「てるてる家族」(再放送)第117回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第117回

18歳から住み込みで岩田家の家事手伝いをし
てきた弘子(森口博子)が、いまだに独身であ
ることを照子(浅野ゆう子)が急に心配しだす。
照子と冬子(石原さとみ)は何とか結婚相手を
探そうと、商店街の人たちに相談する。すると、
萩原(ほんこん)のたこ焼き屋の常連客で、弘
子と同い年の弁護士が候補に挙がる。早速み
んなで弘子に話すが、弘子は急な見合い話に
戸惑った様子だ。翌日、弘子は店に来た松本
(桂小米朝)に相談する。

**********

冬子・秋子) 結婚!?
照子) 結婚する権利は
    弘子ちゃんにだってあるわ。
春男) そら当たり前や。
照子) それをすっかり忘れてたんよ。
    なんとかしたらな。
春男) はあ…そやなあ。ほんまにそやな。
    俺もずっと気になってたんやけどな。
    気になり過ぎてそのうち、
    慣れてしもたんやな。
冬子) けど、弘子ねえちゃんがいてへんよう
    なったら、この家はどないなんの?
春男) どないなるて何がや?
冬子) いや…毎日、ごはんの支度とか。
照子) 私はあかんで。しばらく東京に
    行くて決めてしもたんやから。
春男) 誰も当てにしてへんて。
冬子・秋子) うん。
春男) となると…やっぱり…。
秋子) あ…私はあかんて。まだ学生やし。
    たまにやったらええけど、
    そんな期待されても困るわ。
冬子) いや、ごはんの支度だけやのうて、
    掃除も洗濯も、買い物もみんな、私ら
    ちっちゃい頃から、弘子ねえちゃんが
    母親みたいにやってくれてんねんもん。
照子) ほんまや…。
春男) ほんまの母親は
    何やってたんやっちゅう話や。
照子) ほんまや…。私や。
春男) お前や。
秋子) お母ちゃん、時々忘れんねんから。
春男) いや、時々思い出すね。
冬子) それに店までやって…。ほんまに
    弘子ねえちゃん、よう体もってるなあ。
春男) 結婚したらさぞ、
    ええ奥さんになるんやろな。
照子) 今からでも遅ないて。そうさせたげよ。
春男) ほんまや。岩田家だけで独占するっ
    ちゅうのはそんなもったいない話や。
冬子) けど、ごはんの支度は?
春男) お前も「ごはん、ごはん、ごはん」て
    さっきからお前ごはんの回し者か!?
    お前は…。
冬子) 意味分からへんわ。
秋子) 冬ちゃんもう、
    子どもやないねんから、自分でしい!
春男) そや。
秋子) お父ちゃんもお母ちゃんも、これから
    はちゃんと自分でせなあかんで。  
    もう子どもやないねんから。
春男・照子) はい。
春男) そや。何でも弘子ちゃんに
    頼んだらあかんで。
照子) そや。秋子の言うとおりや。私らも
    何でも弘子ちゃんに頼り過ぎてたわ。
弘子) 何の話ですか?
照子) えっ?
    そやから弘子…何でもありません。
弘子) 私の話してはりませんでした?
4人) してへん、してへん。
照子) 弘子ちゃん、お茶いれてんか。
弘子) はい。
春男) おいおいおい!
照子) えっ…? ああ、そや!
    ええ! ええ! ええ!
    私自分で、いれるから。
春男) そや。
照子) もう子どもやあらへんし。
弘子) 誰が子どもなんですか?
秋子) みんなや。
冬子) そう。みんな。


**********

寺井) 弘子ちゃんの縁談なあ。なるほど。
    その問題が残ってた訳やな。
照子) 私も、うっかりしてたわ。
都子) 何やもう、所帯持ってる雰囲気あっ
    たもんなあ。昔から弘子ちゃんは…。
照子) 私らが、頼り過ぎてたんやね。
寺井) けど、幸せそうに見えるからなあ。
    今でも十分。
照子) そしたらもうええか?
都子) いや、そ…そらええ事あらへんがな!
照子) そやよねえ。
寺井) あのまま独り身通すいうのも、もった
    いない話やで。弘子ちゃんかて、時々
    ハッとするぐらい、べっぴんさんに見
    える時あるさかいな。
都子) えっ、ちょっと、それどんな時なん?
寺井) そら…お前と一日一緒に働いて、
    うんざりして表へ出て、深呼吸なん
    かしてふっと空見上げて、「ああ、
    夕焼けがきれいやなあ」、なんて
    思た時や…。
都子) 弘子ちゃん出てけえへんがな。
寺井) あ…ほんまやな。いや、けどなん
    ちゅうか、その…夕焼けみたいな
    とこがあんね! 弘子ちゃんて…。
照子) 誰かええ人いてへんやろか?
    その夕焼けに合う人…。
寺井) そやなあ。
都子) あっ…豆腐屋の息子、どないやろ?
    なっ? 夕焼けに合うんちゃう?
    「パ~プ~」いうて。
寺井) そら風景に合うてるだけやがな!
    そういう意味とちゃうやろ。
都子) ああ、さよか。なあ?


**********

米原) (小声で) 結婚相手ですか。
冬子) そう。弘子ねえちゃんに合う人。
米原) どんな人が…?
冬子) う~ん、そやなあ…。
    あっ、本人に聞いてみよか。
    えっ? えっ…?
米原) 聞いていいんですか?
冬子) あっ、あかんあかん!
    今はまだ内緒や。お母ちゃんがな、
    「お見合いがええやろ」て言うてたし。
米原) お見合いですか。
冬子) うん。お父ちゃんとお母ちゃんもな、
    お見合いやってんて。何も知らんまま
    にパッと会わされて、そやから相手の
    事もパッと分かったて。妙な期待は持
    たさへん方がええねんて。
米原) お互い期待してなかったって
    いう事ですね?
冬子) それがお見合いの秘訣やて。
米原) なるほど。
冬子) そやから、パッと会わさなあかんね。
米原) パッとか…。
松本) こんにちは。
弘子) あっ、松本さん、いらっしゃい!
冬子) いらっしゃい!
松本) ええ天気やなあ。
    米原先生来てはったんですか!
米原) どうも。
松本) いや~お仕事快調みたいですね。
    先生の本ね、今年仕入れた分
    みんな売れました。
米原) 何冊、仕入れてくれたんですか?
松本) え~2冊。
米原) アハハ…。ありがとうございます。
松本) 秋ちゃんが買うたんちゃいまっせ。
    また仕入れときますさかい、
    頑張っとくなはれや。
弘子) 冬ちゃん、
    米原さんに何相談してんの?
    あんまり困らしたらあかんよ。
米原) いえ!
冬子) ただの進路相談。
弘子) 進路!? また何かやりだすの?
冬子) 私と違うよ。
弘子) 誰?
冬子) …大事な人。
松本) 弘子ちゃん! カレーと、コーヒー。
弘子) あっ、はい。
冬子) いや…松本のおっちゃん!
    私が焼いたパンも食べてな。
松本) 毎日食べてるがな。
冬子) おおきに。
弘子) 朝がパンで昼がカレーやったら、
    栄養足らんやないの。夜はどうせ
    その辺で一杯なんやろから。
    ちゃんと種類たくさん食べなあかんよ。
松本) 分かってます。財布と相談して
    いろいろ食べてるがな。
弘子) 体と相談しなさい!
松本) はい。
弘子) ハハハ…!
米原) なるほど。いい奥さんになりそうです。
    あの人は…。
冬子) 私が奥さんにしたいわ…。
米原) はっ?
冬子) どうせ取られんのやったら、
    ちゃんとした人見つけてあげな。
    誰かいてへんやろか?
米原) どんな人がいいんですかね?
冬子) そら…明るうて、優しいて、頭がようて、
    働き者で、一緒にいてて楽しいて、
    できたら…独身。
米原) 「できたら」でいいんですか?
冬子) はあ…誰かいてへんやろか…?


**********

萩原) いてるで、それやったら。
照子) ほんま?
都子) えっ! ええ人いてんの!?
萩原) ああ、わしとこにいつもたこ焼き
    買いに来るお客さんで、一日3食
    たこ焼き食うても飽きへんていう
    ええ人や。
都子) そらあんたにとって
    ええ人ちゃうん?
萩原) ちゃうがな! 食べ物に無頓着  
    やから女性にも無頓着やね。
    それでまだ独身やで。
照子) 何してはる人?
萩原) 驚いたらあきまへんで。
照子) うん。
萩原) 弁護士さんや。
都子) 弁護士!? えっ!
照子) ええやないの!
寺井) いや、けど、向こうにその気が
    なかったらあかんやろ。
萩原) ある。あるがな。「結婚したい」て
    いつも言うてんね。「けどなあ、自分
    みたいな人間に、来てくれる人なん
    かいてへんやろ」て、そら謙虚や。
    弁護士いうたかてな、威張ったとこ
    なんかいっこもあらへんで。いつも
    ニコニコしてるしな。うん。
都子) なんかえらい欠点あるんちゃう?
    そんなええ人が何で今まで独身やの。
    なあ?
寺井) 世の中の食べ物で、たこ焼きしか
    食べられへんとかやったりして。
照子) えっ?
萩原) それがどこがあかんね!?
照子) まあでも、こんなもんで満足するん
    やったらねえ、弘子ちゃんが作った
    料理食べたらイチコロやわ。
都子) そうそう…!
萩原) こんなもんで悪かったな!
照子) タコ原さん、あのね…。
萩原) タ…タコ原!?
照子) すんません。萩原さん。
    いっぺんその人に会わしてみて!
    ねっ? うん。
萩原) (小声で) 萩原や!


**********

辰造) 弘子ちゃんいうたら昔…恒に気が
    あったみたいなんやけどな。
春男) 恒か…。静子ちゃんが持ってって
    しもたからな。
辰造) 一応わしも独身ですけどな。
春男) 工場長。そらなんぼなんでも
    弘子ちゃんかわいそすぎるわ。
辰造) そうですわな。
春男) そや。
辰造) あっ! 和人はどうです?
    社会人なったとこやし、若いし。
春男) いや、そら世間が納得せえへんやろ。
辰造) 世間がですか?
春男) そや。世間や。
辰造) ふ~ん…。
春男) う~ん…。
辰造) ちょっと大将。
春男) うん?
辰造) 槍は横には出されへん。
    前にしか出られへん言うてますやろ。
春男) 照子みたいやな。そやから俺、
    指し方よう分からへんね。
辰造) …あっ!
春男) ん?
辰造) 詰まれてしもた。
春男) えっ?
辰造) わしの負けや。
春男) 弱いな、工場長。
辰造) 強いな、大将。
春男) 強ない、強ない。
辰造) ハハハ…!
照子) あんた…!
    あんた! あんた! あんた!
春男) 何や?
照子) 見つかった、見つかった!
春男) な…何が?
照子) 弘子ちゃんのお見合い相手や!
春男) ほんまか!? どんな人や?
照子) あんたびっくりしたらあかんで!
    あれや…弁士や。
春男) 弁士?
辰造) 活動写真の!?
照子) えっ?
辰造) 今でもそないな商売あるんでっか!?
照子) ちゃう…ちゃうわ。弁士やのうて、
    あの…べん…弁護士や!
春男) 何やねんな。
辰造) 弁護士とはこらまたえらいもんですなあ。
照子) うん。
春男) 独身か?
照子) 当たり前や。
春男) 男か?
照子) 当たり前や!
春男) 年は?
照子) それが、弘子ちゃんと同い年やねん。
    釣り合いもぴったりや。これ以上ええ人
    はいてへんね。天の声や~。


**********

弘子) えっ!?
照子) どない?
    いっぺん会うだけ会うてみえへん?
弘子) そやけど…。
照子) 会うだけや。
    いきなり結婚せんかてええねんよ。
春男) 当たり前や。
弘子) いきなり、お見合いやて…。
照子) いきなりでごめんやで。ほんまは前々
    からね、ちゃんと考えてあげなあかん
    かってんけど、堪忍や。
弘子) いや、そんな事言うてませんわ。
冬子) 弘子ねえちゃん、気ぃ進まへんの?
弘子) 思てもめえへんかったから…。
冬子) やめてもええねんよ。
照子) あんたは黙っとき。
    弘子ちゃんかて結婚したいやろ?
    このままで、ええ訳あらへんやんねえ?
秋子) お母ちゃん、そんな言い方ないわ。
冬子) そやわ。
弘子) 私…この家にこのままいてたら
    あきませんか?
照子) ほんな事誰も言うてないやないの!
春男) 言うてへんで。
冬子) いててもええねんて!
照子) あんたはもう黙っとき!
冬子) 何で? お母ちゃん、春子姉ちゃん
    時は結婚に反対したやんか。
照子) 春子と弘子ちゃんと
    状況が全然違うやろ!
春男) いや、そやけど春子は毎晩遅いなあ。
照子) ほんまや。そやけど弘子ちゃん、
    もっと遅なってんねんで。
弘子) おかみさん!
照子) 弘子ちゃんには、私らみ~んな
    幸せになってほしいて思てんね。
弘子) 私は、今でも幸せです。
秋子) 弘子ねえちゃん、
    この家にずっといて、不満ないの?
弘子) 不満なんてあらへんよ。みんなといて
    るのは、楽しいし、お金は使わへんし。
    お給金は、みんな貯金できるしな。
照子) 弘子ちゃん。
    幸せはお金では買われへんのよ。
春男) うわっ、お前が言うと説得力ないなあ。
照子) 旦那も貯金や思てたらええねんやん!
    相手は弁護士さんやで。
    これ以上の貯金はあらへんやん。
秋子) お母ちゃん、言い方がやらしい!
春男) そやな!
照子) 結婚は現実やで。
    そやから幸せも、現実になるの!
弘子) あの…考えさして下さい。
照子) うん。何時まで?
春男) 「何時まで」いう事あらへん。
冬子) ゆっくり考えたらええね!
照子) あんたは黙っとき!
春男) 弘子ちゃん。ほんまに今まで、弘子
    ちゃんに、甘えすぎてたんや。そや
    からな、今度の見合いせえいう事や
    のうて、俺らの事気にせんと、自分
    の事考えてほしいね。どないなった
    かて、俺らと弘子ちゃんの関係が変
    わるいう事はあらへんねんから。
弘子) そや。結婚したからて何も変わら
    へん。この家は弘子ちゃんの実家
    やて思てくれたらええんやから。
    ねえ? 弘子ちゃんの幸せは、私ら、
    家族みんなの願いや。
冬子) そや! 願いや!
照子) あんたは黙っとき!
春男) おんなじ事言うてるで。合ってるやんか。
弘子) おおきに。おかみさん、大将。
    みんなおおきに。身寄りのない私を、そう
    まで思てもろて、ほんまうれしいです。
    ちょっとだけ、考えさして下さい。
照子) 何時まで?
春男) 「何時まで?」いう事ないやろ。
    時計ついてへんやろ。
照子) いいやないの、そんなもう…。
冬子) なあ? 弘子ねえちゃん、
    身寄りあらへんの?
照子) いろいろ…つらい思いもしてんねや。
    弘子ちゃんも、戦争の犠牲者や。


**********

松本) そんなん考えんかてええやん!
    もう会うてから考えたらええんや。
弘子) そやろか?
松本) そらそや!
    考えて考えて会ういうて決めてやで?
    会うてみて、「こらあかんわ」思てみい
    な。考えてた時間がやな、もったいない。
弘子) そら、そやね…。
松本) うん。もうな、会うてから考えたら
    ええね。もう考えんでええのや。
    そこでや、相手の事をスッと気になり
    だしたら、それからがお見合いや。
    じっくり考えていったらええのや。
    まあ初めは、お見合いやと思わんと、
    出会いや思たらええね。
弘子) 出会いか…。
松本) うん。まあ、別に断ったらあかんて
    いうルールはあれへんのやしな。
弘子) 断りたなかったらどないすんの?
松本) …えっ?
弘子) 私、結婚に向いてる思う?
松本) そら思うで! 弘子ちゃんが向いてへ
    んかったら誰が向いてるねんっちゅう
    ぐらいやで。まあ、あれやな…とりあえ
    ず、出会うてみたらええねんて。
弘子) …そやね。…うん。


そして、次の日曜日、
弘子ねえちゃんは、
その人と会う事になったのでした。

 
**********

岩田家で、実質的おかあちゃんの役割をになっ
ていたのが弘子ちゃんだったという事に、いまさ
らのように気付く岩田家の人々。とにかくごはん
を気にする冬子、お前は男子中学生か! まあ、
分かるけどね。実際に困るのはまずそこだから。

そして始まる弘子ちゃんの見合い相手を探せ!
和人を勧める工場長に、「世間が納得せえへん
やろ」と春男。納得しない世間ってどこ?誰?w

お見合い話にイマイチ乗り気じゃなさそうな弘子
ちゃんに、照子が言ったセリフがえげつなくて…。
照子が言うと、全く説得力のない「幸せはお金で
は買われへんのよ」のセリフのすぐ後で、「旦那
も貯金や思てたらええねんやん!」て…。さすが
照子さん! 「旦那も貯金」て…!旦那によって、
受け取る利息もかなり違うんやろね…(遠い目)。

結婚は現実やで。
そやから幸せも、現実になるの!

照子の言ってる意味はえげつないかもしれない
けれど、結婚が現実だから、幸せも現実になる
っていうのは、ちょっと分かる気がする。夢見て
いるだけでも幸せかもしれないけど…リアルに
行動してこそリアルな幸せも手に入るというか。

考えさせてほしいという弘子ちゃんに、「何時ま
で?」としつこく絡む照子に笑った。弘子ちゃん
も…戦争で身寄りがなくなった人だったんだね。
弘子ちゃんが、幸せになれますように~(*^。^*)


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