Lookin' for happiness(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「結婚は。 諦めてするものでもない。 一番好きな人とするもんだ。」




また

あの笑顔で。




「志藤さん・・・」



ゆうこの胸に彼の言葉が突き刺さる。




「ま、おれも偉そうなこと言えないけど。 結局、デキちゃった結婚しようとしてたし。」

と笑った。


「でも・・いつかは彼女と結婚しようと思っていたでしょう?」


「それは、もちろん。 ・・彼女しかいないって、思ってたし。」




なんだか

胸が苦しい。




「おれはその阿川社長の息子のことは知らないけど。 たぶんいい人なんだろーな。 きみのこともきちんと考えてくれて。」


ふうっと煙を吐いた。



そういう人なら

彼女を幸せにしてくれるかもしれない・・・




ほんの少しそう思ってしまった。




この交際を受けることに

マイナスなことを言ってしまった自分が

とてもずるいんじゃないかと思った。



ひょっとして

彼と結婚すればゆうこは幸せになれるかもしれない。




だけど

ものすごく心の中が複雑だった。



この自分の動揺が

想定外だった。




「せっかくだから。 二次会に行こう。」

志藤は立ち上がる。



そんな彼の顔を見ると、また胸がドキドキする。



「やっぱり。 帰ります。 精神的に疲れてしまって・・今日は。」

ゆうこはうつむいた。




また

今朝の夢を思い出してしまった。




「じゃあ、駅まで送ってあげる、」

と、志藤はついてきてくれた。





おれ

いったい

どーしようと思ってんだ。




この子には

幸せになって欲しいって思っているのに。



これが

そのチャンスかもしれないのに。


その男のことを

全く知りもしないくせに・・





志藤は

ゆうこの存在に

悩むことが多くなった自分に気づいていた。





ジュニアとのことも

無理やり諦めさせて。



その彼との縁談も

やんわりと

彼女が断るように話を導いて。




どんどん彼女が行こうとする部屋の扉の鍵をかけていっているのは




自分だ。





ゆうこへの思いがどんどんと変化していくのを認めたくない志藤でしたが・・・


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