Only to you(11) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「専務、」


まだ社長室では高宮たちが仕事中だった。



「・・すみません。 みなさん忙しい思いをさせてしまって・・」

真太郎は一礼して、


「・・手術の結果。 一命は取り留めましたが、まだ意識が戻っていません。 先生の話だと・・・ひょっとして半身に障害が残るかもしれない・・ということです。」


経過を説明した。



「え・・」


みんな驚いた。



「どちらにしろ。 当分、社長は不在となります。 大変でしょうが・・・一緒に頑張りましょう。」


しっかりとした口調で言った。




みんな黙って頷いたが


それは北都が社長としてもう仕事ができないということなのではないか、と思わずにはいられなかった。




「・・高宮には、ホテル関係の仕事を主にしてもらうことにします。 これはあいつやないとわからないことばかりなんで。」

志藤は真太郎に言った。



「は、はい。」


青ざめた表情の彼に



「・・大丈夫です。 身体が思うようにならなくても。 社長がいてくれたら・・・専務やおれたちで解決できる。 だから・・」


志藤は力を込めてそう言った。



「はい・・」



真太郎は静かに頷いた。





北都がそろそろ真太郎に会社の経営を譲ろうとしていることは気づいていた。


しかし、こんなに急なことになるとは思わなかった。


思っていたよりも早く、真太郎がここを取り仕切る時がやってくるのではないか、と志藤も心配になった。






『今日は会社に泊まります。』


高宮からメールが来たのは11時を回った頃だった。


夏希はそれを見て小さなため息をついた。



ほんと


あたしって無力だなあ・・・。


隆ちゃんが大変な時。 いつも助けてあげられない・・・






「とりあえず帰ったらどうや。 今、慌てても。」

デスクでかぶりつきになる高宮に志藤は言った。


「いえ。 明日さっそく向こうの会社で会議がありますから・・・。 何の下準備もしてなくて。 たいていのことはわかっていますが、やはり社長がいないと・・・」


向こうの会社、とは


ホテル業は北都グループの別会社になっていて、社屋も近くだが別にある。


高宮はホクトエンターテイメントの社員だが、向こうで北都の仕事をフォローしていた社員が辞めてしまい、今は兼務で仕事をするようになってしまった。



「志藤さんこそ。 もう帰ってもいいんじゃないですか?」


逆にそんなことを言われて・・



「無理すんなよ、」

志藤はため息をついて彼にそう言った。




真太郎は南と向き合って資料室の隅のデスクで仕事をしていた。



「んじゃあ、コレ。 契約の時に提示して。」

南は出来上がった書類を手渡す。


「・・うん、」


まだ、心配そうな真太郎に



「ここは真太郎がドーンとしてなくちゃ。 みんなついてるねんで。 大丈夫、」

南は笑顔でそう言った。


「ん、」


真太郎は疲れたような笑顔で頷いた。



真太郎はみんなを動揺させないように、と思う半面自分自身もこれからどうしていったらいいのかを模索していました。


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