All of you(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「なっ・・・・・・」



もう、全員が固まった。



「や・・辞めるって! どういうこと!? どーしちゃったのよ、いったい!」


家族でもある真緒が最初に口を開いた。



「・・真緒ちゃん。 ごめんね。 ・・あたし。 真太郎と別れるから、」



南はしっかりとした口調で落ち着き払ってそう言った。



「は・・・」



もう真緒は腰を抜かしそうになった。



他のみんなもだいたい同じようになっていた。




「せっ・・説明しろって! 意味・・わかんないし、」


さすがの斯波も思わず言葉に詰まってしまった。




「たくさん。 いろんなことあって。 あたしはずっと考えてました。 真太郎ともう17年も付き合ってきて、自分がこんな気持ちになると思わなかった。 詳しいことは・・・ちょっと言えへんねんけど。 あたしたち夫婦の問題やし、離婚したらここにいることはでけへんから。」



南の言っていることは


今の質問からすると正しいのだが、全くもうみんな納得できない顔だった。



「勝手を言って。 すみません。 でも、行方知れずにはならへんから。 いろいろ決まったら必ず連絡します。 ・・まだ向こうの仕事、残ってるから。 今日中に片付けてケリつける。 斯波ちゃん。 ほんまに申し訳ないけど。

志藤ちゃんにはあたしからきちんと話をします。 取締役の方たちにも・・・ごあいさつはさせてもらうから。 ほんまに・・・もう。 事業部で仕事をしてから今日まで。 夢みたいに毎日楽しかった。 みんなのおかげで・・・。 ありがとう、」



南はペコリと頭を下げた。

「ちょ・・ちょっと待ってください! なんか・・あたしぜんっぜん意味わかんないんですけど!」


夏希はことさら大きな声で言った。



「加瀬・・」



「あたしたちの・・結婚式に出てくれるんですよね?  急に・・そんなこと! 南さんとお別れするなんてありえないって・・・全然想像してなかったし!」



夏希は南の腕をぎゅっと掴んだ。




「・・ごめんな。 式は・・どうかな。 出られへんかもしれへん。 でも。 あんたたちが夫婦になるのは見届けること、できたから。 ほんまにホッとした。  ・・みんなも突然のことでわけわかんないと思うけど。 本当にたくさんのことを考えて出した結論です。 びっくりさせて、ごめん。」


南は謝るだけだった。



そして真緒を見て



「真太郎にはこの話、したから。 でも、まだお義母さんや真尋やエリちゃんには話してへんねん。 今夜にも行ってきちんと説明するから。 ・・社長には・・ちょっとまだ言えへんかってんけど、」



静かに言った。



「そんなの! みんな納得するわけないじゃない! 真太郎、なんかしたの? 南ちゃんが真太郎から離れるなんて・・絶対にありえないじゃない! あたしたち・・もうほんと・・ずっと家族だって・・思って、」


真緒は感極まって涙で声をつまらせた。



「あたしは。 もう両親もいないし。 弟は大阪やし。  北都の家で過ごさせてもらって・・・ほんまに家族ってええなあって思った。 13年間。 幸せやった。 でもな。 あたしはもう・・・必要ないねん、」



うつむく南に



「・・み、南さんは・・・おれらには必要じゃないですか! なんで? なんで・・・いきなり!!」


八神はもう怒りに近い声をあげた。




「もー。 あたしもつらいねん。 ・・ほんまに悪いけど・・・、」



南も耐え切れなくなり、顔を隠すように早足で事業部を出て行ってしまった。



いきなりのさよならにみんな納得できるわけもなく・・・


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