With you(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

彼が体を動かすたびに

また痛みが蘇る。



それでも

あたしは・・・・


大人になりたい。


それが

高宮さんだったらあたしは嬉しいんだから。



夏希の目の端に涙が浮かぶ。



目を開けて彼の表情をふっと見た。


狂おしそうに

いつものクールな彼じゃないように。



こういう顔、するんだ。



してることは

この前と同じはずなのに。


その時は

彼のこんな表情まで

気づかなかった。



だんだんと彼がいとおしく思える。



「大・・丈夫?」

気を遣って言われるが、



「・・・ん、」

夏希は頷いた。



「ごめん・・おれ・・・・すっごい・・気持ち・・いい、」



高宮は彼女を抱きかかえるようにして思わず本音を言ってしまった。



「キモチ、イイ・・?」



夏希は潤んだ瞳で彼を見つめた。



「・・・う・・ん、」

切なそうに答える。



なんか

かわいい・・・。



夏希は胸がきゅんとなってしまった。



「な・・・」



体を絡ませながら、彼が何かを言いたそうにした。



「・・・え?」



「・・夏希、」



はっきりと

初めて

彼女の名前を呼んだ。



『加瀬さん』なんて

よそよそしく呼んで。

やっぱり

大人ぶってた。



高宮は彼女を抱きしめた。

「す・・・好きだ」



体の痛みよりも、

彼の気持ちが嬉しくて。


「うん、」

夏希は頷いて涙をこぼした。




「ん・・・・・」

行為の後、高宮は疲れたように彼女に覆いかぶさったままだった。



「ほんと・・・キモチ良かった。」

目を閉じて眠るように言う。



キモチいいって言われると。

ちょっと胸がくすぐられるように

嬉しい。



少しだけわかった気がする。

愛し合う二人が自然と抱き合うわけが。



夏希は高宮の頭を抱えるようにぎゅっと抱きしめた。



なんだろ、このキモチ。



かわいい・・。



男の人をカワイイなんて思ったの、初めて。



それを

『母性』と呼ぶことを

夏希はまだまだ気づいていなかった。



その後も何を話すこともなく、することもなく

抱き合っていた。

時々、キスをしながら。



なんか

幸せ。



この前とは全然違う。

今は体中で愛されてるってわかる。




すると

高宮はハッとして起き上がった。



「そう言えば、この前の時、大丈夫だった?」


「え・・・なにが」


「だから、シないで、シちゃったから!」

彼の言っている意味がわからずにきょとんとする。



「シないで??」



高宮は顔を少し赤らめて、



「だからさ・・避妊しなかったから。」

恥ずかしそうに言われて、夏希はやっと気づいた。



「ああ・・・そっか。や、だいじょぶだったのかな???」

暢気に言うので、


「え、なに、ヤバイの?」

焦ってしまった。



「わ、わかんない。 あたしいっつも周期が同じで。 毎月8日から10日の間に来るんですけど、」



今日はもう・・・15日。



「って、まだなの??」


「はあ・・」

無邪気に頷く。



高宮は青くなった。



「って! 1週間も遅れてるじゃん、それってどーなの!?」

大いに焦る。


「え、どうなんだろ。 あんまり遅れたことないけど、」



よくそんなに落ち着いていられるなっ!



高宮は一人焦っていた。


「そんな、暢気に、」

「なんか、そんなこと心配する余裕もなくって・・」



あまりにそういうことがわかっていない彼女に

高宮は別の意味で



かわいい・・・・。



不謹慎にも萌えてしまった・・。



夏希は高宮の全てを受け入れる決心がつき、ひとつ大人になりました・・

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