「てるてる家族」(再放送)第143回 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「てるてる家族」 第143回

春子(紺野まひる)の結婚式前日。ヨネ(藤村志
保)も弘子(森口博子)も和人もいない食卓は
何だか寂しいと冬子(石原さとみ)は言うが、親
子だけの夕食は初めてのような気がしてうれし
いと春子は喜ぶ。その夜、照子(浅野ゆう子)と
春男(岸谷五朗)は春子の幼い頃を思い出し、
なかなか寝つけない。翌朝、春子の花嫁姿と、
娘を送り出す春男の顔を一目見ようと、佐藤
(大村崑)や浪利(杉浦太陽)、商店街の面々
が店に集まる。

**********

今日は、春子姉ちゃんが、
岩田家で過ごす、最後の日です。



冬子) 何や…寂しいなあ。
照子) 何で?
冬子) えっ…。
春男) 今からそんな事言わんかてええねや。
冬子) えっ…いや…あっ、そやないて。
    家族全員いうても、ほんまに、
    親子だけになってしもたね。
秋子) そやなあ。
    何か、全員いう気せえへんな。
冬子) うん。
夏子) 昔は、弘子ねえちゃんや
    おばあちゃんらもいてたからね。
春男) あっ、和人は?
冬子) あっ、「今日はええ」て。
    「今日だけは参加せえへん」て。
春男) 何や、また遠慮してんのかいな。
照子) 遠慮してるんやなくて、
    気ぃ遣てくれてるんと違う?
冬子) うん。
秋子) 弘子ねえちゃんもや。
    「今日は顔出さへん」て。
照子) ええ~? それはちょっと水くさいねえ。
春男) 気ぃ遣てんねん。
春子) けど…私はうれしい。夏ちゃんも
    忙しいのに帰ってきてくれたし。
夏子) 当たり前や。
春子) いつもと違う事されんのは、何や
    ちょっと照れくさいけど。こないして、
    ほんまに家族だけそろうやなんて、
    初めてみたいな気ぃするし。
春男) そういうたらそやなあ。
冬子) うん…。
春子) おばあちゃんもきっと、ここに
    いてくれてるような気ぃするわ。



春子) ほんまは、ここで私が何か
    言わんとあかんのやけど…。
春男) ええねん。言わんかてええねん。
    あっ…食べよ、食べよ! なっ?
春子) そやね。
春男) ほな…なっ? 食べ…あの…
    頂きます!
一同) 頂きます!
春男) ハハハ…。
秋子) 食べよ、食べよ。
春男) なっ? うん。ん…?
冬子) あれ…? 何や…減ってる
    みたいな気ぃせえへん?
一同) うん。



春男) うんうん…。
照子) うん、食べ…。



**********

春子) 夏ちゃん。
夏子) うん?
春子) うちにも遊びに来てな。
夏子) 新婚さんとこ?
春子) うん。
夏子) 嫌やわ、そんなん。
春子) 岡谷さんも、夏ちゃんのファンやで。
夏子) ほな行くわ。
春子) もう、何やの! もう…。
夏子) 春ちゃん。幸せになってな。
春子) 幸せやで。
夏子) もう寝るわ。
春子) ちょっ…何やの!? もう!寝させん!
    ちょっ…ちょっともう! 何すんの!
    もう! 夏ちゃん、起きぃや!


**********

春男) 寝られへんのか…?
照子) うん…。
春男) 俺もや…。
照子) 何かいろいろ思い出してしもて…。
春男) 俺もや…。
    ちっちゃい頃の事ばっかりや…。
    大きなってからはお前に取られて
    しもたからな…。
照子) ほんま…終わってみたら
    あ~っという間なんやねえ…。


**********

そして、その日がやって来ました。

都子) ちゃんとできてるか?
    ほら、ネクタイゆがんでるがな。
松本) おはようさん!
寺井・都子) おはようさん!
松本) ああ! 今日はまた一段と
    サンサンサンやなあ。
都子) ほんまやねえ。
松本) 行こか?
寺井) ああ、行こ行こ。
都子) ええお天気や。

(店のドアを開けてあげる松本)
寺井) ああ…。
都子) おおきに。
寺井) おはようさんです。
佐藤) あっ!
都子) あら、おはようございます。
浪利) おはようございます!
松本) 佐藤さん、お早いこって!
佐藤) ハハハ…。
寺井) あれ…もう終わってしもたやろか?
佐藤) いや、まだやで。
都子) ゆうべのうちに終わったん違います?
佐藤) いや、春男君の事や。
    ゆんべ逃げたんと違うか?
松本) …という事は佐藤さんも、あれを見に?
佐藤) な…何を言うてくれはんねな。
    そんなやじ馬みたいな。けど…あれを
    見ん事には、スピーチに張りが出えへ
    んもんな。
一同) ハハハ…!


**********

照子) あんまりお茶ばっかり飲んでたら、
    おトイレ近なるよ。
春男) ああ…。

**********



弘子) はあ…春ちゃん。
    ほんまにきれいやで。
    ちっちゃい頃…春ちゃんの帯、
    締めてた頃が懐かしいわ。
春子) 弘子ねえちゃん。
    長い間、お世話になりました。
弘子) や…やめてえな。花嫁衣裳、
    涙で汚してしまうで。フフッ。
冬子・秋子・夏子) うわ~! きれいや~!
春子) ありがとう。
秋子) よう似合てる!
一同) うん!
春子) おおきに。
弘子) ほんまにおめでとう。
一同) おめでとう。
春子) ありがとう。





**********

佐藤) スピーチの方はな、もうこないしてな、
    もう準備万端立派なもんや。
    ちょっと見て。
都子) いや、ちょっとえらいまた長そうな…。
佐藤) いっぺん、ここで読んでみよか?
寺井) いやいや…! 佐藤さん。
    ここでみんな聞いてしもたら、本番で
    聞くふりするのが余計つろうなります
    よってに。
佐藤) あっ、そうか、そやな。ほなやめとくわ。
浪利) あっ! 来はりました! 来はりました!
都子) どこ!? どこ…!? シ~ッ。


**********

照子) いや~春子…。
    ほんまにきれいやわ~。いや~ねえ!
春男) 何や!? お前ら!



佐藤) あ…気にせんとな、早よやって…。
春男) いや…あきませんわ、佐藤さん。
    冬子。そこ閉めえ。
冬子) えっ?
春男) 閉めえ!
冬子) あ…ああ…はいはい。
松本) 何でや…。
佐藤) ちょっと開けといて…。
都子) ちょっとだけ!
松本) ああ! 車来た! 車来た! 車!
春男) ほな行こか。
照子) あかんて、もう…。
運転手) 本日はおめでとうございます!
      お迎えにあがりました。
弘子) ちょっと待って下さい。我が家は、
    ちょっとここからが長いんです。


**********

春子) お父ちゃん。



春男) はい? はい?
照子) 返事してどないすんの。もう…。
春子) お母ちゃん。
照子) はい。えっ…?
春男) お前もやないか。
春子) 夏ちゃん、秋ちゃん、冬ちゃん。
    長い間…お世話になりました。
    おばあちゃんやないけど…私も…ほんま
    に楽しかった。この家に生まれて…お父
    ちゃんと…お母ちゃんの子に生まれて…
    夏ちゃん、秋ちゃん、冬ちゃんと…みんな
    と姉妹になれて…ほんまに幸せでした。



    あんまり、幸せすぎたから、これ以上、
    幸せになれるやろかて、ほんまは自信
    ないんやけど…。



    お父ちゃんと…お母ちゃんが…
    一からこの幸せを築いたように…
    私も…岡谷さんと一緒に…
    一から築いていきます。
    ほんまに…ありがとうございました。



照子) 春子…。はあ~思い出すわ~。あんた
    が生まれた時、まだ戦争が終わったばっ
    かりで、お母ちゃんあんたの事おんぶし
    て、よう闇市ぐるぐる回ってたわ…。どん
    なにつろうても、どんなにひもじいても、
    あんたの顔見てたら、お父ちゃんもお母
    ちゃんも、自然といつの間にか、笑顔に
    なってた。そやったね? あんた。
春男) (泣)
照子) あんたは…お父ちゃんとお母ちゃんに
    とって…どんなものよりも…空に浮かぶ、
    太陽よりも…なくてはならないもんやった。
    ようまあ、こんな大きなってくれて…。
    春子。…ありがとう。ほら…あんた。
春男) (すすり泣き)
    春子…。幸せになりい…。
    おめ…おめでとうさん…。
照子) おめでとう。
春子) (泣)



春男) 春子…。幸せになりい。
春子) はい。
春男) 幸せになりい! 春子…。
春子) はい。



**********

春男の声) 幸せになりい!
       幸せになりい! 
幸せになりい!









運転手) うっ…!(泣)
春男の声) 幸せになりい!
運転手) うう…。(泣)



**********

春男) 春子! 幸せになりい!









**********

照子) あの子のために、なんぼてるてる
    坊主ぶら下げたやろねえ…。
春男) 分からへんなあ…。
照子) ようけぶら下げたもんねえ。ようけ
    ぶら下げさせてくれる子ぉやった…。
春男) その数だけ…あの子は…
    俺らに幸せくれたんや。



照子) ほんまそやね。
春男) ほんまそや。



こうして春子姉ちゃんの結婚式は、
無事に終わったのでした。


**********

確かに、照子と春男&四姉妹だけの食卓という
場面はなかったかも。おばあちゃんがいたし、弘
子ちゃんもいたし…いつも賑やかな食卓だった。
何や寂しいという冬子と、家族だけになれて嬉し
いという春子。それは、家を出ていく者と残る者
の違いかも。そんなセンチメンタルもつかのま…
いつのまにか、おばあちゃんが定位置ですき焼
きをガッツリ食べてるし! でも、生きている時は、
後半、食が細くなっていたから、元気に(?)すき
焼きを食べるヨネさんの姿は、ちと嬉しかったり。

いよいよ結婚式当日、春男と春子の「あれ」を見
るために、野次馬ご近所さんが集まってくるのも
ご愛敬。そりゃ見たいよね、岩田家の「あれ」は。

そしていよいよ…。ああ、ダメだ。もう、思い出す
だけで泣けてくる。春男の、「幸せになりい!」の
魂の絶叫に泣かされた。お迎えの運転手さんま
でが号泣したところで、やっと少し緊張が解けた。

あんたは…お父ちゃんとお母ちゃんに
とって…どんなものよりも…空に浮かぶ、
太陽よりも…なくてはならないもんやった。

幸せになりい! 春子! 幸せになりい!

照子が春子のためにぶら下げたてるてる坊主の
数は春子が春男と照子に与えてくれた幸せの数。
親が子に願うのは…ただただ子供の幸せばかり。

何だか…幸せのお裾分けをもらったような気分♪


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