そんなとき。
「おはよ。 遅かったね。 早く食べないと遅刻しちゃうよ。」
ゆうこはのっそりと起きてきたひなたに言った。
「ウン・・なんか。 おなかいたい・・」
ひなたはおなかを押さえた。
「え? どうしたの?」
「頭も痛くて・・・」
「風邪かな、」
ゆうこはひなたのオデコに手を当てた。
「・・・トイレ行って来る、」
ひなたはそのままトイレに行った。
そして
なかなかで出てこないひなたに、
「どうしたの? そんなにおなか、痛いの?」
ゆうこはドアをノックした。
「・・・ママ・・・」
ものすごく泣きそうな声が聞こえる。
「どうしたの?」
すると、スッと少しだけドアが開き
「なんか・・・。 『生理』が始まっちゃったみたい・・・。」
もう半ベソな感じの彼女が出てきた。
「へ・・・」
ゆうこはさすがに驚いた。
ひなたはわり合いクラスでも背が大きい方だったが、痩せていたので
その話はもちろん小学校高学年のころに聞かされていたが、まだまだ自分には関係ないことのような気がしていた。
「・・・そう。 だいじょうぶよ。 ちゃんと用意はしてあるし。 ちょっと待ってて。」
ゆうこはニッコリ笑って落ち着いて、二階に上がって行った。
「え、ひなた。 どないしたん?」
仕度をしていた志藤は言った。
「あ・・・、 なんか。 『始まっちゃった』みたいで。」
ゆうこは箪笥の中を探しながら言った。
「はあ?」
わけのわからない志藤に
「『生理』が。」
ゆうこは彼に向き直ってそう言った。
「へっ・・・・」
志藤は
なんだか絶句してしまった。
ひなたは何とか学校へ行った。
わかってはいたものの
自分の身にふりかかるとは・・・
歩みも重く、ソロソロと歩いてしまった。
「おっはよ!!」
背中を思いっきり叩かれて、慌てて振り向いた。
浩斗が笑ってそこにいた。
「おっ・・・おはよ。 びっくりするじゃん・・いきなり、」
なんだかどぎまぎした。
「な~~~、宿題。 やった? 英語の。 おれ、今朝気づいてさあ。 あとで見して。」
と、くっついてくる彼に
「しっ・・知らないよ! そんなの! あたしのなんか見たって、間違うよ!」
慌てて離れた。
「いいよ、間違ってても!!」
と、またくっついてくるので
「じっ・・自分でやれっ!」
ひなたは早足で行ってしまった。
ものすごく
ものすごく
ドキドキして。
顔が真っ赤になっていくのがわかる。
昨日までの自分とは
全然違うような気がしていた。
はああああ。
一方。
志藤は朝からため息をついていた。
「どうなさったんですか? 二日酔いですか?」
萌香がニッコリと前にやって来た。
「二日酔いのがまだマシや・・・」
タバコをくわえた。
心だけでなく身体も女になってゆくひなたに志藤は何だかショックを受けて・・
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