Flower blooms(1) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「あらまあ、いらっしゃい! 久しぶりねえ、」



ゆうこの母の笑顔は

あのときのままだった。


「・・突然、すみません。」

南は頭を下げた。


「いいのよぉ。 ウチはいつでもオッケーだから。 ゴハンもね、たくさん用意してあるし、」


「って。 またいつものゴハンじゃないでしょうねえ、」

ゆうこは心配になって言ってしまった。


「だから。 いつものだって。」

シレっと言われて、


「お母ちゃん!」

ゆうこはちょっと恥ずかしくなってしまった。



南はそんなゆうこに


「ゆうこちゃんのお母ちゃんの料理。 ほんまに美味しいもん。 もう・・何でも幸せ、」

彼女の背中を叩いた。


「ありがと。 ほんっと、この子はありがたみがわかってないってゆーか・・」

母はブツブツ言いながらも笑っていた。




「よう。 久しぶりだな、」

この日は日曜だったので、父も普通にいた。


「ごぶさたしてます。」



「ま、ゆっくりしていきな。」

ぶっきらぼうだが優しい言葉だった。




本当は

南がいきなり白川家に行くことになり

ゆうこは慌てて自宅に電話をして

おおざっぱな事情は家族に説明してあった。



とにかく

何も深いことは聞かずに

普通にしていて欲しい、とだけ言ってあったのだが。




そのゆうこの気遣いを

南は知ってか知らずか。

楽しそうに家族の輪の中に入って

楽しそうに話をしていた。




二人の兄も加わって

しまいには

近所の父の友達もやってきたりして。

南は久しぶりに

心からの笑顔を自然に見せることができた。





「いつでも来てね。 ほんと、しょーもないトコだけど、」



帰り際

ゆうこの母が南にそう言って

ぽんと

肩を叩いてくれた。



「・・ハイ、」



胸の中が

ジンとした。




「疲れてないですか?」


帰りのタクシーの中で

ゆうこは南に言った。




「ううん。 ほんま・・楽しかった。 ありがと、」



笑顔が自然で。

ゆうこはホッとした。





「・・・真太郎のこと。 よろしくね。」





南はいきなり

真顔になってゆうこに言った。



「え・・・」




それが

何を意味するのか。

すぐには理解できなかった。




怖くて

深くつっこめなかった。




「南さん・・?」

ゆうこは彼女の顔を伺った。






もう

明日は

真太郎の

東大の卒業式だった。






真太郎は

実家を訪ねていた。


「明日はあたしも行こうかしら。 もう、卒業式に出るなんて最後だもんね、」

ゆかりは嬉しそうに言った。


「うん・・」

真太郎は浮かない顔だった。



そこに

「ただいま、」

父が帰宅した。




ハッとして

立ち上がった。



真太郎は何かを『決心』したようです。 m(u_u)m

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