Shining days(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ただ。」



志藤は箸を置いた。


「・・社長秘書をしていた子で。 社長が・・・怒ってはる。」



「え、」


両親は驚いた。


「ほんまに社長に大事にされてた子やから。 そんなんなってしまって今は仕事もでけへんようになってしまったし。 これからは今までと同じように仕事、でけへんやろうから。 」



「ちょっと・・・大丈夫なの?」

母は心配した。



「それは。 おれはどうなっても彼女と一緒になるし。 いつかは社長にもわかってもらいたい。 もう、それだけや、」



息子の決心に

両親は黙ってしまった。




『あの日』

の彼の絶望を目の当たりにしてきて。


ひょっとして

結婚なんか一生しないのではないかと思ってきたから。



もう一度幸せを掴もうとしている

彼を親として

精一杯、後押ししてやりたい気持ちはあるが



突然のことに

複雑な気持ちも隠せない。




「もう。 ほんまの気持ちなんやな、」



父は静かにそう言った。


志藤は少し微笑んで、



「・・うん、」

と頷いた。




その笑顔は

自然で

幸せに満ち溢れて。



両親は

ホッとしていた。




「でも。 おまえは軽はずみな行動で、その子の運命を狂わせてしまった。 仕事も・・。 社長さんにも迷惑をかけることになってしまった。 その責任は取らんとアカンな。」



とつとつと

そう言われれて。

少し胸が痛んだ。



「そして。 そちらのご両親にも誠意を持ってこれからも接していかなアカン。」


志藤は黙って頷いた。




きちんとした順番を踏んで、彼女と一緒になれたなら

誰も混乱させずに

幸せになれたのだ。




志藤は猛烈に反省をしていた。




「あたしたちも白川さんのお宅にご挨拶に伺わないとね。」

母が言った。


「そやな、」



忙しい両親にも

無理をさせることになってしまった。



志藤はうな垂れたあと、



「・・・ごめん、」

と、両親に頭を下げた。





実家の部屋は久しぶりだった。

ベッドにごろんと横になる。



中学を出るとすぐに大阪の学校の寮に入ってしまったので、ここで寝起きしてたのは

たったの15年だけで。



もう

倍の月日が経ってしまった。

この間にどれだけのことがあったのだろう。




「幸太郎、入るよ。」

母の声だった。



「あ・・うん。」

寝たまま答えた。



「掛け布団、これでええか? それじゃあちょっと寒いやろ。 明日は雪かもしれへんて言うてたし、」

母は上掛けを持ってきた。



「ああ、なんでもええわ。」

タバコを手にした。



「寝タバコはあかんで。」

ジロっと睨まれて、



「わかってるて・・」

仕方なく起き上がった。




「・・・いい子みたいやったけどな、」




母は布団を敷きながらポツリと言った。



「え?」



「あの子、」



ゆうこのことを言っているのだと気づいて、少し照れたように




「・・うん。 おれにはもったいないくらいや。」

と、苦笑いをした。



「泣かせたらアカンで。 あんたかて・・・つらい思いしてようやくここまで来たんやから、」



母の言葉が

胸に刺さる。



母は息子の決心を優しく、そして心配そうに見つめます・・・


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