Pure Love(2) | My sweet home ~恋のカタチ。

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せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

「こっ・・・これは・・・」



高宮は彼女が作った代物を見て固まった。



「バナナがゆです!」



夏希は胸を張った。


「バナナ、がゆ??」



そう言えば

何となくあま~い匂いも漂って。



「なぜ・・バナナ・・??」


「あたしが子供のころおなかこわすとよくお母さんが作ってくれたんです。 けっこうクセになる味で。なんでもないときもたまーに作って食べたりとか。 よく赤ちゃんの離乳食にするんだよってお母さんは言ってました。 バナナは栄養もあるし。」

満面の笑みで説明されて。



すっごい

食べるのに勇気がいる・・・・。



「どうぞ!」



しかし

彼女の笑顔を見ると断ることもできず。


「い・・・いただきます・・・」

スプーンで少しだけすくって口に運んだ。



う・・・・・




なんか

まずいってわけじゃないけど

飲み込めない・・・・。




「え、おいしくないですかあ?」

夏希が心配そうに言ったので、


「い・・いや・・・。 おもしろい味だね。」

精一杯の評価をした。


「そうですかあ。そんなに美味しくなかったですか・・」

しょんぼりする彼女に、


「そ、そんなことないよ! ほんと!」

高宮は無理やりそれを食べ始めた。



さらに

具合が悪くなりそう・・・



そんな予感でいっぱいで。



でも!

彼女の気持ちを無駄にしてはいけない!



その一身で完食した。




しかし

やはり無理をして食べたのが悪かったのか。

食後、トイレに行って30分も出てこられなかった・・・・・。




「だいじょうぶですか?」

夏希は何だか責任を感じてしまって、やっと出てきた彼に心配そうに言う。



「ん・・・・」

しんどくて、そのままベッドに潜り込んでしまった。


「おなか、痛いですか?」


「・・うん、」


「ちょっと待っててください、」

またも彼女は張り切って部屋を出て行く。



また

いったい何を・・・。



いろんな意味でドキドキしてしまった。



しばらくすると彼女は寝室に戻ってきて、いきなり彼の掛け布団をひっぺがし、

「ちょっと失礼!」

と、彼の部屋着のおなかをめくる。



「なっ・・・・!」



いきなりのことに赤面していると、お腹の上にあったかいタオルをビニール袋に入れたものを乗せた。


「おなか痛いときってあっためると楽になるんですよね~。」

夏希はにっこり笑って、そっとおなかを撫でてやる。



確かに

気持ちいいけど。



しかし

こんなに・・・優しくお腹をなでられると・・・・




「だ、大丈夫だから・・」


やんわりと彼女の手を制した。


「え?」


「ほんと・・・」



これ以上

こんなんされたら

自分の体に"異変”が起きそう・・・




夏希はまたもいきなり彼のオデコに手をあてた。



いちいちドキドキする。



「熱もありますね。 ちょっと待っていてください、」


またも部屋を出て行く。


今度は冷たくしたタオルを彼の額に載せた。


「あったかいのとつめたいので、体がびっくりしちゃいそうですね、」

夏希は屈託のない笑顔で言った。



「ありがとう。すっごい、気持ちいい・・」


「少し眠ったほうがいいです、」


「うん・・」


目を静かに閉じると、お腹の痛みも不思議に消えてすうっと深い眠りに落ちてしまった。


傍らで彼の寝顔を見ていると

この前の夢で彼からキスをされたことを思い出してしまった。



なっ

なんてことを・・・。



夏希は一人赤面し、頭の上の妄想を手で払った。




「さてと、」

軽く片づけをして夏希は帰ろうとしたが。



そうだ

鍵をしめてもらわなくちゃ・・・



そっと彼の寝室をのぞくと、あまりにも気持ちよさそうに寝ているのでとても声が掛けられない。



どうしよう・・・。



困ってしまった。



高宮は意識しまくりですが、夏希も夢に見たりするくらいにはなったようで・・

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