Piece of dreams(14) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

志藤と斯波と南は3人で定期公演の打ち合わせをしに行った。

終わったのが8時だったので、


「ね~、どっか食べにいかない? この時間やから飲みにでもいいよ、」

南は言った。


「う~ん、」

志藤はそれでもいいか、と思ったが、


「おれは帰る。」

斯波はボソっとそう言った。



「も~、斯波ちゃんさあ、いっくら飲めないからって言ったって。 食事くらいはたまには付き合いなさいよ。」

南は膨れてそう言った。


「あなたたちは飲めるから楽しいだろうけど。 一人シラフでいるのもほんっといたたまれないんだよっ、」

斯波はイラついてそう言った。


「え~~~、行こうよ~。 真太郎も明日までNYに出張でさあ。 あたしもつまんないし~、」

南は甘えるように斯波の腕を取ってくっついた。



だからさ・・・。

ほんっと、いちいちこんなされると動揺するし。



斯波は心で思った。



ここに来た当初から

彼女には

悔しいけどいつも負けてしまう。


本当に底抜けに明るくて、未来の社長夫人だってのに

全くそんなのも感じさせずに

口下手なおれのことも

わかってくれて。

フォローもいつもしてくれるし。




おしゃべりで、

くるくると表情が変わって。


なんだか

彼女といると

調子が狂う。



いつもの自分でいられないような感じで・・・。



「ね、この前さ~。 六本木にすっごいいい店見つけちゃったの! ちょっと落ち着いた飲み屋さんなんだけど! 旬の魚とかもすっごい美味しくて。 和食メインなんだけどさあ。 お酒もいいヤツ置いてあって。 雰囲気がめっちゃええねん、」

南は斯波の戸惑いを無視して彼の手を取って、志藤に笑いながら話をした。



「え・・、ここ?」



その店が入っているビルの前で斯波は思わず立ち止まってしまった。



「ウン。 ここの5階。」


「ここか・・」

ひとり言のようにつぶやく彼に


「え、来たことあるの?」

南は顔を覗き込む。



「・・いや・・」

なかなか入ろうとしない斯波の背中を南は無理やり押し込んだ。



「ほんま、ええ店やん。 つまみも美味いし。」

志藤は日本酒の冷やを飲みながら上機嫌に言った。


「ね~、そやろ? まだできたばっかみたいなんやけど。 落ち着いた大人の隠れ家的な店やろ?」

南は満足そうに言った。




斯波は何だか落ち着かない様子で店の中をキョロキョロ見回した。


「なに、あんたさっきから・・挙動不審やなあ、」

南は斯波の耳を引っ張った。


「いてっ・・! い、いや・・別に。」

ウーロン茶を一気に飲んだ。



「まあでも。 こうしておれらのメシについてくるようになっただけええやん。 ほんまコイツ、仕事以外趣味ありませんって雰囲気やし、」

志藤は笑う。


「ほんまや。 もちょっと遊んだほうがいいって。 この前さあ、他の部署の女の子に聞かれちゃった。 斯波さんってすっごくシブくてステキですけど、女に興味ないってほんとですか?って。 こっち系かと思われてるよ、」

南がゲイの仕草をして言ったので、飲んだウーロン茶が逆流しそうになった。



「なっ・・・」



むせかえる斯波を見て、志藤は大笑いをして、

「ハハっ。 こっち系って・・。 でも、二丁目とかでモテそうやけどなあ。」

と言った。


「ほんっと女の影、ないもんね。 マジ、彼女とかいーひんの?」

南が真面目な顔で言うと、若干赤面して



「・・いねえよ・・別に。」



もうこれ以上おれをいじるなっ!




そんな雰囲気が充満していた。



「え~? マジ、こっち系やないよねえ?」

南がしつこく言ってくるので、ムカっとして



「おれはノーマルだっ!!」



思いっきり声を張って言ってしまった。



二人は一瞬の沈黙の後、大笑いをして

「ノーマルやって!」

南は志藤の背中を叩いてウケてしまった。



「そんな絶叫して、」

志藤も笑う。



だから・・ひとりシラフでいるのが嫌だったんだっ!!



斯波はどっと疲れてしまった。



一方、ナゾの多い男・斯波の周辺も徐々に明らかになります・・

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