「てるてる家族」(再放送)第113回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第113回

和人(錦戸亮)の就職試験合格を祝い、すき焼
きを囲む岩田家。だが就職先がなんと大手の
製パン会社だったとわかり、和人は頭を下げる。
商売敵になるのかと言葉を失う照子(浅野ゆう
子)。しかし、春男(岸谷五朗)のもとで働いた
経験を買われたという和人の言葉に、春男は
素直に喜ぶ。翌日、冬子(石原さとみ)はパン
工場で、ポツンと座る春男の姿を見つける。工
場での思い出を春男と語り合ううち、冬子の心
にある思いが芽生え…。

**********

春男) (せきばらい) ほな和人。
    就職、おめでとうさん!
一同) おめでとう!
和人) ありがとうございます。
冬子) 和ちゃん、ほんまよかったなあ。
    よかった、
春男) ほら、食え、食え!
照子) 頂きま~す。
春男) 和人が先や。
照子) ややこしなあ…。
春男) ほら、和人!
冬子) どないしたん?
春男) 何や、みんなが食わな、食えへんて?
    もうこういうやつやね!
    ほなみんな、食べよか?
弘子) は~い!
一同) 頂きま~す!
弘子) おいしいで。
    弘子ねえちゃんの味付け~!
春男) あ…春子は今日も遅いんか?
弘子) そう言うてました。大学の
    スケート部の集まりがあるとか。
春男) せっかくオリンピックから帰ってきた
    いうのに、ちょっとも家でのんびりし
    てへんな。
弘子) しゃあないですって! 「今までずっと
    遊ばれへんかったんやから、あと1年
    は大学生活もスケートも楽しむ」って。
秋子) それに岡谷さんとものんびり
    会わなあかんしね。
春男) …秋子。あと1年は
    その名前出したらあかん。
秋子) …はい。
春男) うん。アッハハハ…!
弘子) ハハハ…!
照子) もう選手はやらへんのやろか…。
春男) はっ?
照子) 頑張ったら、また次のオリンピック
    にも出られるかも分からへんやない。
    次はせっかく札幌やのに。
    また出てほしいわあ。
春男) もうええやろ。蒸し返したらあかん。
照子) フフフ…。冗談や。半分は…。
春男) 半分かい。
秋子) あっ、浪利君も大学受かってんよ。
冬子) えっ、ほんまに?
    秋ちゃんとおんなじとこ?
秋子) そう。
冬子) さすが「浪速の利益」やなあ。
    フフッ! なあ、和ちゃん。…あれ?
春男) 和人、どないしたんや?
    さっきから食べてへんやんか。
冬子) あっ、おなかの調子でも悪いの?
和人) あの…。
春男) 和人も大したもんや。
    「自動車造りたい」いうのがずっと
    夢やったんやろ? それを苦学して、
    かなえたんや。大したもんや。誰に
    かてできる事やあらへんで。
和人) 自動車は、造られへんのです。
春男) …あっ、まあな、
    最初は下積みやからな。
和人) 違うんです。自動車工場は、
    どこも、落ちてしもたんです。
冬子) えっ…?
春男) あっ、ほな…採用されたんは、
    別の会社いう事か?
和人) はい…。
冬子) あ…そやったん。
春男) いや、別にええがな。和人の
    夢はでっかい会社に入る事や。
    自動車はその次や。一番の夢
    をかなえたっちゅう事や。なっ?
    大したもんや。立派なもんや。
冬子) なあ、どんな会社やの?
和人) 大手の…。
春男) 大手や! おっきいいう意味やで。
冬子) 分かってるて、もう!
和人) 製パン会社です。
冬子) せ…製パン会社?
照子) あ…製パン会社って、あの…
    パン作る会社いう事…?
和人) はい…。
冬子) 何で…?
和人) そこにだけ、採用されてん。
冬子) そこ行くの?
和人) うん。行くつもり。
照子) そしたら…あれ? うちみたいな
    ちっちゃいとことは、敵になるいう事?
春男) アホ! おんなじ、パン作んのに、
    敵も味方もあるかいな。
和人) 大将! すんません!
春男) いや…何で謝んね?
    いや、構へんねんで。
    お前がええねやったら…。
冬子) 和ちゃん。ほんまにそこでええの?
    自動車は、もうええの?
和人) もうええね。俺…大将の下で働いて、
    パン作んのほんま好きになって。
    …で、もっと勉強してみたいて思て。
    …で、思い切って1社だけ応募して
    みたんです。自動車工場はどこもあ
    かんかったけど、そこには、経験買
    われて…。
春男) ほんまか? それ…ほんまか?
和人) はい…。すんません! 大将に黙って、
    何か裏切るみたいな事…。
春男) ほんまに…
    お前の経験が買われたんやな?
    ここにいてた経験が、買われたんやな?
和人) はい。
春男) そやったら…うれしいわ。
    俺、うれしいで。お前が、うちでやってき
    た経験を…その就職に…してくれてな。
    俺、ほんまにうれしいで、それは。
和人) 大将…。
春男) おおきに。
照子) あんた…?
春男) いや、うれしいなあ。うれしいわ!
    あっ、おいおい。食べえ、食べえ、
    食べえ!なっ? ほら、おい。
    おいおい。いっぱい食べえ。
    う~んと勉強してこい!
    お前はもうどこ行ったって誰にも負け
    へんで。新入社員の誰にも負けへん。
    それは俺が保証したるわ。大丈夫や、
    大丈夫や。お前は絶対、どこに行って
    も負けへん! おいおい、食べえ、食
    べえ! 肉や、肉や! ほれ! うん。
    いや~うれしなあ。


**********

冬子) お父ちゃん!
春男) 何や?
冬子) 何してんの? 日曜日に…。
春男) ただ工場見てたんや。
    よう頑張ったなあ、ここも思てな。
    感謝してたんや。
冬子) 感謝?
春男) おかげで、子どもらも大きなって、
    ええ仲間と出会えて、一緒に働く事
    ができた。和人も就職できたし…。
    ほんまに、ここがあってよかったな
    思てな。
冬子) そやね…。
春男) はあ~お父ちゃんこれからは、
    一人で楽しいやってくで。もう、
    誰のためにも苦労はせえへん。
    ええな?
冬子) 今まで苦労してたん?
春男) 当たり前や。そればっかりや。
冬子) そうは見えへんかったわ。フフッ。
春男) アホ。見せへんようにしてたんや。
    はあ~ほんま、楽しかったわ…。
    ここにいてると、楽しい事しか思い
    出されへん。ほんまにお父ちゃん、
    パン屋になってよかった思うわ。
冬子) 私もや。
春男) えっ?
冬子) ちっちゃい頃から、ここで働いてる
    お父ちゃん、笑てるとこしか思い出
    されへん。
春男) そうか…。
冬子) ああ…気持ちええな…。


**********

春男) ほんまに、よかった…。
    冬子。はあ。しゃあないなあ。

(寝ている冬子に上着をかけてやる春男)

**********

(冬子の夢)
喜介) 工場長! 出来ました!
辰造) おう。…あかんがな!
春男) 工場長があかんがな。飲み過ぎや。
喜介) 工場長、ベロンベロンですね!
和人) 大将!
    これちょっと見てもらえますか?
春男) よっしゃ~!
和人) どんな感じですか?
春男) ええ発酵具合や。
恒夫) うわっ、すごいなあ。
辰造) おお~上出来や!
春男) よう覚えとき。どや? 恒。
恒夫) いけてますわ、これ。
辰造) ハハハ…!
恒夫) これ、ええ発酵具合やと思いますわ。
(焼けたパンを取り出す冬子)
冬子) 焼けたで~!
一同) おお~!


(目を覚ます冬子)
冬子) 天の声や…。

**********

照子) ねえ、あんた。
春男) うん?
照子) 私…ほんまに東京行ってもええの?
春男) …えっ? 何や、そう決めたんやろ?
照子) パン工場、一人でやっていけんの?
春男) やっていかなしゃあないわ。
照子) ほんまに?
春男) どういう意味や?
照子) いや…もしね…あれやったらもう…
    工場やめてもええよ。
春男) えっ!?
照子) あんたは今まで、ほんまによう働いて
    くれた。おかげで、子どもらもみんな大
    きなったし、あとは、喫茶店の収入でな
    んとかやってけんのと違う? いや…別
    にあんたが、生きがいやいうんやったら
    別やけど。家族のためいうんやったら、
    もう続けんかてええんと違う? 今まで、
    ほんまに頑張ってくれてありがとう。    
春男) 何言うてんね…気色悪いわ。
照子) あんたのパンは世界一や。
    私ら家族はみ~んなそう思てる。
春男) はあ…。
照子) そやから、あんたもそろそろ、ちょっと
    のんびりした方がええんと違う?
春男) うん…そやなあ…。ほんまはとっくに
    潮時やったかもしれんしなあ…。


**********

私の思いは、
突然、発酵したように、
大きく膨らんでいったのでした。


**********

和人の就職祝いのすき焼きの席で、就職先が
自動車工場ではなく、大手の製パン会社だと
いうことを告げる和人の心苦しさも、それを聞
かされた側の戸惑いも、どちらも分かるだけに、
春男の優しさに、器の大きさに救われた。あぁ、
春男は、本当に、和人のイースト菌だったんだ
なぁって。和人にパンの技術を教えてきて、そ
の腕をその経験を買われて、就職が決まった
事を心から喜ぶ春男。自分が和人に教えてき
た事が役に立った。大手の会社に就職できた。
それが何よりうれしい春男の純粋な気持ちに、
心を打たれた。弱いようで、本当は強い人だよ、
岩田家のお父ちゃんは。器の大きな人だよ~。

パン工場で、気持ちよさそうに眠る冬子が見た
夢は…視聴者にとっても幸せな、工場が賑や
か立った頃の懐かしい人たちが笑っている夢。
その中には、パンを焼いている冬子の姿も…。

天の声や…。

うんうん。天の声や。お母ちゃんと一緒やねw
冬子の人生のツボが、見つかりそうな予感…。


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