Shooting star(3) | My sweet home ~恋のカタチ。

My sweet home ~恋のカタチ。

せつなくてあったかい。
そんなラブストーリーがいっぱいの小説書いてます(^^)

合コンで。


コロンビア大卒なんて言ったら、もう意味もなく女の子にモテまくりだった。

ちょっと難しい経済の話なんかすると、わかったふりしてうなずいてきたり。



でも

彼女は違う。


こんなに

こんなに

自然に生きてる子に初めて会った。





「ほんと、ごちそうさまでした! なんかいっぱい食べちゃって、すみません。」

帰りは高宮にタクシーでマンションまで送ってもらった。


「こんなに美味しい焼肉なんか食べたら、元の激安に戻れそうもないです。」


屈託なく笑う彼女に吸い込まれるように、




「ねえ。 また、誘ってもいい?」




高宮はそんなセリフを口にしていた。



「え?」



夏希はその言葉の真意も深く考えないまま、



「もちろん! あ、今度は別にあんな高級なトコじゃなくて。 あたし、定食屋とかでもぜんっぜんOKなんで。」

明るく答えた。



「定食屋、」

高宮はまたふっと笑ってしまった。


「じゃ、おやすみなさい!」

夏希は一礼してマンションのエントランスに消えていく。



なんで

あんなことを言ってしまったんだろう。

自分で自分の言動がわからない。


まるで

今まで自分が生きてきた世界ともうひとつの世界があったかのように。


初めて

その世界の存在を知ってしまった衝撃で。

ふっとその世界をのぞいてみたくなった。




「え~、もう吊ってなくて大丈夫なんですか?」


「なんとかね。まだ腕は上げられないけど、」


「ちょっとコブラツイストかけてみていいですか?」


「なんで、いきなりコブラツイストなんだよ・・・」

夏希と高宮はおかしそうに笑い合っていた。




「なんか・・急接近してへん?」

南は志藤にすーっと近づいた。


「え? そうかあ?」


「この前二人で焼肉行ったみたいよ。」


「焼肉~?」


「加瀬がすっごく美味しかったって感動しまくりで話してくれたもん。ま、加瀬は100%焼肉のことしか頭になかったみたいやけど。」


「そやろな・・」

志藤はその場を想像した。




「ね、今度の土曜日、エスニックいかない?」


「土曜日かあ。あたしはお休みなんですけど、後輩の練習手伝いに行くことになっちゃって。」


「んじゃあ、終わってからでいいから。」


「たぶん、5時ごろには。」


「場所、教えて。 車で迎えに行くし。 そのレストランは代官山なんだけど、」




「ちょっと、ちょっと。 誘ってますよ。」



その様子を耳をダンボにして聞いていた南は志藤を小突いた。


「ん・・・・」



確かに。

しかし・・・

なんで? 高宮が。


『あの』高宮が。



加瀬を????

ぜんっぜん・・わかんね~~~。



志藤の頭の中は疑問符でいっぱいだった。




「じゃあ、あとは社長に目を通していただきましょう。」


「うん、」

志藤は高宮と書類を挟んで向かい合っていた。


「じゃ、そういうことで。」


彼が立ち上がって行こうとするのを、


「あ・・あのさ、」

顔を上げて引き止めた。


「はい?」

いつもの上から蔑むような視線・・・。


「最近、ウチの加瀬と仲いいかな~って・・・」


どう切り込んでいいかわからず、ダサい問いかけになってしまった。



「えっ・・」



しかし高宮は彼女の名を出され、激しく動揺。



「・・ま・・たまに食事に行ったり・・メールしたり、とかですけど・・」

いきなり挙動不審になった。


そんな彼も今までに見たことがなかった。


「おまえが? あいつと?」


「い・・いけませんか?」



なんか赤面してるし。



「え、マジ?」

さらに真剣に言うと、


「マジ、の意味がわかりませんが。 なんて・・言うか。 初めて会う種類の子だったんで。 すっごく、興味があると言うか。 いったい頭の中、どうなってんだろう、とか。」

もうしどろもどろな返事だった。



「は・・・・」



「どうしていいか・・わかんないんですけど。 けっこう、食事に誘うとついてくるんで・・」

と目をそらす。



「餌付けか?」


志藤はぷっと吹き出した。



「本当に・・・どこにスイッチがあるのかわかんなくって・・」



こんな顔、するんや・・・



志藤は彼の隠れた一面を見た気がした。



「まっさか、あいつも食っちゃったんやないやろなあ、」

アハハと笑うと、高宮はバンっとデスクを叩き、


「冗談言わないで下さい! んなわけないでしょーが!」

大真面目に怒った。


志藤はあまりの彼の反撃にのけぞりながら、

「そ、それにしてもなあ。 あいつ・・カレシいない歴22年やで? おまえみたいな百戦錬磨にかかったら、もー。 いちおう心配やんか、」

本音を言った。


「おれが悪い男みたいに言わないで下さい!」



確かに

ヤなヤツだと思いつつも。

彼の浮いた話も聞いたことがないのも事実だった。


女に関しては

けっこう真面目だったりして。



志藤はボールペンでポリポリと頭を掻いた。



高宮は夏希にものすごい勢いで惹かれているようでした・・


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