「あ! 斯波さん! おはようございます!!」
翌朝、出勤すると夏希が飛んできた。
「も~~~! めっちゃ赤ちゃんかわいかった~~~!! 抱っこもさせてもらって!」
興奮したようにぴょんぴょん跳ねながらいつものように大きな声で言われて、
「あ~~~、もちょっとボリューム下げろっつの・・。 頭にビンビン響く・・・。」
斯波は耳を押さえた。
「あ、斯波さん。 おめでとうございます、」
八神や玉田も嬉しそうに彼を囲んだ。
「もう赤ちゃんったらね。 斯波さんにソックリなんですよお。 まだ生まれたばっかだってゆーのに!」
夏希が真緒の腕を叩いて言う。
「・・ずいぶん大人っぽい顔の赤ちゃんなんだあ、」
真緒も笑った。
「ま、斯波さんと栗栖さんの子なら間違いなくイケメンになりますよ。 ほんと、楽しみですねえ、」
玉田も頷く。
「あ・・ありがと、」
斯波は少し照れてみんなから視線を外して言った。
「で? やっぱ斯波さんも赤ちゃんをあやしたりしちゃうんですか? ベロベロバー!とか!」
八神がまたも斯波の琴線に触れる発言をし、
「・・・んなわけねーだろ・・」
斯波の機嫌は一気に悪くなってしまい
「おい。 加瀬! おまえおれが出張行く前に言っておいたレックスとの打ち合わせのレポート。できてんだろうなあ。 さっさと出せ。 もうこれからすぐに行かないとなんねーし!」
あっという間にいつもの彼に戻ってしまった。
「も~~~、ほんっと八神さんって空気読めないし~~、」
夏希は八神の背中をドンと叩いた。
いつもなら
誰よりも大きな声で大げさに騒いでくれる南がいないことが
斯波もそしてみんなも
少しだけ感じて。
彼女の存在があまりに大きすぎることを今さらひしひしと思い知っていた。
「お~、やっと帰ってこれたか。 おつかれ、」
斯波は廊下で志藤と会った。
「あ・・すみません。 ご心配を、」
「てゆーか。 よかったな。 無事生まれて。 おめでと、」
志藤はニッコリ笑って彼に握手をした。
「・・あ、ありがとうございます・・。 なんかまだピンとこなくて、」
斯波は大いに照れた。
「おれもすぐ栗栖のトコ行きたかったんやけど。 おまえより先に愛しの妻と息子に会ったらアカンやろ~~って。」
志藤の冗談に斯波は笑わずに
「あのっ・・・ちょっと教えて欲しいことが、」
斯波は志藤に詰め寄った。
「・・斯波ちゃん、」
南は突然やってきた斯波に驚いた。
「外出の帰り・・。 ここだって聞いたから、」
「まあまあ。 上がってよ。 ほんま何もないねんけど、」
南は笑顔で斯波を迎えた。
みんなに祝福されて斯波は大テレですが、どうしても気になることが・・・
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