて、今まで絶対になかった。



感情が溢れて止まらない・・・・




観客の息をつかせぬようなその二人の息の合った演奏はエンディングを迎えた。



そして、乱れぬことのないフィニッシュ。



一瞬の静寂の後、



ワー!!!


という歓声がホールに響き渡った。



絵梨沙は泣き笑いのような顔で真尋を見た。


二人はステージの中心にやってきて、手を振った。


真尋は泣いている絵梨沙の頭を撫でるように引き寄せた。




たくさんのコンクールやコンサートを経てきたけれど


こんなに感動したステージはなかった。



絵梨沙はこのときの感動を一生心に留めておきたいと思った。


どんな華やかな場よりも


温かく、思い出に残るものだった。





「すっごいよかったよ~~~!! 感動しちゃって!!」


舞台を降りてきた二人にレオは興奮してそう言った。



「それはいいけどさ~。 ちゃんと撮ってくれた??」


彼が手にしたビデオカメラを気にした。



「とったとった。 客席の一番前で。 二人の思い出にするの?」



レオの問いかけに



「・・絵梨沙のこと。 心配してる人がいっぱいいるから。」


真尋はニッコリ笑った。



「・・けっこう。 神経が細やかなんだね。 きみは。 見かけによらず、」



レオも優しく微笑んだ。



「よけーなこと言うなっつーの・・・。」


ちょっと膨れてそれを取り上げるように奪った。



「それ。 いいね。 今度、マリーの発表会のときに貸してよ、」


「いいだろ~~? メイド・イン・ジャパンは! ウデ関係なくよく撮れっから、」


真尋はまた豪快に笑った。



絵梨沙はこれまで慈しんでくれた両親に感謝をします。真尋はそんな絵梨沙の気持ちを思い・・・



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