All of you(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

真太郎から



「ゆうこさん」


だなんて呼ばれることは今までになかった。



結婚する前も、そして結婚後も旧姓の『白川さん』と呼び、志藤の妻であるというよりもいつまでも社長秘書をしていた彼女のままこれまでつきあっているような感じでもあった。



ゆうこは少しの驚きと、これから彼が何を言い出すのか



少し怖い気持ちでテーブルに着いた。



真太郎はポケットからくしゃくしゃになった紙切れを二人の前に差し出した。




「・・・・?」




志藤とゆうこはそれを覗き込む。



そして同時に



「・・離婚届・・???」



驚いて声をあげてしまった。



真太郎は能面のように表情を変えることはなかった。



「・・今。 南からこれを渡されました、」


そしてボソっとそう言った。





やっぱり




正直、志藤はそれを手にして、驚きながら、そして、どこかで予測していたようにそう思った。



「あんの・・やろ、」



南はいつも自分の気持ちに正直に生きている。


ウソはなく、まっすぐに。


それは真太郎への愛も同じで。


彼への愛を信じて


信じきって



何があっても


それだけは変わることがないと思っていたけど。



たぶん彼女の中の何かが


壊れてしまったのかもしれない・・・




「・・・会社も。 やめると言っています、」



真太郎は魂を抜かれたようにぼうっとしてそう言った。



志藤は顔を上げる。


そしてゆうこは


「・・う、ウソです!! こんなの!」


お約束のように泣き出した。



「ゆうこ・・・」



「南さんが真太郎さんのこと・・本気で嫌いになるわけないです! ぜったい・・ぜったいにまだ真太郎さんのことを愛してるにきまってるのに! きっと、全力で止めて欲しいんです!」


あっという間にテーブルに涙のつぶが落ちるほど泣き出した。



ゆうこも志藤も南の『決断』にただ驚くだけでしたが・・・


人気ブログランキングへ 左矢印 お気に召しましたらポチっ!わんわん お願いします!

人気ブログランキングへ 左矢印 携帯の方はコチラからお願いしますドキドキ
My sweet home ~恋のカタチ。