「てるてる家族」(再放送)第93回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第93回

照子(浅野ゆう子)と激しく言い争った春子(紺
野まひる)。春子は物干し台で冬子(石原さと
み)に、照子のことを思うと夢をかなえてあげ
たいが、それができずに照子の期待を裏切る
のが怖い、と話す。一方春男(岸谷五朗)は、
春子が自分の気持ちに気づくまで待ってやれ、
と照子を諭す。宝塚音楽学校は冬休みになる
が、日常の早起きが癖になった冬子はいつも
のように早起きをし、パン作りの仕事を手伝い
たいと工場にやってくる。

**********

春子) 冬ちゃん。私…お母ちゃんの気持ち、
    分かり過ぎるぐらい、分かってんねん
    で…。お母ちゃんが…私のために、ど
    れだけ頑張ってきたか、分かり過ぎる
    ぐらい、分かってんね…。
冬子) そしたら、何であんな事言うたん?
春子) この頃な…昔の事を、よう思い出すね。
    バッジテストで、合格した時の、お母ちゃ
    んの顔とか…。全関西選手権で、優勝し
    た時の、お母ちゃんのうれしそうな顔と
    か…。衣装が買われへんから、一生懸
    命に、きれいな服作ってくれたりとか。
    梅田リンク店はもうからへんのに、お母
    ちゃん、手放さんと、ずっと頑張ってきた
    やろ…。そやから…私は、あのリンクで
    は、優遇されてんね。
冬子) お母ちゃんも、そばで見てられるしな。
春子) 気ぃ付いたら…随分…いろんな事や、
    時間を積み重ねてきてん…。お母ちゃ
    んの努力の重さを考えたら…最後の夢
    もかなえてあげたい。そう思えば…思う
    ほどな…できへんかった時の事が怖い
    ねん。お母ちゃんの期待を裏切る事が
    怖いねん。


**********

春男) ええか? 照子。スポーツいうもん 
    はな…まあよう分からへんけど… 
    お前の見てるような夢のためにやる
    もんとちゃうやろ?
照子) 私の夢?
春男) オリンピックに出たいとか人に勝ち
    たいとかそういう次元の低い夢や。
照子) オリンピックのどこが低いの?
春男) いや、そら勝負も大切やけど、
    もっと大切なもんがあるはずや。
照子) …何やの? それ。
春男) う~ん…。何て言うか…自分を磨く
    いう事かな。自分が…思いもよらん、
    こう…自分の素晴らしさに気付くいう
    事や。自分の中にある、生きる喜び
    みたいなものを発見するいう事や。
    これだけは人から教えてもらう訳に
    はいかへんね。
照子) (ため息) 何? それ。偉そうに…。
春男) ええか? スポーツは自分自身との
    闘いやねん。自分の弱さは自分で
    打ち破るしかあらへんね。そやのに
    春子は、自分と闘う前に、お前と闘う
    てヘトヘトになってんね。
照子) 私が春子の足引っ張ってる
    て言うの!?
春男) いや、まあ聞けて。いや、それはな、
    もうスポーツに限った事やあらへんで。
    俺が、パン屋になる修業をしてた時か
    てそやった。お前が店始めた時かてそ
    やろ? いろんな人に助けてもろて、教
    えてもろて、応援してもろて。
    そやけど…「これは、自分のためや」て、
    「自分が楽しいからやってるんや」て、
    その気持ちは、自分で見つけるしか、
    あらへんかったやろ? 春子が…ほんま
    にスケートやってて楽しいのやったら…
    あの子はやめたりせえへん。やめられ
    るはずがあらへん。ええか? 春子が自
    分で気ぃ付くまで、お前から何か言うた
    らあかんで。自分を見つめる時間を、春
    子に与えてやらな。
照子) …そんな余裕あらへんわ。
春男) それでも待つんや。ええな?
    待って待って、迎えてやんね!
照子) ♪追いかけて
春男) ンパヤ。
照子) ♪追いかけて
春男) ンパヤ。
照子) ♪すがりつきたいの
春男) ンパヤパヤ。いやいや、そんな歌、
    歌たらあかん。今は…。


**********

冬子) …私は、そんな風に、お母ちゃんに
    期待されてるお姉ちゃんらが、ずっと
    羨ましい思てきた。宝塚に入れた時
    な、ちょっとだけ、春子姉ちゃんや夏
    子姉ちゃんみたいになれた気ぃして
    うれしかってん。
春子) お母ちゃんも、喜んでたしな。
冬子) うん。まあ、あんまり期待はされてへ
    んかったみたいやけどな。フフフ…。
春子) そんな事ないよ。
冬子) ええねんて。けど…やっぱり入ってみ
    たら、おんなじやったわ。私は優秀や
    あらへんね。学校にはな…やっぱり、
    すごい子らがいててな。私は蔭で、羨
    ましい思てる。
春子) 冬ちゃん…ごめんな…。
冬子) 何で謝んの? そんな悲しい事言い
    たいのと違うで。私はな、楽しいねん。
    昔からず~っとそやった。「私にも、夢
    が欲しい」思たり、いろんな事して、い
    ろんな人と会うて、春子姉ちゃんや夏
    子姉ちゃんを自慢に思てる自分が、も
    のすご楽しいねん。そやのに…何で才
    能のある春子姉ちゃんは、楽しいと思
    われへんのやろ? 何でそんな苦しそ
    うなんやろ?
春子) 冬ちゃん。私かて、いつもいつも、
    苦しい訳とちゃうで。
冬子) そやけど…顔怖いもん。
春子) どこが怖いの!?
冬子) 怖い! こ…この辺が怖いわ。
春子) どこが怖いの?
    もういっぺん言ってみい!
秋子) 何やの? もう2人とも!
    ほんま風邪ひくやんか~!

(2人にタオルを渡す秋子)
冬子・春子) ありがとう。
秋子) ほんましゃあないなあ、うちの人間は。
    頭と体のバランスが悪いから
    そうなんねん。
春子) 秋ちゃんが今一番怖いな。
冬子) (小声で) ほんまや。
秋子) 何が?
春子) えっ?
冬子・春子) フフフ…!
春子) 何でもない、何でもない。
冬子) あれ?
春子) うん?
冬子) 雨あがってるわ! いや~。
春子) ほんまや!
秋子) ほんまや。
冬子) あっ…。

(てるてる坊主を吊るす冬子)
冬子) なあ…。
春子) うん?
冬子) なあ…。お母ちゃんはええなあ。
春子) えっ?
冬子) 春子姉ちゃんがいてて。ほんま苦労
    やろけど…ず~っと楽しそうやもん。


**********

冬子) う~ん…。
(目覚まし時計のベルの音)
(時計を止める冬子)
冬子) う~ん…。
秋子) X…プラス…Y…イコール…。

(寝言を言っている秋子)

**********

宝塚音楽学校は、今日から冬休みです。

冬子) よしっ! おはようさん!
春男) あっ、おはようさん
和人) おはよう。
春男) 何や? 今日から休みとちゃうんか?
    えらい早いやないか。
冬子) うん。すっかり早起きの癖がついて
    しもて、寝てられへんねん。
春男) ほう~。
冬子) 何や暇やしな。
    工場の仕事手伝お思て。
春男) いらんこっちゃ。
    そんな暇つぶしにやられたら迷惑や。
冬子) そんな事言わんとやらしてえな。
    やってみたいねん。
春男) どないしたんや?
冬子) こないだ和ちゃんが言うててんん。
    お父ちゃんとパン作るのは、
    ほんまに楽しいて。
春男) えっ!?
冬子) なあ? 楽しいのやろ?
和人) えっ!?
春男) ほんまか? 和人。
    ほんまにそんな事言うたんか?
和人) はい。
春男) へえ~…。和人がそんな事なあ。
冬子) そんなに楽しいのやったら、
    私もいっぺんやってみよか思て。
春男) そやけど、和人は自動車造りたいの
    やろ? そのために、工業高校行って
    んねんもんな。
冬子) 「そうでもない」言うてたで、前に。
春男) えっ?
冬子) 「自動車造るより、パンの方が
    ええかも分からへん」て。
春男) ほんまか?
冬子) 「自動車は誰かて買えるもんとちゃうし、
    何べんも買うもんと違う。その点パンは、
    誰かて何べんも買うもんや」て。
春男) うん。いや、そらそやな。
冬子) うん。なあ? 言うてたよね?
和人) うん。でも…。
春男) 和人! 水くさい。
    そんなええ話は俺にせえ。冬子に
    言うたかて、「馬の耳に念仏」や。
冬子) 誰が念仏やの!?
和人) いや、それ言うんやったら
    「誰が馬やの?」やろ。
冬子) ええから! これやったらええやろ?
春男) しゃあないなあ。和人、教えたり。
和人) はい。
春男) いや~何や、和人。
    パン屋の目ぇになってきたな。
和人) えっ?
冬子) どんな目?
春男) うん? こんな目や。
冬子) ああ…あかんわ。
春男) 何や? 何や? お前が言うな。
和人) これな、こう持って、こう…。
冬子) 大丈夫大丈夫大丈夫! ちっちゃい頃
    からず~っと見てきたから、大体のやり
    片は分かるわ。
春男) ヘヘッ! そんな甘いもんとちゃうで。
和人) 冬ちゃん。
冬子) ん?
和人) ほんまうまいもんやなあ。
冬子) そやろ? フフフ!
春男) ほんまや。なかなかのもんや。
冬子) フフフ…!


**********

和人) 大将、あがりました!
冬子) よう焼けてるなあ!
春男) 焼けたなあ!
冬子) こっちが私のパンやろ?
春男) うん。
冬子) この道20年のお父ちゃんのパンと
    変わらへんなあ! いや…お父ちゃ
    んの20年て、何やったん?
春男) 何やったんやろな?
    なんちゅう事言うね!? アホ!
冬子) ヘヘヘ。食べてみよ! うんうん。
春男) そやそや…。
照子) 冬子~! 冬子冬子冬子!
    あっ、ここにいた。ちょっと来てくれる?
    頼みたい事あんねんや!
冬子) 何?
春男) 何や?
照子) えっ? 何でもええからちょっと来て。
    早よ来て。

(冬子を連れて行く照子)
春男) …えっ?

**********

照子) ええか? 冬子。春子がこれから
    出かけるみたいなんや。
    あんた、ついていき。
冬子) また!? 何で?
照子) 何でもええからついていき!
    …何かおかしいね。何かある。
    ええね? 絶対目ぇ離したらあかんで。
冬子) ええ~嫌や~。
照子) 「嫌や」言わんとついていき!
冬子) もう嫌やて。
照子) いいからついていき!
    行くんやで? 分かってるか?
冬子) 嫌や嫌や! もう!

**********

基本的に、心栄えがいい姉妹だし、いいお父さ
んだなあと。心配したり心配されたり、人間らし
くて、かわいくて、気持のいい人たちだと…思う。
それが当たり前だと思っていたけれど…そうい
う当たり前を、全く描けない朝ドラを見せられる
という拷問の日々の中、心底、「てるてる家族」
の人としてのありように、救われる毎日を実感。

暴走するお母ちゃんとストッパーのお父ちゃん。
照子と春男は本当にベストパートナーだと思う。
お父ちゃんがいるから、安心して見ていられる。

何て言うか…自分を磨くいう事かな。
自分が…思いもよらん、
こう…自分の
素晴らしさに気付くいう
事や。自分の
中にある、生きる喜び
みたいなものを
発見するいう事や。
これだけは人から
教えてもらう訳に
はいかへんね。

そうそう。そういう意味では、小さい頃から冬子
は生きる楽しさを自分で見つけられる子だった。
お母ちゃんに注目してもらえなくても、一人で楽
しめる子だった。優秀じゃなくても、歌ったり踊っ
たりする事がとにかく楽しい冬子は、最強かも。

パン屋の娘、習わぬパンを焼く~と、パン職人
としての才能が芽生えそうな冬子。和人もパン
職人の面白さに目覚めているようだし、なるほ
ど~な~んとなく、未来が見えてきたような…。

春子のあとをつけるように、またも照子に命じら
れる冬子。末っ子は大変だね。冬子の尾行はう
まくいくのか、冬子に秘密は守れるのか…フフ。
頑張れ岩田家の娘たち~! 母に負けるな~w


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