Live for love(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ん・・・・んっ・・・! くっ・・・」



背を向けてシーツをぎゅっと握り締めて陣痛に耐える萌香を目の前に真太郎はハッとして



「・・・このへん、ですか、」


と、おそるおそる彼女の腰をさすってやった。



「は・・・・」



萌香はその声に思わず振り向く



「せっ・・・・専務・・!」


彼女も驚いた。



「ごっ、ごめんね。 今、南トイレに行くって、行っちゃって・・・」



人妻の腰を摩るという行為を妙に意識してしまい、顔を赤らめた。



「すっ・・・」



すみません、と言おうとしたとき、またも陣痛の波が襲ってきた。



「あっ・・・!!」



思わず真太郎の方を向いて、彼の手をぎゅっと握り締めた。



へっ!??



ぎょっとしたが


その力の強さに圧倒された。



萌香は美しいその顔を歪ませて、必死に痛みをこらえている。




痛いんだろうなあ・・・。




もうそれがヒシヒシと伝わる。



「・・頑張って下さい。 ・・・きっと、もうすぐ元気な赤ちゃんが生まれます、」


真太郎はしゃがんでその手にもう片方の自分の手を重ねて、そう言った。




しばらくして南は戻ってきた。



「あ、ありがと。 ・・・あ~~、もう苦しそうやなあ、」


真太郎のいた場所に代わって座り、萌香の背中と腰を摩ってやった。



「・・・ほんと。 大変なんだな。 子供産むって、」


真太郎はポツリと言った。



「ん。 そりゃ、人ひとり生まれてくるんやもん・・・」



黙ってしまった真太郎に



「・・・でも。 こんな風に・・・陣痛に耐えてる時にこうして真太郎に手を握ってもらって。 ・・なんて経験もしてみたかったな~~って、」



南は冗談っぽく言って笑う。



真太郎の心が


ちくんと


音を立てた。




「おれは。 無理をしてるわけでもなんでもなく。 南だけでいいって思ってた。」



「え、」



彼の言葉に振り返った。




二人には子供ができませんでした。 南は諦めながらもやっぱりそのことが心に引っかかっていて・・・


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