True love(9) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

ゆうこは風呂から上がって、髪を拭きながら二階の自分の部屋に戻ってきた。



それを待っていたかのように携帯が鳴る。



その番号を見て、ちょっとためらったが電話に出た。




「もしもし・・・」



「あ、おれ。」




『おれ』

なんて、馴れ馴れしいんだから・・・。



でも

誰だかわかっちゃうけど。



ゆうこはため息をついた。



「もうお帰りですか? 早いですね、」

時計を見る。


「別に。 食事して彼女の泊まってるホテルに送り届けただけやし。 って、中までは行ってへんで、」

志藤は笑う。



「別に聞いてないですけど・・・」



「今家なの? やることあったのに、そっちこそ早いんとちゃう?」

イジワルな質問に



「・・すぐ終わったんです、」

ちょっと強がってしまった。



「この携帯は社長から渡されているものですから、本当にプライベートでは使っちゃダメなんです、」


「こっちからかけてるんやからえーやん。」


「いつも履歴が残らないように消したりしてるのに、」


「そこまでしてるの? どーせ社長はチェックなんかせえへんて。」

志藤は笑った。



「でも・・」


「そしたら。 きみも携帯買ったら? 便利やん、」


「そんなに必要じゃないし・・」


「そしたらバンバン電話できるし。 家電なんかにしたらさあ、怖いお父さんに切られちゃいそうやろ?」

と笑う。




ちょっと会話が途切れて、ゆうこはつい



「成田さんて・・キレイな人ですね。」



と紗枝のことに触れてしまった。



「え? 紗枝? ああ。 おれは大阪の同期が他に5人いてるんやけど。 女性は一人で。 もう入った時から彼女はマドンナやったもん。 だけど、彼女はあの通り仕事命の人やから。 男顔負けに仕事するし。 上司にも食ってかかったり、めっちゃ強いねん。 姉御肌で頼りがいあるしな、」




名前で呼び合う

親しい仲なのかな・・




ゆうこは一瞬そんなことを考えてしまった。



すると、その空気を察したのか



「あ、なんか誤解してる? おれ、彼女とは何でもないから。」



ケロっとして言われて、




「は・・?」


「もし気にしてたらゴメンな、」




ゆうこは一気に恥ずかしくなり

「き、気になんかしてません! どこまで自信過剰??」

大きな声を出してしまった。



そんな彼女に志藤はおかしそうに笑った。




翌日も紗枝は朝早くから出勤して、バリバリと仕事をしていた。

社長も交えての話し合いもあり、ゆうこも同席させてもらった。


「まだまだこれでは何かが足りないというか。 お客さんを集める決め手がない感じがしますね・・」

紗枝は北都の前でも物怖じせずに自分の意見を言う。



「じゃあ、白川さん。 この書類はあとで社長に見てもらってください。」

紗枝からファイルを手渡された。


「あ・・ハイ・・。」

彼女といると何だか背筋がピンと伸びるような気持ちだった。




ゆうこが社長室を片付けて

「では、今日は失礼させていただきます。」

と北都に一礼して帰ろうとすると、



「あ、白川くん。」

呼び止められた。


「はい。」


「大阪の成田くんを食事に連れて行ってあげてくれないか? たぶんまだ一人で会議室で仕事をしているはずだ。 頑張ってくれているから。 伝票はこっちに回していいから。」


「あ・・はい・・」

小さく頷いた。



「え? 社長が? ええのん、そんな、」

紗枝はノートパソコンを閉じながら言った。


「はい。 よろしかったら。 成田さんのお好きなものをごちそうしてあげるようにって言われてますから。」

ゆうこはニッコリ笑った。



「ほんま?? あたし、本気にするよ。」


「え・・ええ・・」


「ふぐ! とかでもOK?」




「はあ? ふぐ、ですか・・」

ゆうこは目をぱちくりさせた。




ゆうこは紗枝と食事に行くことになりましたが・・・・


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