On that days(16) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ホールの広めの控え室で楽団員との打ち上げをしたあと



「ね! まだ飲もうよ~~! ほんまに嬉しい!!」

南が志藤の腕を取ってはしゃいだ。


「体は疲れてんねんけどな。 なんか興奮して冴えてしまう、」

志藤も笑った。


「南はすでに飲みすぎだよ、」

真太郎も笑う。


「え~~~、だって! ほんまに嬉しいんやもん!! 夢が叶うってこーゆーことなんやって!」


「ま、すべておれのおかげだけどな!」

真尋が胸を張った。


「まったくもって・・・憎たらしいな。」

志藤は笑ってしまった。



ゆうこも笑って話に加わっていたが、急に思い出したように



「あ!!」



と声をあげた。



「え? なに?」

南が怪訝な顔をする。




「・・明日・・結納だったんだ・・」



記憶の彼方からそのことを引っ張ってきた。



「は? 結納?」



もう

誰の?



という雰囲気で。



もちろん志藤も。



「明日! 朝10時! ウチで結納なんです!」



ゆうこは志藤の手を取ってぶんぶんと振った。



「は?  ウチ??」



「だから! あたしたちの!」



・・・・・・



しばしの沈黙の後



「え? なにその急な話・・」



志藤は酔いがいっぺんに覚めそうだった。



「なんか・・言いそびれてしまって、」

ゆうこは申し訳なさそうに言う。


「え、結納なの!? ほんまに??」

南も驚いた。


「志藤さんも退院してから毎日忙しくて帰りが遅かったし。 ウチの両親が志藤さんのご両親がいらっしゃるならちょうどいいんじゃないかって・・」



「そ、そんな大事なこと! 今言われても!!」

志藤は絶叫した。


「ご、ごめんなさい・・・」

ゆうこは小さくなった。


「まあまあ。 えーやんかあ。 めでたいことやし! そっかあ!! あたしも行っていい??」

調子に乗った南が言うと


「結納に他人が行くなんてダメに決まってるじゃない、」

常識人の真太郎は普通に言った。


「でも! 大社長からも許してもらえたんやろ?? もー、幸せ一直線やん! あ~~、やっぱ志藤ちゃんと飲みたいよ~!」

南はさらにはしゃいだ。


「だから。 明日結納なんだから飲んでる場合じゃないだろ・・」

真太郎はため息をついた。



「もー、どーでもいいじゃん! 飲んじゃえ、飲んじゃえ!」

真尋の勢いで志藤はさらに流されてしまった・・・。






「も~~~、なんやねんな。 時間ないって言うのに!」



翌朝。

朝7時にホテルに泊まっていた志藤の両親が彼の家にやって来て、夕べ飲んで帰ったままの状態で寝ていた息子をたたき起こした。


「・・・も~~~、わけわからへん・・」

志藤はぼさぼさの頭をかいた。


「いいから! 早くお風呂に入って!」

母に背中を叩かれた。



もう

夕べの騒ぎとこの現実に

志藤の頭は混乱を極めていた。



その後は母に嵐のように仕度をされた。



その頃ゆうこも

「帯はこのくらいでいい?」


「うん・・。 何とか、」

母に着物を着せてもらっていた。


「やっぱり成人式の時のだけど、いいヤツ奮発したからこういうとき役に立つね、」

母は満足そうに言った。


ゆうこは少しふっくらとし始めたおなかを優しく撫でた。



怒濤の『結納』へとコトは進みます・・・


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