Only to you(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「手術って・・」


真太郎は思いもかけない状況に驚く。



「・・緊急にCTを撮ったところ、脳内に出血が見られて・・・。 もう手術をしないとどうにもならない状態だそうで・・」


高宮は医師から説明を受けたことを二人に言った。



「それで・・・」

真太郎は声を震わせた。


「今。 意識はありません・・・。 呼びかけにも答えない状態です・・。 先生の話では・・・なんとも・・言えないと、」


高宮の言葉にゆかりは


「・・なんだか今朝・・ちょっと顔色が悪いかなって・・思ったのに! 無理やりにでも病院に行かせてれば!」


わっと泣き出してイスに座り込んだ。



「お母さん、」

真緒は母の肩を抱くように隣に座った。



「・・ここは脳外科で有名な先生がいらっしゃいます。 その先生が手術をしてくださることになったので。 ・・きっと、大丈夫です。」


高宮の言葉に真太郎は静かにゆっくりと頷いた。





手術を待つ間、真太郎はずっと心臓の高鳴りが止まらなかった。



とにかくまだまだ仕事が山のようにある人で。


もちろん今は命が助かることだけを祈るだけなのだが、会社に携わる身としては今後のことをいろいろ考えてしまう。





「お義兄さん、」


身重の絵梨沙もやってきた。


「・・エリちゃん、」


「子供たちはお手伝いさんに頼んできたので。・・どう、なんですか?」


「今、手術してる。 時間がかかるかもしれない・・・。」


絵梨沙に説明をしている最中に




「真太郎!」


よく通る声が病院の廊下に響き渡った。



「南・・・」


真太郎は何だかホッとした。





みんな黙ってその時間を待った。



「・・真尋には知らせたの?」

南が重い口を開いた。


「・・お義兄さんから・・連絡をもらったときに・・まだしないほうがいいって言われて。 真尋、今日は向こうでコンサートの日なんです。 だから・・」


「そっか、」


真太郎は高宮に


「・・高宮くんは戻りなさい。 社に戻って何か仕事上の問題があったら・・・志藤さんや常務に相談をして、」

と言った。



「は・・はい・・・。」


後ろ髪を引かれるように高宮は一礼をしてその場を去った。





高宮が険しい顔で社長室に入ろうとすると、夏希が駆け寄ってきた。


「隆ちゃん!」


彼の腕を取って、


「ど、どうなの? 社長は・・」


「・・まだ手術中。 家族の方たちがいらっしゃるから・・。 おれは仕事に戻らないと・・・・。」


「手術、」

夏希もコトの重大さにうつむいた。



「・・これからが・・大変だ、」


高宮はひとり言のように言った。




高宮はこれから起こるであろう出来事を予測し、覚悟を決めましたが・・・。


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