「てるてる家族」(再放送)第120回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第120回

辰造(でんでん)が、工場に冷凍冷蔵庫を導入
してはどうかと言いだす。仕込みが楽になり、
朝から焼きたてのパンを売るチャンスだと冬子
(石原さとみ)も喜ぶが、春男(岸谷五朗)は元
手がないから無理だと言う。一方、東京で照子
(浅野ゆう子)と暮らす夏子(上原多香子)は、
全国をキャンペーンで回る日々を送っている。
移籍後もパッとせず、夏子は悩んでいた。ある
夜、弘子(森口博子)と松本(桂小米朝)が冬子
を訪ねて来る。

**********

私がパン職人の修業を始めて、
はや半年以上がたちました。


(目覚まし装置の音)
冬子) よし。はあ…う~ん…。

**********

冬子) おはようさん!
春男) いつになったら一人で起きられんね。
冬子) いや…夏はまだよかってんけど、
    寒なったら何やつらなって。
春男) ハハッ。そんな子どもみたいな事
    言うてどないすんねんな!
冬子) しゃあないやんか!
    夜お店にかて出てんねんで。
春男) お父ちゃんはそういう生活を
    何年もやってきたんやで。
冬子) あ…ほんまやね。お母ちゃんやのうて、
    お父ちゃんもよう頑張ってたんやなあ。
春男) お母ちゃんはただ無駄に目立ってきた
    だけや。ほんまに頑張ってきたんは、
    お父ちゃんや。
冬子) 全然目立ってへんかったわ。
春男・冬子) ハハハ…。
春男) 無駄口たたかんと早よ仕事せいい!
辰造) ハハハ…!
冬子) あっ、工場長。もう来てくれてたん?
辰造) おはよう。
冬子) おはようさん。
辰造) 大将。冷凍いうの知ってはりますか?
春男) 冷凍?
辰造) いや、冷凍使たら、こんな夜中から起
    きて働かんかてええようになりますね。
冬子) えっ、ほんま!?
春男) 何喜んでんね。
辰造) 冷凍冷蔵庫いうのがあったらええね。
春男) あ…いや、それ、どないすんね?
辰造) いや簡単ですわ。前の日に成形まで
    やって、それを冷凍しとくんですわ。
    夜の12時ごろに、電源切っといたら、
    朝にはちょうどええ具合に解凍され
    てて、それをちょっと発酵させてから、
    焼きますね。
冬子) はあ~! 朝がうんと楽やね。
春男) またまた何喜んでんね。
辰造) 楽だけとはちゃうで。
冬子) ほら。
辰造) それやったらちょうどええ時間に、ほ
    んまの焼きたてが、店に出せるんや。
    今は一斉に成形までできへんやろ?
    焼く時間もまちまちになる。前の日に
    成形までやって、凍らしといたら、朝
    は焼くだけでええ。
春男) そやけどそれ、ちゃんと焼けんのか?
辰造) 焼けます! 朝にはちゃんと焼きたての
    パンが並んでるいうて、それを目当てに、
    朝からぎょうさんのお客が、買いに来る
    ようんなった店があるんですわ。
冬子) ええなあ! やろ。それやろ。
    なっ? お父ちゃん、ええやろ?
春男) いや、そやけどその、冷凍冷蔵庫
    いうのは、高いんやろ?
辰造) そら安うはないですわ。
    業務用やないとあかんさかい。
春男) それやったら、今はちょっと無理や。
冬子) えっ、何で? ぎょうさんお客さん来て
    くれはったら、すぐ元何か取れるやん。
春男) その元手があらへんね。
    今、そんな貯蓄あらへんのや。
冬子) 借りたらええやん。
春男) どこで? まあ、考えとくわ。
辰造) そうですね。まあ、それまでは冬ちゃん。
    夜中に起きるの、慣れなあかんわ。
冬子) 別に起きんのはええけど、もったいない
    なあ。お客さん呼べるチャンスやのに。
    う~ん…。


**********

照子) 夏子。ごはん出来たで。早よ起き。
夏子) ん…。
照子) どないしたん? しんどいん?
夏子) おはよう…。
照子) おはようさん。ごはんできてるで。
夏子) あ…頭痛い。
照子) うん? お水飲む?
夏子) うん。
照子) 昨日無理してあんな飲むからや。
夏子) しゃあないやろ。
    お客さんに勧められてん。
    レコード買うてもらうためやもん。
照子) そやけどゆうべのお客、
    ほんましつこかったなあ。はい。

(夏子に水を渡す照子)
夏子) ありがとう。
照子) ああいう事があったらまた代わりに
    お母ちゃん飲んであげるから。
夏子) お母ちゃん飲まれへんやん。またお母
    ちゃんおんぶして帰る方がしんどいわ。
照子) ハハハ…! あんときは堪忍やで。
    ほら、朝ご飯しっかり食べんと。
    顔洗といで。
夏子) うん。
照子) うん。


**********

夏子) うん…おいしい。
照子) ほんま?
照子) 来月は大阪で仕事や。
    久しぶりに里帰りができるわ。
    それまで頑張らんとね。
夏子) 里帰りも、だんだんうれしなくなって
    きたわ。みんなに励まされるだけやし。
    近所の人に会うても、わざと仕事の話
    聞かへんようしてくれてんねんもん。
照子) けど、近所の人はみんな夏子の
    レコード勝うてくれてんねんで。
    元気なとこ見せてあげんと。
夏子) うん…。なあ? 今度の曲、どう思う?
照子) う~ん…。
夏子) 今度の歌は、歌うてても、お客さんの
    反応薄いような気ぃすんねん。レコード
    も全然売れてへんみたいやし。
照子) けど…夏子が落ち込む事あらへん。
    3曲目が勝負やて社長さん言うてはった
    やないの。3曲目で必ずヒットさせますか
    らて張り切ってはったやない。それ信じ
    て頑張らんと。作詞も作曲も、一流の先
    生がしてくれてはんねんから。あとは神
    様次第や。そやから夏子は売れへんか
    っても悩まんかてええ。お母ちゃんは、
    夏子が歌てる姿毎日見られるだけで楽
    しいわ。
夏子) 歌は好きや。
    歌うてる間は、悩まずに済む。
照子) それでええねん! うん?
夏子) フフッ。


**********

弘子) こんばんは!
松本) こんばんは!
冬子) あっ、いらっしゃいませ…。
弘子) 何や冬ちゃん、眠たそうやねえ。
冬子) 眠たいわ。もう助けて、もう…。
松本) あかんあかん! うちの嫁はん、
    そないこき使わんといてや。
冬子) はあ…。やっぱり結婚させたのが
    まずかったわ。
松本) 聞こえてるで。
弘子) もう…。なあ、冬ちゃん。
冬子) うん?
弘子) 秋ちゃんから聞いたんやけど。何や、
    工場に新しいもん入れたいねんて?
冬子) ああ、あの、冷凍冷蔵庫の事やろ?
    パン生地をな、凍らしとくねん。あれが
    あったら、私も楽やし、お客さんにも喜
    んでもらえそうなんやけど。
弘子) フフッ。これ…使て。

(通帳と印鑑を差し出す弘子)
冬子) え…え…いや…あかんよ…。
弘子) ええから。私の貯金。
冬子) いや…あかんて。そ…そんなん使われ
    へん。弘子ねえちゃんが、一生懸命働い
    て、貯めたお金やんか。
弘子) 冬ちゃんの役にたったら、
    このお金かて本望やねん。
冬子) あ…あかんよ、やっぱり…。
弘子) ええから。
冬子) あかんて!
弘子) あげんのとちゃうよ。貸すねん。冬ちゃ
    んが儲けて、返してくれたらええねん。
冬子) そやけど…。
弘子) 冬ちゃんを信用して貸すねんで。
冬子) え…?
弘子) 冬ちゃん、私らの事、
    気にかけてくれたんやろ?
冬子) あ…。
弘子) ウフフ! 私、感謝してんねん。
    そのお礼。フフフ…。
冬子) 弘子ねえちゃん、幸せそやね。
弘子) 幸せや。もう、何言わすの。そんな
    事はどうでもええから。これ、使て。
冬子) あ…けど、お父ちゃんかて、
    あかん言うわ。
弘子) 大将に貸すのと違う。冬ちゃんに
    貸すねん。冬ちゃん応援したいねん。
    そんな水くさい事言わんといて。
冬子) 弘子ねえちゃん…。
弘子) 突き返されたら、弘子ねえちゃんかて
    寂しいやん。なっ? 頑張ってええパン
    作らな。…なっ? そうして。
冬子) ほんまに、ええの?
弘子) うん。
松本) 遠慮せんと使たらええんや。弘子
    ちゃんの事なら心配せんでええで。
    俺の稼ぎで十分や。
弘子) それは心配やけどな。
松本) 何や、それ。
弘子・松本) フフフ…。
冬子) ほんまに…ほんまにありがとう。
    弘子ねえちゃん、ほんまにありがとう!
    おおきに。


**********

冬子) おお~! 今成形したみたいやなあ。
辰造) よっしゃ! ええ感じや!
    これを発酵室へ運んで、1時間ほど
    寝かして、焼いたらええねん。


**********

春男) よっしゃ~。
冬子) うわ~!
辰造) おお~。

(焼きたてのパンを食べる冬子)
冬子) うん…ええんちゃう?
    焼きたてのパンや。
    正真正銘のうちのパンや!
春男・辰造) ハハハ…!
春男) 弘子ちゃんに感謝せなあかんな。
冬子) よし。宣伝せな。これを朝から
    店でバンバン売ったる!


**********

弘子) いらっしゃいませ!
    ただいま焼きたてのパンを
    販売しております!


そして、私たちは、
喫茶店の開店前から店を開けて、
焼きたてのパンを売り出したのです。

私のパン作りも、だいぶ上達しました。
慣れてしまえば、単調な毎日ですが、
私はとても充実していました。


**********

夏子姉ちゃんは、
レコードのキャンペーンで、
大阪にやってきました。


夏子) ♪ああ、終った恋と知りながら
    待つのは あなた一人なの。
    涙が出るの 泣きたくもないのに
    愛してたのに あなたは もういない
    あなたは もういない

(拍手)
客) なつこちゃん! なっ!
  あんたべっぴさんやな。
  ちょっと一杯飲みい!  
  こっちおいで、こっちおいで!
  なあ? こっちおいで!
照子) お客さん! 今の歌ええ歌でしょ?
    記念にレコード1枚
    買うてくれませんか?
客) 買うたろ、買うたろ。なっ!
照子) ありがとう。
客) そのかわりな、フフッ…。
  なつこちゃんの、お尻触…。
照子) お客さん、そんな品のない事言う
    たらあきませんわ。ここはそんな安
    っぽいお店やありませんでしょう?
客) 何じゃ、そら?
  それが客に対する言葉か、お前!
  ちょっとテレビ出た思て、
  ええかっこさらすな、カスめが!
照子) 何やと、こら! ちょっと酒飲んで
    ええ気持ちんなってるからて、
    まあ偉そうに、このカス!
客) 誰がカスじゃ!? 第一お前
  どこのおばはんや!? お前よ。
照子) ほっといてくれ、そんなもん!
客) 何や、その言い方…!


**********

照子) ああ、しんど…。
夏子) そやから早よ池田に帰ったらええのに。
照子) おなかすき過ぎて動かれへんね。
    あんまり贅沢はできへんから、
    こんなとこでごめんね。
夏子) 何言うてんの。
    それ言うのは、私の方やろ?
照子) あんたはそんな事言わんかてええね。
客) 何やこれ!
店主) は…?
男性) おい。チャーシューの数が減ってる
    やろ? これ。この前来た時は確かに
    2枚入っとったぞ。ごまかされへんど、
    こら。
店主) いや、お客さん、この前はチャー
    シューがちっちゃかったさかい。
客) ちっちゃいもおっきいもあるかい!
  2枚は2枚やろ? ちゃうんかい!
  俺はな、その2枚を期待してやな、
  北海道から来とんのやぞ。
店主) またまたご冗談を。
客) 冗談やあっかい。どないしてくれんね?
  俺のその、いたいけな心を。明日から何
  信じて生きてったらええね?
照子) ほんまにけったいな人間が多いな、
    大阪は…。
夏子) お母ちゃん。
客) 何やと!?
照子) 何や?
夏子) もうやめて。
客) …おばはん?
照子) おばはん!?
客) おばはんやろ? お…おばはんや。
  お…おばはん!


**********

私はまだ、お母ちゃんたちが、
誰と出会ったかなんて、
知る由もありませんでした。


冬子) あ~! 極楽極楽…。
    おやすみなさい。


**********

なるほど。冷凍冷蔵庫があれば、パン屋の仕事
も楽になるんだね。文明の利器はありがたや。
けれども、文明の利器は高い! 欲しくても手が
出ない。悩める冬子に救いの手を差し伸べるの
は弘子ねえちゃん! 貯金通帳と判子が出てき
ても、自然に受け取れるのが「てるてる」の良さ。
同じ通帳と判子でも、「まれ」の時はひどかった。
弘子ちゃんの貯金も、冬子を応援したい気持ち
も自然で納得できるし、冬子がその気持ちを受
け取れる関係性も、ちゃんと描かれているから。

弘子ねえちゃんの恋を応援する冬子と、冬子の
パン作りを応援する弘子。思い思われ、家族の
ような2人の関係。岩田家はいつもあったかい。

キャンペーンで苦労している夏子と照子がラー
メン屋で再会した人は…。てるてるは、本当に、
ちゃんと連続したドラマだなあと、当たり前の事
だと思っていた事に感心してしまうのは「とと姉
ちゃん」の不連続ドラマを見せられているせい。
あちらのおかげで、このドラマの素晴らしさを、
毎日毎日、思い知らされる。そういう意味では、
比較としての「とと姉」の存在意義はあるかも!

常子と照子の年の差は3つ。常子の方が年上。
同じ時代を生きているはずなんだけどねぇ…。


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