「ひよっこ」第28回~大丈夫。そのうちできるようになるから | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第28回
第5週 「乙女たち、ご安全に!」
大丈夫。そのうちできるようになるから

 

 

(ブザー)

女性) 4番!

(手を挙げるみね子)

女性) トランジスタの足が曲がって

    るんだけっじょも。

みね子) すみません。

 

お父さん…

助けて下さい…

 

**********

 

はい、ここでトランジスタラジオについて、

説明しておきたいと思います。

昭和30年代に入ると、ラジオは、

それまでの真空管を使った、

大型のものから、小型の乾電池で動く、

トランジスタラジオに変わりました。

一家に一台から、一人一台に。

持ち運びが可能になったことで、

ラジオは、ビーチやキャンプ場、

野球観戦にまでと、

一気に活躍の場を広げたのです。

そもそもラジオというのは、トランジスタ、

コンデンサー、抵抗器、発振コイル、

トランスなどで出来ていて、

みね子たちがやっているのは、

それらの部品を、

基板に差していく仕事です。

更に、アンテナを取り付ける作業や、

周波数を合わせる作業が行われ、

こちらが、向島電機の、

トランジスタラジオの完成品になります。

 

さて、仕事初日から何日かたったあとの、

みね子はというと…

 

(ブザー)

女性) 4番!

(手を挙げるみね子)

女性) セラコンの位置が間違っとるがね!

みね子) すみません。

(ため息をつく松下)

愛子) 大丈夫。

    そのうちできるようになるから。

 

**********

 

(澄子の作業が終わっておらず、

 手を出すことができないみね子)

みね子) 澄子…。

(ブザー)

女性) 4番!

(手を挙げるみね子)

女性) 抵抗の場所が違っとる!

みね子) すみません。

 

**********

 

(ブザー)

みね子) すみません。

(ぶザー)

みね子) もう…すみません!

(心配そうにみね子を見ている時子)

愛子) 大丈夫。

    そのうちできるようになるから!

    フフッ!

 

**********

 

(寝ながら基板に部品をつける

 動きをしているみね子)

(見守る時子、豊子、幸子、優子)

(熟睡している澄子)

 

**********

 

みね子) あっ!

(部品を落としてしまうみね子)

松下) ストップ!

みね子) すみません!

(床に散らばる部品)

松下) このトランジスタ、

    一石いくらすると思ってんだ。

みね子) はい…。

松下) しっかり頼むよ!

みね子) あっ、みんな、ごめんなさい。

     ありがとうございます。

(部品を拾うみね子)

 

**********

 

幸子) おなかすいたね。

優子) ね! あ~おいしそう。

幸子) いただきます。

(元気がないみね子)

愛子) 大丈夫。

    そのうちできるようになるから。

みね子) なんないよ…。

 

お父さん。

そのうちできるようになんてなりません。

きっと…。

私が不器用なのは、お父さん似だそうで。

ちょっぴり恨みます。

 

**********

 

(ブザー)

みね子) あぁ、またか…。

女性) 6番! ケミコン抜けちゅうき。

    ちゃんとやりや。

(手を挙げる時子)

時子) すみませ~ん。すみません。

(肩をすくめ、にっこり笑う時子)

 

お父さん…時子がわざと

失敗したのは、明らかで…

 

愛子) 大丈夫大丈夫! 

    さっ、頑張ろう! フフフ!

幸子) スイッチ入れます!

一同) はい。

 

**********

 

和夫) はい。

豊子) ありがとうございます。

和夫) 多めか?

澄子) はい!

(大盛のスパゲティをもらう澄子)

和夫) はい。

澄子) ありがとうございます。

みね子) 少なめでいいです…。

和夫) おう…はいよ。はい。

みね子) どうも。

時子) 普通で。

 

**********

 

(スパゲッティをもりもり食べる澄子)

みね子) おいしい?

澄子) はい!

みね子) そう…。

 

お父さん…私はだんだん

心がねじ曲がっていくようで。

今も心の中では、

「あんた、よくそんなに食べれんね」

と、思っていたりして…。

 

幸子) ちゃんと食べよう。冷めちゃうよ。
みね子) 私、役に立ってねえどころか、

     足引っ張ってばっかりで…。

     何か、申し訳なくて…。

優子) そんたこと言わねぇの。

    気にすることねぇよ。

時子) そうだよ、みね子。みね子の好きな

    ナポリタンだよ。食べよう。

豊子) 食費は食べねくても引かれますよ。

 

「そんなことは分かってるよ。

それは、あんたらができるから言えんだよ」

と、心の中で思っていて。

 

愛子) こら、みね子さん。

    ちゃんと食べなさい。

    食べないといい仕事できないよ。

いい仕事なんて…そんなこど…。

愛子) 大丈夫。そのうちできるように

    なるから。ねっ!

(みね子の肩をたたく愛子)

 

今の私には、笑顔で根拠なく

「大丈夫」と言われることは、

とどめのように腹が立ってしまうわけで…。

 

**********

 

時子) みね子、見て見て!

    芦川いずみ。私この人好きなの。

    きれいだよね!

みね子) うん…きれいだね…。

時子) うん…。

みね子) うん。

時子) 元気出せ、みね子!

(うつぶせになるみね子)

みね子) う~! うう~!

     でもさ、何で愛子さんはあんなふうに

     言うんだろ。「そのうぢできるようにな

     る」って。励ましてくれてんのはわかっ

     けどさ…。

時子) まぁ、わがんなぐはないけど…。

みね子) でしょ?

幸子) 愛子さんにそう言われて腹が立つの?

    何で?

みね子) だって…。

優子) 愛子さん、私たちの先輩なんだよ。

みね子) え…?

幸子) そう。わだしたちど同じように、15歳がら

    ずっとこの会社の工場で働いでだんだよ。   

    ず~っと。お父さんどお母さん、早ぐ亡ぐ

    なって。弟と妹と3人暮らしで。愛子さん

    が働ぐしかなかっだがら。その頃は、もち

    ろん、トランジスタラジオじゃながったんだ

    ろうけど。何つくっでたんだろうね。愛子さ

    ん、すごく不器用で、いっつも怒られでだ

    んだって。昔は今みだいに、工場の人優

    しぐなぐて、怒鳴られたり、蹴られだりした

    らしいよ。

優子) それに、工場の機械も、今みたいに安全

    に出来てなくて、ケガばっかりしてたって、

    言ってあった。

 

**********

 

(日記を書いている愛子)

愛子) ♪下町に空に かがやく太陽は

     喜びと悲しみ写す ガラス窓

     心のいたむ その朝は~

 

**********

 

幸子) 愛子さん、ずっと働いて、弟と妹、ちゃん

    と学校行かせでね。でも、体壊しちゃった

    んだよね。んだげど、本当に頑張って、1

    日も休まず何年も働いでだから、会社が

    ね、事務の仕事やらないがって。それで、

    今の仕事になったんだよ。働いでるわだ

    しだちのごど、よく分かってるからって。

優子) だから言ってるんだよ。

    「そのうちできるようになるから」って。

 

お父さん…。

打ちのめされてしまいました。

 

**********

 

愛子) ♪ああ 太陽に 涙ぐむ

(ドアが開く音)

愛子) わっ! びっくりした!
    どうしたの? みね子さん。

みね子) 愛子さん…。

愛子) はい、何でしょう?

みね子) ごめんなさい。

愛子) いいのいいの! えっ? 何が?

みね子) 本当に…ごめんなさい。

愛子) えっ? ハハハ…何だろ?
    何だか分かんないけど、許す。

    ハハハハ! ハハハハ!

みね子) じゃ…。

愛子) みね子さん!

みね子) はい!

愛子) 大丈夫。

    そのうちできるようになるよ。

(泣きそうなみね子)

みね子) はい…。

(泣きそうな愛子)

 

**********

 

(怒ったような顔で部屋に戻るみね子)

みね子) 寝る。

(布団をかぶるみね子)

みね子) おやすみ。

時子) おやすみ。

幸子) おやすみ。

優子) おやすみ。

 

**********

 

豊子) あの、時子さん。

時子) ん?

豊子) 今日わざとミスしましたよね。

(目を覚ますみね子)

時子) まぁね。

豊子) それってどうなんですかね。

時子) 間違ってるよ。

豊子) えっ?

時子) 間違ってるよ。

    そんなことは分かってる。

    あんな追い込まれた顔したみね子、

    見たこどなかったから。

    なんとかしたかっただけ。

豊子) そんなことしたってどうにもならねし。

    仕事なのでおがしいと思います。

時子) ん? だから間違ってるのは

    分かってるって言ってるでしょ?

豊子) んならいいですけんど。

(雑誌を閉じる音)

 

お父さん。

私のことでもめてます。

 

起きたい…。

**********

大丈夫。大丈夫。

そのうちできるようになるから。

 

そう言われても、できない身には励ましの言葉

も辛くなるだけ、余計プレッシャーに感じてしま

うだけ。どんどん心がねじ曲がって、ブラックな

みね子になっていくのがリアルで、もごさくて…。

(もごさくては、可哀想でという山形の方言です)

 

いつも能天気に笑っている愛子さんは、不器用

さんの先輩だった。みね子の気持ちが誰よりも

分かっていて…大丈夫だと声をかけてくれてい

た。今よりずっと、辛い労働環境だったろう愛子

さん。大丈夫という言葉は、昔の自分に言って

あげたかった言葉でもあったのかもしれないね。

 

さて…時子と豊子がみね子の事で言い争いに。

♪けんかをやめて~私のために争わないで~

フフフフ。乙女たち、けんかしてもご安全に~!



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