Smile again(6) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「おはよう・・・ございます、」


高宮は重苦しい気持ちで出社し、北都社長に一礼した。



「うむ・・・」

社長はいつものように新聞を目に通していた。


「ああ、急だけど、明日からNYに出張に行くことになったから、」

と告げられ、


「え・・・」


「今度、むこうのSeagal Gr.と提携すること本決まりになったから。 その契約で。 舞台のライセンスも取れるし。パスポートは大丈夫だよな?」


「はい、」

心ここにあらずの彼を見て、


「具合でも悪いのか?」

と言った。


「えっ・・・」

高宮はハッとした。

ぼうっとしてる、」


「いえ。 パスポートは・・・大丈夫です。 ホテルなどの予約もすぐに、」

一礼して彼の前から去った。



「な、見て、コレ。 レックスの里中さんがまたバカなメール送ってきてさあ、」

八神はおかしそうに携帯を夏希に見せようとしたが



反応ゼロ・・・・。

そのまますーっと行ってしまった。



「なんだよ、もう、」



朝から何も喉を通らなかった。

昼になっても何もせずにぼーっとデスクについていた。


「どないしてん、お昼も行かないなんて。」

南は夏希に声をかけた。


夏希は黙って首を振る。


そこに八神が来て、

「食いすぎて腹壊したんじゃね~?」

と笑って軽い気持ちで彼女の肩に手をやった。



その瞬間

夏希はビクっと体をこわばらせて慌ててその手を振り払って立ち上がる。



「へ・・・?」

その反応に二人は驚く。


「な・・・どしたの? 加瀬、へんだよ?」

南はひきつって笑いながら言う。


「す、すみません・・・・」

そのまま部署を出て行ってしまった。

南と八神は顔を見合わせた。



もう

どうか、なっちゃいそう。

どうしよう・・・。



夏希は一人になりたくて会社の屋上で金網にもたれて悩み続けた。



高宮とは今日は顔を合わせていない。



・・・会うのが怖い。



その時、ポケットから携帯の音がしてビクっとする。

ウインドウを見ると

『高宮さん』

彼からの電話であることを告げていた。



鳴り続ける携帯に

どうしても出ることができなかった。




この日

高宮はずっと外出しっぱなしで、社長を車で待つ間のわずかな時間に彼女に電話をしたが、いくら鳴らしても出てくれない。


そして、社長が出てくるのに気づいて、慌てて携帯を切ってポケットにしまう。



夏希はなんだかどんどんどんどん気分が悪くなってきた。


今朝から何も食べていないのに吐き気がしてどうしようもない。

耐え切れずにトイレに駆け込んで、胃液を吐いた。

胃腸は丈夫で吐いたりすることも普段はありえない。



苦し・・・。

なんだろ・・・・。



トイレから出て仕事に戻ろうとした夏希に南は


「ちょっと、顔色悪いよ。 具合悪いんちゃうの?」

本当に心配した。


「いえ・・・」

消え入りそうな声で言う。



「どうした?」

斯波が歩み寄る。


「なんか具合悪そうで、」

と南が言うと、斯波はいきなり彼女の額に手を充てた。



夏希はその時

ぞぞっとして

全身の毛穴が開く思いだった。


そして



思わず・・・。



すごい勢いで立ち上がる。



「へ?????」

二人は驚いた。


「加瀬・・?」

南は壁にもたれて立ちすくむ彼女を見た。



震えてる?



夏希はハッと我に返った。



「す、すみませ・・・・・」



目が

回ってきた。

ゆうべは一睡もできず。


激しいめまいに襲われ、その場に座り込んでしまった。




ぜったい

おかしい・・。



南はタクシーの中でも窓にもたれてぼーっとしている夏希を見て思う。


しかし



何があったの?



と軽く聞けるような雰囲気ではない。



さっき

八神に肩に手をやられた時も。

斯波ちゃんにオデコを触られた時も。

過剰なくらい反応して。



これまでの彼女には考えられないことだった。


ショックのあまり夏希は身体に変調をきたしてしまい・・

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