「ひよっこ」第21回~世界で一番わがってんのも、好きなのも、私なんだがらね! | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第21回
第4週 「旅立ちのとき」
世界で一番わがってんのも、
好きなのも、私なんだがらね!

 

 

みね子) ただいま!

美代子) お帰り。

茂) おう。

みね子) お弁当足んながったよ~おいしくて。

美代子) あら? そうけ?

みね子) うん。あっ、そうそう、あのさ…。

美代子) ん?

みね子) 先生に相談したんだけどさ、就職の

     こど。探してみてくれるって。なんとか 

     なりそうだよ。ヘヘヘ!

美代子) そうけ。

みね子) うん! どんな仕事になんのかねえ。

     楽しみだねえ。

     あら、あんたら宿題やったのけ?

     あぁ、おなかすいたぁ。

美代子) みね子。

みね子) ん?

美代子) 難しいって言われたんじゃねえの?

みね子) えっ?

美代子) 違うの?

みね子) 「違うの?」って…。

美代子) そうなんでしょう?

みね子) 何で分かんの?

美代子) あんたの顔見ればすぐわがるよ。

みね子) えっ!?

美代子) 母親を、なめちゃダメだね。

みね子) ごめんなさい。

美代子) フフッ。

みね子) でも、探してくれてんのは本当だよ。

 

**********

 

電・田神) それでは、失礼致します。

(受話器を置く音)

(ノック)

田神) はい。

藤井) まだいらしたんですか?

田神) ええ。

藤井) どうしました?

田神) 谷田部みね子、

    東京で就職したいって。

藤井) 今がら?

田神) はい…。事情がありましてね、家庭の。

藤井) なるほど…でも、今がらじゃ…。

田神) なかなかね。

    あっ、お茶でも飲みますか? 先生。

藤井) ありがとうございます。

田神) 職安に問い合わせてみだけど全然

    ダメで。つきあいのある会社に直接

    電話してみてんですけど。

藤井) 今は人手欲しがってるところは

    あんじゃないですか?

田神) ええ…でもね…。金の卵とかいってもて

    はやされてっけど。蓋開げでみたら劣悪

    な職場だったってこどもあんでね。ちゃん

    としたとご行かせてやりたくて。

藤井) そうですか…。

田神) 東京ははあ、どんどん豊かになってっ

    けど、茨城や東北は変わんねえですね。

    あっ、どうぞ。

藤井) すいません。

(お茶を飲む藤井)

田神) 子供を東京で働がせるしかねえ。

    私も本当なら何度でも東京さ行って送り

    込んだ子供らの様子見てやりてえです。

    でもそれもできねえ。何だか送り出すだ

    げで…。やんなっちゃいます。

    決めてやりてえな、みね子。

藤井) お手伝いさせて下さい。

田神) えっ?

藤井) 私も電話かけますよ。

田神) 本当ですか?

藤井) はい!

田神) いや~うれしいなあ! あ…。

(電話の呼び出し音)

電・田神) はい。もしもし。

     常陸高校でございます。

電・愛子) もしもし? 常陸高校の田神

     先生でいらっしゃいますか?

     キャ~! 大変! どうしよう!

電・田神) え…? あっ、もしもし?

     もしも~し! あれ?

藤井) どうしました?

田神) いや、何か「キャ~」つって、

    それっきりで。

藤井) キャ~?

田神) ええ…何かあったべか?

 

**********

 

(湯飲みをひっくり返し、びしょびしょに

 なった机の上を拭いている愛子)

電・田神) もしもし! もしもし!

      もしも~し! もしもし!

愛子) ん?

電・田神) もしもし。

愛子) 何の音?

電・田神) もしも~し! もしもし!

     もしもし! もしもし!

電・愛子) もしもし? もしもし!

 

**********

 

田神) あの…すいません!

藤井) 気を付けて!

(高校を飛び出して行く田神)

 

**********

 

(戸をたたく音)

田神) こんばんは! こんばんは!

(戸をたたく音)

美代子)はい、ただいま。

ちよ子) 誰?

みね子) 大丈夫、大丈夫。

美代子) あっ! 先生!

みね子) 先生!

美代子) いづも、お世話になってます。

     どうされましたか?

田神) あの、実はですね…。はぁ…。

みね子) あっ、ちょっと待って。

美代子) お座りになって下さい。

田神) どうもすいません。お邪魔します。

茂) ああ。

みね子) はいはい。はいどうど。

田神) おぉ、悪いな。

(水を飲む田神)

みね子) 大丈夫?

田神) みね子!

みね子) はい。

田神) おめえ運がいいぞ!

    ちょうど、ちょうどな、今日…今日の

    夕方、欠員が出たそうだ! そごへ

    行がせてもらえるこどになった!

みね子) 本当ですか?

田神) しかもだ。どごの会社だと思う?

みね子) え…?

 

**********

 

(自転車を漕ぎ、猛スピードで

 夜道を行くみね子)

 

**********


田神) はぁ~いがった~本当にいがった!

美代子) 本当に、ありがとうございます。

田神) いやいや。

茂) ありがとうございました。先生。

田神) いやいやそんな! 

(田神に酒を勧める茂)

田神) あっ、すいません。

 

**********

 

(助川家に駆け込むみね子)

みね子) 君子さん! 時子は?

君子) あっ、どうした? みね子。

みね子) 時子は!?

君子) 牛小屋だよ。

みね子) ありがとう! 時子ぉ! 時子ぉ!

時子) みね子!

 

**********

 

<牛小屋>

 

時子) どうしたの? みね子。

みね子) はぁ、はぁ…。

     仕事、決まったよ、私。

時子) えっ? 本当に?

みね子) うん。時子と一緒の工場だよ!

時子) え…?

(くしゃくしゃの顔になる時子)

時子) いがった~!(すすり泣き)

    うれしいよぉ。みね子ぉ!

(みね子に抱きつく時子)

みね子) 時子…。

時子) 私…。私、本当は怖かったから…。

    ずっと…ずっと怖かったから…。

    一人で東京行くの、怖かったから…。

    自信なんかないし…強がってるけど…

    私、怖かったから…。

    うれしい…うれしいよぉ…。(泣)

みね子) 時子。

 

**********

 

(外から二人を見ている君子)

正二) どうしたの?

(涙をぬぐう君子)

君子) 行がせるしか、なぐなっちまったよ。

正二) ん?

(立ち去る君子)

 

**********

 

時子) 私、本当は自信なんかないし…。

    強がってないと…逃げたくなっからさ…。

    だから…。

みね子) そんなのわがってるよ。

時子) え…? そうなの?

みね子) 当たり前でしょうが。あんたと私と、

     どんだけのつきあいだと思ってんの?

     あんたのこどをね、家族とかは除くけ

     どね…。世界で一番わがってんのも、

     世界で一番考えてんのも、心配すん

     のも、世界で一番時子のこど好きな

     のも、私なんだがらね!

     わがってんの?

時子) はい。わがった…。

みね子) わがってんならいいけどよ。

時子) すみません。

    フッ…フフフ! フフフフ!

みね子) 何がおかしい?

時子) だって、何か…。

    恋の告白されたみてえな感じだ。

みね子) やだ。何か恥ずかしい! もう!

時子・みね子) フフフフ!

時子) みね子?

みね子) いがったよぉ…。

(みね子を抱き締める時子)

みね子) ほっとしたぁ!

時子) んだね…いがった…。

 

**********

 

美代子) 本当に、行ってしまうんですね。

     みね子。

茂) んだな。

  でも、いがったな。時子と一緒で。

美代子) はい。ほんとに。

 

**********

 

<バス停>

 

三男) おっ、早えな!

みね子) 三男!

時子・みね子) おはよう!

三男) 何だ? わっ! 何だよ?

みね子) おはようのポーズ!

時子) おはようのポーズは?

みね子・時子) せ~の! おはよう!

三男) よう!

(笑い声)

三男) えっ、えっ? どういうこどだよ?

みね子) 全然ダメ。もう! もっと! いくよ!

三男) もっと?

みね子・時子) せ~の! 

3人) おは…。

 

**********

 

<バスの中>

 

三男) みね子。何で、時子んとごは行く

    けどよ。ゆんべのうぢに俺んとごさ

    報告来ねえんだよ。

みね子) だって遠いし、三男んちは。

三男) そんなことながっぺ。

時子) 3人一緒だね。

三男) おう。うれしいよ。

みね子) 邪魔してやっから。

三男) おう。邪魔しろ、邪魔しろ。ほれ。

時子) だから邪魔しなくて大丈夫だって。

    やめて、もう!

みね子・三男) アハハ!

 

お父さん…。

春になったら、みね子は東京に行きます。

お父さんは、そこにいますか?


**********

いがったぁ~。本当にいがったよぉ~。みね子ぉ!

みね子が東京に働きに行くのは分かってる。分か

っていることだからこそ、どう見せるか、そうなるま

での過程を描くことが、ドラマの面白さにつながる。

 

田神先生が一生懸命にみね子の就職先を探して

いるところを見せ、その努力と熱意があったから

こそ、欠員というラッキーを引き寄せた。できすぎ

な話だとしても、ちゃんとそうなる可能性の根拠が

描かれる。決して棚から勝手にぼたもちが落ちて

くるわけじゃない。かなえたい思いがあり、かなえ

ようとする人の思いがそこにある。気持ちが先に

あって、そこから人が動いていく。家族を思う気持

ち、友を思う気持ち、教え子を思う気持ちが無理

なく描かれているから…共感して、素直に泣ける。

 

就職先が見つかったことを、少しでも早く知らせた

い田神先生。同じく、時子に少しでも早く知らせた

いみね子。電話がない時代、直に会いに行くしか

ないよね。遠くたって、暗くたって、少しでも早く!


当たり前でしょうが。あんたと私と、
どんだけのつきあいだと思ってんの?
あんたのこどをね、

家族とかは除くけどね…。

世界で一番わがってんのも、
世界で一番考えてんのも、心配すんのも、

世界で一番時子のこど好きなのも、

私なんだがらね! わがってんの?

 

素直に「はい」と言い、「すみません」と言う時子の

可愛らしいこと。みね子も時子もめんこいねえ。い

い子だねえ。二人一緒に頭を撫でてあげたいよ!

 

みね子の時子への「恋の告白」みたいなこと…昔

自分も言ったことがある。いや~もしかしたら恋よ

りずっと純粋で、真摯な想いだったかもしれない。

そういう友達に会えた、みね子と時子は幸せだね。

二人一緒で東京に行けることになって、安心した

のは本人たちだけじゃない。家族も一緒。ついで

に言えば、視聴者も。おまけで三男も一緒だし…。

 

安心はしたけど…奥茨城のみね子たちが見られ

なくなるのかと思うと、寂しくて…切なくなってくる。

これはもう…恋? 恋する朝ドラが帰ってきたよ♪



「ひよっこ」関連ブログはこちらから↓
「ひよっこ」関連ブログリスト
「朝ドラ」関連ブログリスト

●「ひよっこ」HP

 

ランキングに参加しています。
ポチっとしていただけると、嬉しいです♪
にほんブログ村 テレビブログ テレビドラマへ
にほんブログ村
にほんブログ村 テレビブログへ
にほんブログ村

 

 

連続テレビ小説 ひよっこ Part1 (NHKドラマ・ガイド) 連続テレビ小説 ひよっこ Part1 (NHKドラマ・ガイド)

 

Amazon

 

NHK連続テレビ小説 ひよっこ 上 NHK連続テレビ小説 ひよっこ 上

 

Amazon