Flower blooms(17) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「ねえ、」



南はうつぶせになって、隣にいる真太郎の手をぎゅっと握り締めた。


「ん・・?」


真太郎はその手を握り返した。



「身体・・ちゃんと治ったら。 いつか真太郎の赤ちゃんが欲しい、」



「南、」


「跡取りとか・・そんなんやなくてな。 あたしが真太郎の赤ちゃんを産みたい。 女の本能やねんなあって、」

ふっと笑った。



真太郎は少し身体を起こして、彼女の頬にキスをした。



「うん。 でも、無理をしないで生きていこう。 ゆったりと・・」



優しく彼女の頭を撫でた。






「え、お兄さん結婚したの?」

絵梨沙は驚いたように言った。


「ウン。 急に。」

真尋はテレビでサッカー中継を見ながら言った。



「大学を卒業したばかりだったわよね、」


「そう。 ま、前からそうするつもりだったみたいだから、驚かないけど・・」


「相手の人って?」


「え? ああ、この前までウチのNY支社にいた人。 真太郎が高校生でおれが中学の時から知ってるんだけどさ。 真太郎より4つか5つ上なんだよね。 ちっちゃくてさあ・・すんげえ元気なの。 関西人で。 かわいくって。」

真尋は笑った。



「そう、なんだ。 あたし、ひょっとして・・あの白川さんて社長秘書の方とお兄さんがおつきあいしてるのかと思っちゃった、」

絵梨沙は素直にそう言った。



「あ、ゆうこちゃん?」


「すごくいい雰囲気だったし、」


「ゆうこちゃんもねー。 かわいいよねー。 健気だし。 ほんっと善人のふりしてさあ、罪なオトコなんだから、」

真尋は笑った。



「そんなことよりさあ。 また明日っから絵梨沙と離れ離れだってゆーのに。 今日、泊まるだろ?」

彼女の肩に手を回した。


「・・ウン、」

絵梨沙も嬉しそうに頷いた。


「まだ5時かァ。 早いかなあ、」

真尋は部屋の時計を見る。


「え? なにが?」



「もう、シたくなっちゃった。」



と、言ったかと思うと、いきなりソファに彼女を押し倒した。



「ちょ、ちょっと・・」




いっつも

強引なんだから・・。




そう思っても

やっぱり少しでも彼と離れると

寂しい。



あたしたちは

これからどうなるのか。


先のことは

あまり考えたくない。


今はずっとずっと

彼と一緒にいたい・・・





絵梨沙は真尋のキスを受け入れながら

言い様のない

不安を打ち消すように、彼の背中に手を回した。





「すみません。 今日はお迎えに行けなくて。」

ゆうこは会社にやってきた絵梨沙にコーヒーを運んできた。


「いいえ・・。 大丈夫です。 白川さんもお忙しいでしょうし、」

美しい笑顔を覗かせた。


「真太郎さんがもう少しでお見えになるので、お待ちくださいね、」

ゆうこは応接室から出てゆく。




それと入れ替わるように真太郎がやって来た。

絵梨沙は立ち上がって、


「こんにちわ、」

とペコリとお辞儀をした。


「こんにちわ。 疲れてないですか?」

真太郎はいつもの笑顔で迎えた。


「いえ。 あ、ご結婚されたそうで。 おめでとうございます、」

と言われて、


「え、あ~。 ちょっと急で。 真尋にもメールで伝えただけなんだけど、」

少し照れて頭をかいた。


「それでね。 彼女が・・沢藤さんに会いたいって言うんで・・・。 今夜一緒に食事をしませんか?」


「え、あたしと、ですか?」


「ウチで。 狭くて申し訳ないんだけど、」


「いえ・・喜んで。」

絵梨沙はニッコリと笑った。




絵梨沙は再び日本にやってきました。 少しずつ南の気持ちが動いてゆきます。

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