「てるてる家族」(再放送)第133回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第133回

和人(錦戸亮)が工場に戻って数週間。冬子
(石原さとみ)は、佐世保で知ったハンバーガ
ーを自分で作れないかと考えていた。だが和
人は強く反対する。今作っている春男(岸谷
五朗)のパンの味を守ることが大切だと和人
は熱く語り、春男や秋子(上野樹里)は驚く。
夏子(上原多香子)は、キャンペーンで訪れた
ナイトクラブでミサ子(いしだあゆみ)というベ
テラン歌手と会う。彼女は突然「ブルー・ライト
・ヨコハマ」を歌い出し…。

**********

和ちゃんが、うちの工場に戻ってきて、
数週間がたちました。


冬子) 和ちゃん! ちょっと手伝うて。
和人) うん。
弘子) 大将! クリームパンは?
春男) 今から焼くとこや。
    メロンパンあがってるで。
弘子) はい。
春男) 頼むで~。
弘子) はい!
春男) お父ちゃんも、手伝うたろか?
冬子) 大丈夫。
春男) あ…そうか。
    クリームパン、もう一枚焼いとこか?
冬子・和人) はい。


**********

弘子) お待たせしました~! ただいま、
    メロンパン焼き上がりました~!


焼きたてを売り物にしてからの店は、
相変わらず、盛況でした。


**********

春子) 冬ちゃん。
    クリームパンもう売り切れてしもたよ。
冬子) えっ、ほんま!?
春子) うん。
冬子) 何やかんやいうて、
    クリームパンよう売れんねんな。
春子) うん。お父ちゃんの昔からの
    自慢の味やからね。
冬子) それに負けへんくらいの
    新商品作りたいわ。
春子) 何書いてんの?
冬子) フフッ。ハンバーガー!
春子) へえ~! あっ、藤井の叔父さんが
    作ってはったいうやつ?
冬子) うん。いや、あそこまでのは無理や
    って思うねんけどな、なんとかうちで
    も作りたいねん。まだほとんど大阪
    の人食べた事あらへんやろ?
春子) うん。
冬子) 今売り出したら
    大ヒット間違いなしや!
春子) あっ、大学行くの?
秋子) うん。…えっ、何?
春子) ハンバーガーやて。
秋子) えっ、ハンバーガー?
春子) うん。
秋子) 冬ちゃん、作んの?
冬子) うん。どんなにしよかて今考えてんねん。
    けどな、考えれば考えるほど、手間がか
    かりそうやねん。パンかてな、ハンバーガ
    ー用に生地から作らなあかんし。具の材
    料費かて考えな。マヨネーズは、なんとか
    手作りしたいし。
秋子) 冬ちゃん、今でも忙しいのやろ?
    そんなん作ってる暇あんの?
冬子) そら、余裕あらへんけど。けどなんとか
    せんとあかんねん。ぐずぐずしてよそに
    先やられてしもたらえらいこっちゃ!


**********

和人) 大将。
    これ、ちょっと味見てもらえますか?
春男) うん?
    …何や、カスタードクリームか?
和人) はい。ちょっと作ってみたんですけど。
春男) ええやんか。
和人) ほんまですか?
春男) これやったら店に出せるわ。これから
    お前に、カスタードクリーム、任しても
    ええかも分からへんな。
和人) いや、でも何か大将のとは
    ちゃう気がするんすけど。
春男) そらそや。あとは年季の問題や。
    そのうち味が落ち着いてくるよって、
    焦らんと、やり続ける事や。
    なっ! 工場長。
和人) はい。


**********

冬子) 和ちゃ~ん!
和人) 何?
冬子) ちょっとええ? あんな…
    ちょっとこれ見てほしいねんけど。
和人) 何? これ。
冬子) ハンバーガー。うちでも作りたいねん。
    どう? 私なりに考えてん。なっ、それで
    な、明日、ハンバーガー用の生地作っ
    てみよ思て。なっ、手伝うて!
和人) 冬ちゃん…。
    こんなん作んの、あかん思うわ。
冬子) ん…? 何で?
和人) まだ早いんちゃうか?
冬子) 早いて、何が?
和人) とにかく俺は反対や。
冬子) えっ…? な…何でやの?
    何であかんの?
和人) だからあかんとは言うてへんやん。
    「今はまだ早い」言うてんねん。
冬子) いや…そやから何で? 今すぐやらへ
    んかったら、チャンス逃してしまうやん。
和人) 何のチャンス?
冬子) 何のって…儲けるチャンスやんか。
    どっかに先やられてしもたら
    どないすんの?
和人) やりたいとこには
    やらしといたらええねん。
冬子) …のんきな事言わんといて!
春男) え…? おい、どないしたんや?
秋子) ケンカ?
冬子) お父ちゃん。
和人) 大将、すんません。何でもないんです。
冬子) 何でもない事あらへんやろ?
春男) いやいやいや…
    そやから、どないしたんや?
冬子) ハンバーガーや。うちでも作りたい
    言うてんのに、和ちゃんがあかんて
    言うねん。
和人) だから「今はまだ早い」言うてんねん。
冬子) 遅いより早い方がええねんて!
春男) いやいや、ちょいちょい…待ちい。
    あのハンバーガーて、冬子、あの…。
    叔父さんとこみたいなもんはここでは
    簡単にはでけへんで。
冬子) あんなほんまもんやのうてええねん。
    あれに似た、うちのお店独特のハンバ
    ーガー作ったらええねやんか。まだ誰
    も食べた事あらへんねんし、作ったら
    絶対売れると思わへん?
和人) 偽物作ってどないすんねんな。
冬子) 偽物違う! うちのお店のもんや!
秋子) ハンバーガーって
    そんなにおいしかったん?
冬子) もう、ものすごおいしいで。
秋子) パンにハンバーグ
    挟んであるだけやろ?
冬子) それだけと違うねん。
    大事なんはバランスやねん。
    パンかて…。
和人) 俺は反対や。…絶対反対や。
冬子) そやから…何で?
春男) 何でや? 和人。
    …ああ、ちゃう。工場長。
    何でそんな、反対すんねん?
冬子) …ちゃんと理由言うて。
和人) …冬ちゃん。俺らは今、ちゃんとした
    パン作らなあかんやろ?
冬子) え…? 作ってるやんか。
和人) まだまだや。クリームパンもメロンパン
    も食パンも、冬ちゃんはまだまだや。
    は大将がいてはるから、なんとか味守
    ってられんねん。俺かてそや。まだまだ
    工場長なんて呼ばれる人間になってな
    い。だから呼ばんといて下さい。
春男) ああ…。
和人) この店にはな、冬ちゃん。昔からのクリ
    ームパンやメロンパン、あんぱんやカレ
    ーパンがあんねん。それはみんな大将
    や工場長らが、この工場で努力して作っ
    てきはったもんや。長い時間かけてこの
    店の味なったもんや。冬ちゃん。俺らは
    そういう工場で働いてんねんで。それは
    すごい事や。簡単に手に入るもんと違う。
    その味をちゃんと作れるようになってか
    ら、それから新しい事に挑戦したらええ
    ねん。
冬子) それは…ちゃんとやって、新しい事も、
    一緒にやってったらええのと違う?
和人) 俺らは機械とちゃう。人間はそこまで合
    理的にできてへんねん。大きい会社に
    はなくて、こういうとこにあんのは時間や
    ろ? じっくり時間かけて、ほんまにおい
    しいパン作るから、お客さんかて喜んで
    くれはんねん。あれもこれももってやって
    たら、きっとその時間もなくなってしまう。
    大将らの作った味も、落としてしまうねん。
冬子) …けど、デーニッシュかて、よう売れて
    るやんか。どんどん新しいもん作ってい
    かな、お客さんかて飽きてしまうわ。
和人) 飽きるからいうて、どんどんどんどん新
    しいパン作ってたら、その店の姿勢にお
    客さんは飽きてしまうねん。何べん食べ
    ても食べ飽きひんパンを、俺らは手間暇
    かけて作ったらええねんて。


**********

秋子) 冬ちゃん、まだ考えてんの?
    ハンバーグの事。
冬子) うん…。
    そら、簡単に諦めたないけど…。和ち
    ゃんの言うた事に、びっくりしてしもて。
秋子) そらしゃあないわ。職人としても向こ
    うの方が先輩やし、大きい会社でいろ
    いろ苦労もしたんと違う?
冬子) そうやのうて…。和ちゃん、あんなに
    うちの工場の事を、大事に思てるやな
    んて…。うちのパン…お父ちゃんのパ
    ン…あんなに好きやってんなあ。


**********

春子) へえ~。
    和ちゃんがそんなにしゃべったん?
春男) しゃべった、しゃべった。もうびっくりや。
    あいつがあんな自分の気持ち、しゃべ
    ったん初めてや。あいつもああやって、
    自分の気持ち出せんねんなあ。
春子) お父ちゃん。…よかったな。
春男) あ…うん。
春子) お父ちゃん。
春男) うん?
春子) 岡谷さんとも、それくらい、
    仲ようやってな。
春男) うん…。うん…。
春子) (ため息)


**********

冬子) 和ちゃんの、言うとおりやわ。
和人) えっ?
冬子) パンは、いっぺん買うたら、しばらくは
    ええいうもんとも違うしね。毎朝、食パ
    ンを1枚食べてる人がいてたら、それ
    をつい2枚食べたなるようなもん、私ら
    はそういうのを作らなあかんのやね。
    それができたら、私らも、この工場で
    胸が張れるんや。
和人) …そやな。ほんまにそやな。
冬子) 頑張ろ。
和人) うん。


**********

ミサ子) ♪泣いた女が バカなのか
夏子) 曲がヒットしたら、もうこういう所で
    歌わんかてええねんね。
照子) そや。あとちょっとや。
ミサ子) だました男が 悪いのか
夏子) あの人、もう何年もこういう所で
    歌ってはんのやろか?
照子) うん…。年取って、こういうとこ回って
    歌うのはしんどいやろね。けど、夏子
    はあとちょっとでここから出られる。
ミサ子) ♪恋のみれんの 東京ブルース

(拍手)
ミサ子) ありがとうございました!
     山根ミサ子でした~!
客) おい、ミサ子ちゃん!
ミサ子) まあ、いらっしゃい!
照子) マイク…。

(マイクを持ったまま客席に行くミサ子)
ミサ子) ありがとうございます! アッハハ!
客) いいおなごだて!
ミサ子) はい、乾杯!
客) 大したもんだ。
客) なあ!
ミサ子) ああ~! おいしい!
     ♪街の灯りが とてもきれいね
     ヨコハマ ブルー・ライト・ヨコハマ  
     あなたと二人 幸せよ
     いつものように 愛のことばを
     ヨコハマ ブルー・ライト・ヨコハマ
     私にください あなたから

(拍手と歓声)

**********

ハンバーガーを作りたい冬子に反対する和人。
ちゃ~んと自分の意見を言えるようになったん
だね~和人! 和人の意見はもっともで、それ
より何より、冬子が言う通り、和人が工場の事、
春男が作るパンの味を大切に思ってくれてい
ると分かった事が嬉しいし、そう思える冬子が
好きだ。新商品には目がない私だけれど、ずっ
と変わらない定番の味も残しておいてほしいと
思うわけで…。客はわがままで欲張りなのよw

パン作りをしながら仲直りする二人の爽やかさ
にキュンキュンしたあとは…夏子のモデルとな
っている人…本物のいしだあゆみさんが登場!
しかも、本人が歌う「ブルー・ライト・ヨコハマ」が
聞けるなんて! かつての自分と出会う、いしだ
あゆみさんの心境を思って、既に泣けてくる…。


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