「なんっか・・・傍からみたら援交カップルに見えへんかな・・・」
ひなたを食事に連れて行ったはいいが、制服姿の娘に周囲を気にした。
「ハア? アハハ、ほんとだ。」
ひなたはお気楽に笑った。
そして、食事中ひなたはいきなり
「ねえ、パパはさあ・・浮気とかしたことないの?」
そんなことを聞いてきた。
「は・・・」
喉につまりそうになった。
「ほら、パパってカッコイイし。 そんなことないのかなあって、」
彼女は平然として言った。
「あのなあ・・・。 娘にそんなん言われるのほんま悲しいってゆーか。 おれはほんまに結婚してからママひとすじやし? そんなんするわけないやろ、」
「そっかあ。 浩斗のお父さんね、浮気しちゃったんだって! そんで別れちゃったってゆってたし。」
「ああ・・そう。」
志藤はぐったりと疲れてしまった。
「もしさあ。 あたしができてなかったら。 ママとは結婚してなかった?」
さらにひなたは
『難問』をぶつけてくる。
少し
ドキンとした。
「・・・確かに。 ひなたができたから結婚はしたけど。 でも、もしそーなってなくてもママとは結婚したと思う。」
志藤は素直にそう答えた。
「ほんっとに迷わないでそう思ったの?」
「えっ・・」
嫌な汗がだくだくと流れてきそうだった。
「パパは。 迷わなかった。 ただ、ママはやっぱり女だし。 いろいろ考えることはあったと思う、」
オブラートに包むような答えを出した。
「でも! ひなたがパパとママのところに来てくれたのは、そーゆー運命だって思ってるし、」
さらに志藤が言うと、
「あのねえ・・・あたしだってもう中1だよ? どーやったら子供ができるかくらいわかってるし!」
ひなたが鬱陶しそうにそう言ったので、
「へっ・・・」
志藤は頭をハンマーで叩かれたような衝撃を受けてしまった・・・
「結果的に。 うまくいってよかったってことだよね。 そのあと4人も子供できたんだもんね、」
娘にこんなことを言われる日がくるとは・・・
志藤は何だかショックでテーブルに突っ伏してしまった。
「ちょっとパパってば・・」
ひなたは彼の肩をゆすった。
んっとにもう
死ぬほど遊んできたことを許してください・・・
神様に懺悔をしたい気持ちだった。
「てゆーかさあ。 男の人のことを好きって思うのって・・・。 どーゆーことなのかなって、」
ひなたはさらに難しい質問を続けた。
「は・・?」
志藤は顔を上げた。
「胸がドキドキするとか。 一緒にいるともう・・顔が真っ赤になっちゃうとか。 そんな感じかな、」
ひなたは大真面目だった。
「おまえ・・す・・好きな人ができた、とか?」
志藤は今度はそこが心配になってきた。
「そうじゃないけど。 でも、今までそーゆー気持ちとかになったことなくって。 クラスでも男の子とつきあってる子もいるけど・・・。 一緒に帰ったりとか、なにかをプレゼントしあうとか。 そんな感じで。 それをしたいだけなのかな?」
「う~~~~ん、」
志藤は大いに悩んでいた。
自分が中学生くらいのときは
もうしっかり異性を異性として把握して。
男として、どうしたいって
もちろん『性欲』だってあった。
しかし・・・
そんなことを娘に話すべきなのか?
「一緒にいると・・・素直に嬉しいって思えることじゃないのかな、」
悩んだ挙句そう答えた。
「え・・」
「一緒にいたいって思えるってことだと思う、」
「でも。 それは女の子の友達といるときだって思うよ、」
「男と女は違うと思うけど。 そーだな・・たとえば・・手をつなぎたいだとか・・」
もう志藤は汗だくだった。
「手をつなぐ・・・」
ひなたはうーんと考えていた。
恋愛について娘から問われて、百戦錬磨の志藤もタジタジです・・
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