True love(4) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

世間はクリスマスイヴ。



それでも仕事は忙しく、ゆうこは今日がイヴであることにずっと気づかなかった。




「白川さん、これ。」



志藤がやってきてクリアファイルを手渡す。



「え・・あ・・はい、」

ドキンとした。



そのまま彼は行ってしまった。

その資料を取り出してみていくと、最後のページに付箋が貼ってあり、




『今日の夜。 食事をしよう。 外出するけど8時には戻るので待っていて。』




彼の文字で書かれていた。




もう・・・。




ゆうこは志藤に視線をやると、彼はいつものようにテキパキと仕事をこなしていた。




志藤は外出から少し早く戻れて、7時15分前には帰社できた。


すると、秘書課はがらんとしていた。



「・・あれ?」

志藤はゆうこの姿を探したが見えなかった。



「あの・・白川さんは・・?」

そこにいた後輩の朝倉多佳子に聞くと、


「え? 白川さんは・・ついさっき帰りましたよ。」

あっさりと言われた。




「はっ・・?? 帰った??」


「ほら、今日はイヴじゃないですかあ。 あたしもこれからカレシと待ち合わせなんです~~~。 志藤さんもどーせこれからデートでしょ? じゃあ、お先に失礼しまーす。」

彼女はそう言って笑顔で出て行った。




帰っただと??




志藤はゆうこのきれいになったデスクを見た。




あんの・・女~~~~!





イヴだってのに

こんなに早く帰れるなんて。


いつもだったら、もうこの時期は忙しくてどーしようもないけど。

仕事を少し志藤さんに代わってもらったおかげかなあ・・。




ゆうこはのろのろと帰宅の途についていた。



その角を曲がればウチというところで

いきなり志藤が仁王立ちしているので驚いた。



「しっ・・志藤さん!」



「やっぱおれのが早かった・・・。 きみは歩くのがのろいな、」

いきなり嫌そうな顔をされてそう言われた。



「のっ・・のろくてすみませんでしたねっ! なんなんですか、もう!」



「なんで待っててくれなかったんだ!」



まずそれが言いたかった。



「えっ・・・」

ちょっと後ずさりをした。


「なんでって・・・・」

そして目を逸らす。



「なんですっぽかすねん、」


「そ、そんなに怒らないで・・」

あまりに彼が怒っているのでちょっと怖くなってしまった。



そこに

「あらあ、ゆうこちゃん。 今、帰り?」

どこかのおばちゃんが声をかけてきた。



「え??? あ、こ、こんばんわ。 はい・・今、帰るとこ・・」

ひきつった笑顔で答えた。


「ほんと最近またキレイになっちゃって。 これじゃあ、てっちゃんも心配だわね~~~~。」

そのおばちゃんはチラっと志藤を見て、ニヤニヤと笑った。


「なっ・・ち、ちがっ・・・。」

ゆうこが慌てて否定をすると、


「まあまあ。 ほらっ! 今日はクリスマスイブだし? 世間では若い人たちが盛り上がってるしさあ・・」

アハハと明るく笑って、ゆうこの背中を叩いてそのおしゃべりそうなおばちゃんは行ってしまった。



「はああああ、」

深いため息をつく。


「だれ?」


「母の友達のソバ屋のおばちゃんです。 めっちゃくちゃおしゃべりなんです! あの人は・・・。 こんなトコ見られたら・・お父ちゃんに何言い出すか・・」

疲れたようにブロック塀にもたれかかった。



「下町って感じやなあ・・」

感心していると、



「感心してる場合じゃないですっ!」

ゆうこはキッと彼を睨んだ。



ここから志藤の猛アタックが始まりますが・・・


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