Endless love(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

高宮は色んな思いをめぐらせて、



「人によるかも・・だけど。 おれは・・ちょっと考えられないなあ・・。」

ボソっと言った。


「え? どーして?」

夏希は身を乗り出す。


「え・・どんな別れ方したとしても。 過去に自分が愛してた人ってやっぱ特別っていうか。 心底、嫌いになれることなんか、ほとんどないし。 女より男のがそういうの引きずるって言うし・・・。 どっかしら未練みたいなもん、あるような・・気がする。」



言葉を選びながら言う彼に、


「へえええええええ。 そうなんだァ・・。」

夏希はこっちが恥ずかしくなるくらい、まっすぐに見てものすごい感心をする。



「隆ちゃんもそうなの?」



またも

非常に答えづらい質問を真正面からされて、



「お、おれ??」

声が裏返りそうだった。


「それは・・どうかな・・」

気まずそうに目を逸らした。


「南さんの話によるとね、八神さん、ほんっと彼女に入れ込んじゃって大変だったんですって。」

話がちょっとそれてホッとした。



そうだな・・

もし

『元カノ』

突然、目の前に現れたら。

あんな笑顔で話しなんかできないような気がする。



高宮は昼間の八神のことを思い出していた。





美咲は正直

そのチケットのことをすっかり忘れていた。

会社が引ける頃にその存在を思い出し、



あ、そっか

今日なんだっけ。

行かなくちゃ。

せっかく

いただいたんだし。



と、渋谷に出かけて行く。




「あ、マユちゃん!」

八神は会場のロビーで麻由子の姿を見つけた。

「八神さん。」

麻由子も嬉しそうに駆け寄る。


「もうすぐ始まるよ。 早く席に着かないと、」


「はい、」

優しく彼女をエスコートした。



美咲はそれに遅れること10分くらいで会場にやってきた。



慎吾、来てるのかな?

連絡するの忘れてたけど・・・。



ちょっとだけ彼の姿を探したが、わからなかったので

すぐに中に入って行った。




わぁ・・・




美咲ははじめてのクラシックコンサートだったが

その華やかな雰囲気と

音に包まれて・・



慎吾の

発表会的な舞台しか見たことなかったけど。

こんなに迫力があるんだぁ・・。

すっごーい、



そして、最後に真尋が登場する。

彼が現れるとものすごい歓声と拍手が巻き起こる。



え?

クラシックコンサートなのに

こんなに騒いじゃっていいの?



美咲は戸惑う。



真尋は笑顔で手を振って、ピアノの前に座った。

そしていきなり弾きだしたのは



ベートーヴェン・『月光』



前半は幻想的で

うっとりとするような。

優しい優しい音色で。



そして

後半になると

一転して激しい曲調になり、

見ているほうが

力がすっごく入ってしまうような・・。




美咲はその世界に

どんどんと引き込まれて行った。




麻由子と美咲、ニアミスか?

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