Somebody loves you(13) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

八神は急に腹立たしくなり、


「ほんっと、ゆうべはおまえの『アホ』な彼女のせいで、どうなることかと思った!」

と高宮に言い放った。


「はあ?」


「ほんっと! 常識知らずで迷惑かけられっぱなし!」

それにはちょっとムッとして、



「先輩であるあなたの責任もあるでしょ、」

と言い返してしまった。


「ほんっと! 規格外れのアホだから! おかげで・・おれなんか、あらぬ疑いをかけられて! 」



「彼女に殴られたんですか?」

先回りしてそう言われ、


「くっ・・。 なんか、魔女みたいな爪してっから! ほんっとまだヒリヒリして・・」

ちょっとテンションが下がって、頬を押さえた。



「加瀬ごときに! おれがなんかするわけでもないのに!」

悔し紛れにそう言うと、



「失礼じゃないですかっ、」

高宮もあまりの言いようにムカっとした。


「ほんっと、あいつとなんか仕事したくなかったし!」

八神はキレそうになってしまった。



「ほんっとあんな状況下でも、あいつ緊張感ゼロでおれの膝枕でグウグウ寝てるし!」


「はあ??」


「んで、どけっ!ってここ引っ張ったら、シャツのボタンが飛んじゃって! いきなり『なにするんですか!』ってパニくりだして、顔ぶつけて鼻血出すし。」

高宮はそんな話を聞かされてワナワナと震えだした。



「そ、そんなことしたんですか・・・。」


「そんなことって! 事故だろ? 事故! やっと鼻血が泊まったと思いきや、鼻に青アザができてたから、そこ指差そうとして近づいたら、また騒ぎさしておれの頭を思いっきりはたきやがって!」


「・・・・」


想像して絶句だった。



「挙句の果てに、オッパイ触ったとかぎゃあぎゃあ言い出して!」


「なっ・・」

カーッと全身の血が逆流しそうだった。



そして、八神に掴みかからんばかりに、



「さ、触ったんですかっ!」


必死だった。



あまりの彼のリアクションに口の滑った八神は、ヤバっという顔をして・・・



「や、わざとじゃないから・・ほんと、」

急にトーンが下がった。



逆に高宮の怒りが頂点に達し、



「あんたって人はっ!!」

襟首を締め上げてしまった。



「お、おちつけ!ほんと、偶然だからっ!」

八神は必死に抵抗する。



「許せないっ!」




おれ以外に

おれ以外にっ!

彼女の体に触る男がいるなんてっ!!!



そこに南が通りかかる。


「あ、なにしてるん!」

慌てて二人を止めた。


「こっ、この人がっ!」

高宮はもう口が空回りしてしまった。


「もう落ち着いて、」

ようやく二人を引き離した。



「は~? 加瀬のオッパイ触った~?」


「声がでかい!」

高宮は南の口を押さえた。



「だから、事故なんだってば・・・」

八神は泣きそうになりながら言う。


「まあ、事故ならしゃあないなあ、」

南も頷いた。


「そうでしょ? なのに、こいつがいきなり怒り出して、」


「ぜったい、やましい気持ちあったんだっ!!」



「え~、そりゃ八神だって男やもん。 触りたくなっちゃうよねえ?」

南の問いかけに八神は思わず、


「そりゃそうですよ、」

と本音を言ってしまい、


「やっぱりわざとだっ!」

高宮は聞き逃さなかった。



「アホか、」

南はため息をついた。




高宮は仕事があるため仕方なく部屋を出て行く。


「あ~、ひどいめに遭った・・・」

八神はネクタイを直した。


南はそんな八神を見て、

「美咲ちゃんに殴られたの? すっごいバリバリ跡残ってるやん、」

ぷっと吹き出した。


「え~? もう、ほんっと大変でしたよ。 地下に閉じ込められたって言っても信じてくれないし。おまけに。 昨日加瀬のヤツが鼻血出したもんで、おれのシャツにも血がついちゃって。 これはなんなんだ、とか。すんごい問い詰められて。 しかも、昨日は美咲の誕生日で、約束もしてたから。 めっちゃくちゃ怒って・・んで、ひっぱたかれて・・」

思い出すだけで目が潤んでしまう。



「あ~あ~。」

南も想像してちょっと同情した。



「だから、ホントのこと全部話して。 加瀬と一緒だったことも。 まあ、なんとか怒りは鎮まりましたけど。 ほんっと感情の起伏が激しくて、すぐ手が出るし・・」


「合コンはオッケーなくせして、そこはアカンねんなあ。まあ、カワイイやん。 めっちゃ心配したと思うよ。 あんたのこと心配で。」


「・・・まあ、」

ちょっとだけ照れてうつむいた。



「んで・・・どやった?」


「は?」



「加瀬のオッパイ触った感想。」

ニヤっと笑う。



「えっ」

八神は絶句してしまった。



「けっこうあるやろ。 あたしも最初びっくりしたもん。」


「・・・ん、まあ。 見た目と違うもんだなあと、」

ボソっとそう言った。



「も、ほんま彼氏がテクあるからさあ! 大きくなっちゃったんじゃないの?」

南は暢気に笑って八神の背中を叩いて出て行ってしまった。




「ちょっと! 想像だけ置いてかないでくださいっ!」



出て行く南の背中に思いっきりそう言った。



想像だけ置いていかれた八神でしたが。 今後もこのことで高宮との間に妙な『しこり』が残ってしまいます・・

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