All of you(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「真太郎が・・・あたしと結婚しようって・・言ってくれたときから・・・。 そう・・思ってた・・・」



南はベッドの端にふらっと腰掛けた。



「大阪のちっさい食堂の娘で・・・・不倫もしてきたし、好きでもない男とノリで寝ちゃうし。 キャバクラでも働いてたし。 ・・・それに・・・子供も産めないかもしれへんし。 ほんまにあたしは真太郎に全く相応しくない女やねん。だけど。 真太郎も・・・北都のお義父さんもお義母さんも。 そんなあたしでいいって言ってくれて。 周りの人はいろいろ言ってきたけど・・・・そんなのも気にしないでいてくれて。 結局・・子供も産めへんかったし・・・。」



まるで他人事のようにブツブツと話し始めた。




「そんなこと気にしてるって・・・真太郎に気を遣わせたくなくて。 なんだかずっとずっと胸の奥に・・・重いものを背負ってるみたいな・・・・。 もし真太郎が浮気してな、他所に子供作っても・・あたしは許さなくちゃいけないって思ってたし。 こんなことで離婚するとか・・そんなことも思わなかった。 一番は・・真太郎があたしを愛してくれて、信じてくれることだけで。 あたしだって・・・真太郎のことが大好きで、離れることなんか考えられない。 でも、真太郎から・・信じられなくなったら終わりやなって、思ってた。 もう・・真太郎はもっと若くて子供も産める人と一緒になった方がええんちゃうかって・・。」




目にいっぱいの涙をためて南は志藤を見た。




「・・・ジュニアは・・・今だっておまえのこと・・愛して・・信じてる・・」



彼女がそんなことを考えていたのかと驚き、少し呆然としながらそう言った。



「だから。 真太郎があたしのところやなくて・・その人のところにすがったことで。 その糸が切れてしまった・・。 あたしの最後の希望の糸が。 ・・その人と関係があったとか、そんなことよりも・・・。 真太郎の心があたしになかったことが・・もう、」



南は堪えていた涙が零れ落ちた。




底抜けに明るくて、みんなを引っ張って。


仕事もバリバリやって



本当にジュニアとも愛し合って、信頼し合って。



そんな悩みなんか抱えていたとは思えずに。




「おれ。 おまえのこと・・ほんまにわかってたわけやないねんな、」



それは心から思った。



「・・志藤ちゃん・・」


真っ赤な目で、彼を見つめた。



「おれら。 前世で一人の人間やったんかって思えるほど。 似てたし。 おまえの気持ちなんかいっつも考えなくてもわかったし。 好きなものも、嫌いなものも一緒で。 仕事でぶつかることはあっても、似たもの同士でお互いをわかりすぎてるから・・・一晩寝たらそんなことも忘れちゃったり。 おまえといると何も気を遣わずにやってけるって思ってた、」



志藤は静かにそう言った。



「仮に。 お互いがフリーで出会えたら・・・。 まあ、1回くらいは結婚してたかなって。 思う、」



いつもの志藤のような軽口をさりげなく叩かれて



「そやな。 そうかも。 でも・・・まあ1年ももたないで別れるやろけど、」


南も少し笑ってしまった。



「おれが31の若さで部署任されてやってこれたのも。 おまえがいたからや。」



志藤は真面目な顔になって言った。



北都フィルを立ち上げた半年後。 『クラシック事業本部』が正式に発足した。



南はそれまでは非常勤で仕事をしていたが、志藤の仕事振りに感化され彼の元で仕事をすることを北都社長に直談判して部署に配属してもらった。



そのくらい志藤の存在は南にとって大きかった・・・。



真太郎とは別の絆で南と志藤は固く結ばれていました・・


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