「ひよっこ」第5回~ポークカツサンドと大人の会話に仲間入り | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「ひよっこ」 第5回
第1週 「お父ちゃんが帰ってくる!」
ポークカツサンドと大人の会話に仲間入り


実お父さんが、

稲刈りのために帰ってきました。

 

(箱の中からそっと靴を出し、微笑むみね子)

みね子) まだしまっとこ。

(靴を箱にしまうみね子)

 

**********

 

進) ジャンプ!

(新品のズックで居間を走り回る進)

みね子) こら! うちん中でダメだっぺ!

進) やだ!

みね子) もう!

実) 捕まえた~! うちん中で靴

  履いてる悪い子はどこだ~?

ちよ子) もう…。

実) どうだ? 新しい靴は。

 

**********

 

美代子) みね子。いがったね、靴。

みね子) お父ちゃんいねえのに、

     私たちのこどわがってるみたいだ。

美代子) んだねえ。

みね子) でも…。

美代子) ん?

みね子) もったいないからまだ履かない。

美代子) 何で?

みね子) 卒業式にさ、きれいな靴で行きたいの。

美代子) そうけ。あっ、そうだ! みね子、みね子。

みね子) 何?

美代子) ちょっと…目、つぶって。

みね子) 目?

美代子) ぎゅって! いい?

みね子) うん。

美代子) いぐよ! ジャン!

(箱のふたを開ける美代子)

みね子) わっ! え~!

美代子) これね、ポオクカヅサンドっていうんだよ。

みね子) へえ~! おいしそう!

美代子) うまそうだね。

 

**********

 

ちよ子) この間ね、進の靴が破れちまってね。

     お姉ちゃんが、私がなんとかしてやるって。

     でもね、お姉ちゃん、もっと壊しちまってね。

     「ごめ~ん!」ってビービー泣いたんだよ。

実) 「うえ~ん!」ってか。ハハハハ!

ちよ子) あれ? 固えな? あれ? ビリッ。

進) ビリッ。

ちよ子・進) うえ~ん!
実) ハハハハ! ハハハハ!

みね子) ちよ子。

(障子の影から半分顔を出し、ちよ子を睨むみね子)

実) おっかなかったな。角生えてたな。

  こうやって生えてたな。

(床を踏む音)

 

**********

実) いだだきます!

一同) いだだきます!

 

今夜の献立は、いつもより

ちょっとだけごちそうですね。

美代子さん、すごいですね。

 

実) う~ん! うん、うめえ!

美代子) いがった~!

みね子) じゃあ、頂こうかね。

美代子) んだね。

ちよ子) 私も!

実) それ、手で食べていいんだ。

美代子) えっ!? 手で? へえ~!

みね子) 手で!

美代子) んだね。

みね子) いだだきます。

一同) いだだきます。

進) いだだきます。

(ポークカツサンドを食べる一同)

みね子) ん~! うまいねぇ!

実) だっぺ? なあ?

みね子) 東京の人は、いつもこんなの食べてんの?

実) そんなこどはねえだろ。

  お店で注文する料理だかんな。

みね子) あ~そうか。いや~びっくりした。

実) いい店だったんだ。優しい人たちで。

美代子) そうけ。

実) あっ、そうだ!

(店でもらったマッチ箱を見せる実)

実) ほれ。

みね子) すずふり亭?

美代子) すてきだね、これ。

実) それは宝物だ。いつかみんなで行げだらいいな。

ちよ子) みんなで行ぐの? 東京さ行ぐの?

進) 東京さ行くの?

みね子) 「いつか」だよ、いつか。

ちよ子) なんだ~。

進) なんだ~。

茂) 東京ねぇ。

進) じいちゃん、東京行ったことあんの?

すげる) ん? 銀座には、まぁな。

ちよ子) えっ、銀座?

茂) まぁな。

ちよ子) 銀座だって。

みね子) じいちゃん。まさか、奥茨城銀座の

     ことじゃないでしょうね?

茂) ん…。銀座には変わりねえ。

みね子) やっぱし!

(笑い声)

美代子) いつか、みんなで行げだらいいねえ。

実) んだな。

みね子) 幸せ。

(マッチ箱を仏壇に置き、手を合わせる美代子)

 

**********

 

(ズックを履いたまま眠っている進)

美代子) しょうがないね、君は。

(枕元にきちんと靴を揃えて寝ているちよ子)

(隣のふとんにみね子)

 

**********

 

美代子) 寝ました。

(ふすまのすきまから板の間をのぞいているみね子)
実) いくらになっかね、今年は。

茂) さぁなぁ…10万ってとこか。

実) んだな。

茂) あど何年で借金返せっかだな。

実) うん、厳しいな。

茂) ああ、厳しいのは、厳しい。

(ふすまを閉めるみね子)

(音に驚き、寝たふりをするみね子)

美代子) みね子…起ごしちゃったが?

実) 聞いてだか?

みね子) ごめんなさい。

茂) みね子か。

美代子) はい。

実) みね子、眠いか?

みね子) ううん。

実) うん。じゃあお前もこっち来お。

みね子) えっ?

実) 今な、金の話してたんだ。みね子は

  もう大人だがんな。一緒に入れ。

みね子) いいの?

実) うん。

美代子) おいで。

 

**********

 

実) ほれ、座れ。

(みね子にお茶を出す美代子)

美代子) はい、どうぞ。

みね子) どうも。

茂) 食えよ。大人の味だ。ほら。

(酒のつまみを食べるみね子)

(笑い声)

実) いいか、みね子。このうちの収入は、まず米だ。

  野菜もいろいろやってっけど、これはそれほどの

  収入にはなんねえ。わがんな?

みね子) うん。

実) うん…で、その農業としての今年の収入は、米

  売って、そっから、肥料だったり、農薬だったり、

  買う金を差し引いた額になる。ざっと言うとな。

みね子) はい。

実) うん…。それがおそらぐ…10万ほどだ。フフッ! 

  まぁでも、それだけでは家族が生きてぐには足ん

  ねえ。で、じいちゃんは、山仕事したり、炭焼いた

  りしてくれて、3万円ほどか?

茂) んだな。

実) で、母ちゃんも内職で洋裁やって…。

美代子) 月、1000円くらいかな。

実) うん。で、父ちゃんが東京さ行って、頑張っても

  月に2万円。こんで全部だ。何とかギリギリだな。

  で、なぜ、父ちゃんが東京さ行くがっつったら、5

  年前不作の年あったっぺ。あん時に、農協さんか

  ら金借りてっから、それ返さなくちゃなんねえから

  だ。本当だったらこごにいて、畑やって、それでみ

  ~んなが生きていげればいいんだけれども。そう

  もなかなかいがなかっぺ。これが、うちの経済だ。

  わがっか?

みね子) はい。

実) うん。でも、こうやって頑張れてれば大丈夫だ。

  おめえらには、なかなか贅沢させてやれねえけ

  どもな。

みね子) そんなこどないよ。私…だって、中学出て、

     東京さ働きに出た子もいんのに、高校行が

     せでもらって、本当に贅沢だって、ありがた

     いなって思ってるよ。このご恩どうやって返

     したらいいんだか。

茂) ハハハハ!

実) 何言ってんだ。楽しいんだっぺ? 高校。

みね子) うん…。でもさ、お父ちゃん。

実) うん。

みね子) 私が勤めに出た方がいいんでないの?

     そうすれば…どんだけ稼げんのか知んね

     えけど、お父ちゃん、出稼ぎ行ぐの、減ら

     したりとか、なんね?

実) みね子は、うちの仕事好きが?

   うちのこどや、畑のこどは好きが?

みね子) うん。好きだよ。お母ちゃんみてえになり

     てえって思ってるし、野良仕事も好きだ。

     私もっと頑張って、いろんなものつくりたい

     って思う。でも…。

実) お前は…。高校出たら、うちを手伝え。外に

  稼ぎに行ぐのは父ちゃんの仕事だ。お母ちゃ

  んや、じいちゃん、助けでやってくれや。じいち

  ゃんだげでは大変だがらな。

みね子) うん…。

実) うん。

みね子) 頑張ります! 私、頑張ります!

実) よし。頼もしいな!

美代子) 頼りにしてっからね。

(笑い声)

 

お父さん…私はこの夜のことを忘れません。

すっごくうれしかったんです。

大人として、扱ってもらったこと。

体が熱くなるくらい、照れくさくて、うれしくて…

誇らしいというか、そういう気持ちで。

そして、うちは貧しいのかもしれないけど、

みんなが頑張っていて、こうやって笑って…。

幸せだなって、私は思いました。

 

実) うん。うめえ!

茂) さっ、明日は、早えど。

実) んだな。寝っか。

茂) うん。

美代子) はい。

みね子) 皆さん! 明日は、頑張りましょう!

美代子・茂・実) アハハハ!

みね子) 何よ! 真面目に言ったのに、もう!

**********

 

さぁ、いよいよ、稲刈りの朝です。

**********

今日も料理がおいしそうだった~。父親のお土産の靴

を、三人三様それぞれに喜ぶ姿にほっこりさせられた。

いいなあ。何気ない家族の会話がすごくいい。ポーク

カツサンドを食べて、みんなで「いつか」、行けたらいい

ねと目を輝かせる家族。その「いつか」は、来るんだろ

うか? いつか…いつか、その日が来ればいいなぁ…。

 

だって…あまりにも、幸せすぎて、幸せすぎて怖くなる。

だって…ドラマなんだもの。幸せすぎたそのあとにくる

ものは…。不幸のフラグなど立っていないと思いたい。

谷田部家のみんなの笑顔がまぶしくて、もう、何もかも

愛おしくなってきてしまっていて、あまりにも幸せそうで

怖くなる。その先にある未来を予感して不安になってし

まう。今はただ、家族の笑顔を素直に見守っていたい

と思いつつ、何だかとても、切なくなってしまうのは、ド

ラマを見過ぎているせいなんだろうなあ。いかんいかん。

 

日々の、何気ない幸せみたいなもの。当たり前のよう

にそこにあるようで、実はなかなか体験できない奇跡

のような時間のありがたさ。昔持っていたそんなもの、

時間を思い出すというか…。何となく、切なくなるんだ

よね~。このドラマを見ていると。それは、登場人物の

「気持ち」が、丁寧に描かれているからなんだと思う。

 

心からヒロインを応援できる。好きになれるっていい。

15分、毎日ほっこりできるって、何て幸せなんだ~!


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