Fly to the moon(20) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「・・・ウソ、」




ゆうこはもう呆然として固まってしまった。





「ほんま。 今、そこから帰ってきたトコ。」




南が凛太郎と風呂に入っている間、


志藤は南を家に連れて帰った手前、ゆうこにことのいきさつを黙っていられずに全てを話した。



もう、ゆうこがめちゃくちゃショックを受けているのを見て、


「だからな。 ゆうこがこうなるから・・・言えへんかってん。」


志藤はため息をつく。



「だ・・だって・・・。 信じられない・・・・」


泣き虫な彼女はもう泣きそうだった。





信じられないことは、たくさんある。


北都が真太郎のことだけを思い出せなかったこと。


それにショックを受けて、真太郎が仕事を放り投げて家出をしてしまったこと。


・・なにより。



彼がクラブのホステスの家に転がり込んでいたこと・・だった。





彼のことを好きだったころの自分の気持ちに戻ってしまったようで、ゆうこはもう頭の中がパニックだった。



とにかく

真面目で優しくて。


南がNYに行っている間も、もちろん浮気なんかなく。


自分が割って入れる隙間なんかこれっぽっちもなかった。




「・・ジュニアがクラブのお姉ちゃんトコにいたことが・・めっちゃショックなんやろ?」


志藤はタバコを口にした。



「だっ・・だって!! 真太郎さんは・・・本当に・・真面目で・・・南さん、だけで・・」


「だから。 泣くなっちゅーの。 南はほんまに・・ほんまに辛い目に遭ってきたんやから。 泣きたいのは・・あいつやろ。 そこでゆうこが泣いたりしたら、あいつ救われへんやん、」



そう言われて必死に涙を堪える。



「高宮が倒れて。 南の心にばっと火がついたんやろな。 もう自分がなんとかせんとアカンて。 ジュニアが女のトコにいたことも・・・もうショック以外のなにもんでもないやろ。 あの人に限って全くそんなこと・・ありえへんかったし。 それでもそれをグッと堪えて。 あいつはジュニアを叱り飛ばした。」



タバコの煙をふうっと吐いた。



「・・まさか・・・南さんがそこまで考えてるなんて、」


南が真太郎と別れる、とまで言い放ったことも信じられない。



「・・家に帰れへんて言うねん、」


「え・・」


「真太郎が帰ってくるかもしれへんからーって。 そしたら、あたしはあの家には帰れへんて。 あいつ、ほんまに出て行く気や、」



もう

ナイーブなゆうこの心はズタボロだった。





「あ~~~、気持ちよかった~~。 凛太郎、めっちゃいい子やんなあ、」

南はバスタオルで髪を拭きながら、ゆうこに貸してもらった部屋着を着て笑った。


「おもしろかった~~~。 みずてっぽうとか、」

凛太郎も笑った。




彼女の笑顔が


もう、ゆうこにはつらくてつらくて


どうしようもなかった・・・。




二人をずっとそばで見てきたゆうこには全くこの事実が信じられませんでした・・・


この4人のエピソードはpart4 となります。


時間と勇気(?)のある方は読んでみて下さい。ざっと280話ほどあります汗



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