Live for love(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

そんな中、萌香が南のもとを訪れたのは夜7時を回ったころだった。



「も~~~、なに? こんな天気の中外出歩いて~~~、」


また少し雨が強くなってきたようで、萌香は少し服がぬれていた。



「・・タクシーで来ましたから。 志藤取締役から・・場所を聞いて。」


いつものように物静かな口調で萌香は言った。



「斯波ちゃんに怒られるって、」



「清四郎さんは明日まで名古屋に出張なので。 今日はいません、」



「出張??? も~、出産までもうすぐなのに。 出張なんか今せんでも・・。 だれかほかに・・」



南はそう言ってから、ハッとした。



「・・あ、あたしが悪いんやもんな。 あたしがいきなり辞めるとか言い出したから・・・斯波ちゃん忙しくなって、」



彼女の濡れた服をタオルで拭く手を止めた。



「・・いいえ。 南さんのせいじゃありません。 本部長になって出張が増えました。 一人のこともしょっちゅうですから、」



萌香はいつもの美しい笑顔で言った。




「なんも、あらへん。 ごめんね。 お茶くらいや、」



南はティーバックの煎茶を淹れてきた。



「おかまいなく。 ・・突然、来てしまったので、」



「電話も何べんかくれたんやもんね。 出なくてごめんね、」



「・・いいえ。 南さんが元気にしていることは志藤さんから聞いてますし。 でも。 やっぱり心配で・・・。 本当にこのまま専務と別れるのか、って・・」



「・・・もう、真太郎には離婚届を預けてあるんやけど。 あたしの名前を書いて。」


「え・・・」


「でも。 志藤ちゃんが少し離れてゆっくり考えてみろって。 言うから。 ちょっと落ち着いて・・・みようかなって。」




「あたしたちの前から南さんがいなくなるなんて。 考えられません。 南さんにしかわからない気持ちなんでしょうが・・・。 わがままやと言われても・・あたしは、そんなの・・」



萌香は感極まって、涙で言葉を詰まらせた。



「萌ちゃん、」



「生まれて初めて・・誰かといて楽しいって思えたんです。 南さんがおうちに誘ってくださったり、生意気だったあたしのことも・・・仲間として見てくれて。 みなさんに支えられて、あたしは・・」



南はふっとため息をついて微笑み、



「あたし。 ほんまに幸せやなあって。 今は思う。」



萌香に語りかけた。



「みんな。 こんなに心配してくれて。 泣いたりしてくれて。 あたしのわがままなのに・・・ほんま申し訳ないっていうか。  ・・なんかね。 もうここにはいられへんて・・・急に思ってしまって。  少しでも早く・・真太郎のそばからいなくなりたくて、」




「・・どうして、」



萌香は一番の疑問を口にした。



「お二人は・・・すごく固い絆で結ばれてると思っていました。 専務は南さんのことをとても大事にしてらしたし、南さんだって・・・きちんと専務のことを支えて、」



涙で潤んだ瞳で南に訴えた。



台風が近づく中、萌香は心配のあまり南を訪ねて行きます。


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