Fly to the moon(10) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「隆ちゃん・・・」



夏希はそっと横たわる彼に声をかけた。



「夏希・・」


かすれた声で苦しそうに返事をした。




そんな彼の姿を見たら、泣けてきた。



「ごめん・・・」


それなのに謝る彼にすがるように



「・・・あたしのほうが・・ゴメンだよ・・。 もー・・ほんっと・・・情けない。 隆ちゃんがこんなに具合が悪いのに気づかないなんて・・・」


涙をこぼした。


高宮はふっと笑って彼女の頭を撫でて



「おれが。 無理をしすぎたから・・・。 夏希は・・おれのことを心配していてくれたのに、」



小さな声で言った。




「・・結婚式。 無理かもしれないな、」


高宮はそのことを感じ取っていた。 


身体がもう全くいうことを利かなくなっていた。



夏希はぶんぶんと首を振って、


「もー・・どーでもいいから!  どうでもいい!  隆ちゃんが・・・・元気になってくれたら・・あたしは、もう・・・」


顔をくしゃくしゃにして泣いた。




そして


仕事のことも気になった。



自分まで倒れてしまって


いったいどうなってしまうのか。






そこにノックの音がして南が入ってきた。



「・・南さん、」


夏希はもう子供のように顔をくしゃくしゃにして泣いていた。



「今。 先生に聞いた。 ・・・ほんま、無理してしまったんやな、」


優しく高宮に言った。



「・・・これ以上・・・もう・・どうしたら。 おれにしかわからない仕事だって・・・」


高宮は手で顔を覆う。



「ううん。 もうなんも考えなくても・・ええねん。 あたしが、やるから。」


南は力強く言った。



「南さん、」


「あたしが。 高宮の代わりに・・頑張る。 ううん、ほんまはもっともっと早くそうしてなくちゃアカンかった。 ごめんね。 高宮ばっかり・・つらい思いをさせてしまって。」


「おれは、」


「病院に行くヒマもなかったんやろ?  でも。 もう・・あんたひとりやないねんから。」


と、夏希を見た。



「あんたがこんなんなったら・・・・加瀬が悲しむ。 あんたのために・・もう、死ぬほど心配して・・・。 だって、『家族』やんか。  楽しいことも嬉しいことも。 苦しいこともつらいことも。 二人でしょってくんやんか・・」



南は彼らにそう言いながらも、自分の心に訴えていた。



南は高宮が無理をすることになってしまった原因を冷静に考えていました。


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