Sweet dreams(12) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

日本人スタッフが出て、ホッとした。


「あの・・・本社の真太郎ですが・・」


「ああ、真太郎さん。 中町です。」

経理・総務担当の中町だった。


「どうもお世話様です。 すみませんが・・・高原さんは、」

と言うと、


「あ・・・えっと、」

いきなり彼は口ごもった。


「どうか、したんですか?」



「彼女、ちょっと休んでいて。」


「え? 身体の具合でも悪いんですか?」

真太郎は慌てた様子で言った。


「う~~ん。 ぼくからはちょっと。 あの、すみません。 ちょっと忙しいので。 ・・・またお電話下さい。」



まるで

話をやめたいかのように、やんわりと切られてしまった。




え・・・

なに?




真太郎は胸騒ぎが止まらなかった。



南の身に

何かが起きている?



真太郎は慌てて、自宅に電話をして父と話をした。




「南、なにかあったんでしょうか。 なんか・・支社の人の様子も変なんですけど、」


北都は少し迷ったが、



「彼女。 今、日本にいる。」



と告げた。



「え・・・」



わけがわからない。



「1週間ほど前に、戻ってきているそうだ。」




え?

なんで?

戻ってきてるってどういうこと?

なんでおれに言わないの・・?




わからないことだらけだった。



「ど・・どこに・・?」

ようやくそれだけ言えた。




「ん。 都内の。 病院だ。」




その言葉も

衝撃だった。




「話を・・・して下さい。 どういうことなのか!」



真太郎は受話器を握る手が震えてしまった。





電話ではもどかしすぎて

真太郎は実家に父の話を聞きに行った。


北都はいつもよりもいっそう難しい顔をしていた。


「2ヶ月ほど前。 激しい腹痛に襲われて、緊急入院したようだ。」

北都は静かに話しはじめる。



「入院?」



真太郎は驚くことばかりだった。


「原因は卵巣のう腫。 ふたつあるうちのひとつが化膿して、それが他の臓器に癒着するくらいひどかったらしい。 かなり我慢をしたんだろう・・・」




この前

電話をしたのは・・それより少し前。

声に元気がないって

思っていたのは気のせいじゃなかった。



どうして

具合が悪いのに

あの時言ってくれなかったのか!!




真太郎はぎゅっと拳を握り締めた。




「緊急手術で。 片方の卵巣を取り出したそうだ。 もう片方も・・ほとんど機能しなくなってるらしい・・」




それがどういう意味なのか。

女性にしかわからない

深い深い意味を持つことだけは

わかったけれど。




「帰って・・来てるんですか。」



真太郎は震える声でそう言った。



「退院したあとも・・普通の生活さえしんどくなったようで。 支社長と話をして、しばらく日本で療養したらどうか、という話になったそうだ。 11時間もかけて、苦しい思いをしてひとりで戻ってきたようだ。 そのまま病院へ行ったら、少し入院したほうがいいということになって。 かなり疲労もたまっていたようだし、」




どうして・・

どうして?




その言葉で

真太郎の頭の中はいっぱいだった。




父から衝撃の事実を告げられた真太郎は呆然とし・・・

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