Fly to the moon(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

何も答えずに、志藤は南から視線をそらせてしまった。



そんな彼の様子を見て



「・・ホテルとかに・・いるんとちゃうねんな。」


勘のいい南は志藤の苦悩を読み取った。



ドキンとした。



「あたしに・・・行かせたくないようなトコやんな、」



色んなところから汗が噴き出た。



南は志藤のスーツの襟をぐっと掴んだ。



「なっ・・・なんやねん。」



「・・・志藤ちゃんは優しいから。 きっとあたしを傷つけないようにって思って黙ってるんちゃうの?」


彼女の大きく力強い瞳が光っていた。



「もう。 あたしは・・・自分の下から真太郎がいなくなった時点で。 ヨメ失格やねん。 ほんまに・・・真太郎にとってそんくらいの存在やねん、」


「南、」


「あたしは真太郎とつきあいはじめてからずうっと・・ずうっとな。 もし、真太郎に将来自分よりも相応しい人ができたのなら。 黙って身を引こうって。 そう思ってた。 結婚なんかとんでもないことやったし、あたしみたいなんが北都の長男と一緒になるだなんてありえへんことやったし。 あたしは真太郎のためになればもうそれでええねん。 ずっと二人で生きていきたかったけど! 真太郎が・・・あたしのこと必要やなくなったら・・もう・・いい。」



瞳が潤んだかと思ったら


ポロリと水晶玉のような涙が落ちた。




「ひ、必要ないやなんて! そんなんあるか!」


志藤は南の腕をぎゅっと掴んだ。



「だけど! 今はあたしがしっかりせんとアカンねん。 みんな・・みんな会社のために頑張ってくれてんねん! もうあたししかおらへんやろ! もう、どんな状況になってもな、ショックとかそんなん言ってられへんねん! だから!」


南はもう両手で志藤のスーツの襟を掴んで、ガンガン引っ張った。


志藤は南の腕を掴んでいた手をそっと離した。






「・・・ジュニアは。 ・・・銀座のクラブの・・『ルシエ』って・・・瀬能のお姉ちゃんのいるクラブ。 そこの・・・ホステスのマンションに・・・いる。」







南は志藤の言葉にハッとして彼を見上げた。




怖かったけれど。


でも


どこかで・・・・予感していたようなことでもあった。







「ほんまに。 行くんか。」


志藤はタクシーの中でもう一度南に確かめた。



「・・・うん。」


南はぎゅっと唇をかみ締めた。



「おれも。 実は直接は会ってへんねん。 声だけ・・聞いて。 ドアは開けてもらわれへんかった。」



「・・うん、」


南はただ小さく頷くことを繰り返した。





南は驚愕の事実を知りますが・・・・


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