「てるてる家族」(再放送)第88回 | 日々のダダ漏れ

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「てるてる家族」 第88回

ヨネ(藤村志保)の手術の日、ヨネがきっと不安
だろうと思った冬子(石原さとみ)は、朝早く起き
て登校前にヨネを見舞い、励ました。一方、岡
谷(川岡大次郎)は春子(紺野まひる)に告白し、
二人の関係は急速に近づく。ヨネの病状は重く、
手術をしたがすでに手遅れだった。春男(岸谷
五朗)から聞かされた佐藤(大村崑)は大いに
嘆く。春男は家族みんなにヨネのことを話し、ヨ
ネに最後のお別れをしておくようにと話す。

**********

ヨネ) 冬子!
冬子) おばあちゃん。
ヨネ) どないしたん?
冬子) お見舞いに来てん。ほら、これ。

(てるてる坊主を見せる冬子)
ヨネ) アハッ! 何やそれ。お坊さんや
    ないの。お坊さん病院に連れて
    きてどないしますね。
冬子) まあええやんか。これはお守りや。
ヨネ) うん。フフフ…。今、何時やの?
冬子) 6時ぐらいかな。
    夜が明けたばっかりやから。
ヨネ) そんなに早ように来てくれたん?
冬子) 「簡単な手術や」て言うてたけど、
    おばあちゃん不安やろな思てた。
ヨネ) フフフ…。アホやな。

(ノック)
ヨネ) はい。
久世) まあ、冬ちゃん。
冬子) おはようございます。
久世) どないしたん? こんな時間に。
冬子) ちょっとおばあちゃん励ましに。
久世) ああ、偉いな。そやけどまあ、
    この制服、よう似合てるやないの。
    わあ…! なんとかわいらしい。
    ねえ? やあ~すばらしい。
    やっぱり宝塚はかっこええなあ。
冬子) あっ、あかん。早よ行かな。
    ほな、おばあちゃん、頑張ってな。
ヨネ) おおきに。
冬子) うん。ほな、婦長さん。また。
ヨネ) もう行くの? 行ってらっしゃい。
冬子) 行ってきます!
ヨネ) はい、行っといで。アハハ…。
    ほんまに困った子や。


**********

岡谷) やあ…。しつこいいうんは、よう分か
    ってんねんけど。ちょっとだけ、話聞
    いてくれへんやろか? 頼むわ。ちゃ
    んと気持ち言いたいねん。
春子) ちゃんと、練習行って下さい。
岡谷) ちょ…ちょっとだけでええから。
春子) 待ってますから。
岡谷) …えっ?
春子) 待ってますから。練習、行って下さい。
岡谷) ほんまか…? ほんまに?
    ありがとう! やった! わあ~!
    よっしゃ~! おお~!

**********

岡谷) 君が初めて、国体に出た時、僕も競
    技場におってな。君の演技をすぐ近く
    で見てたんや。それまでは正直、フィ
    ギュアなんか全然興味なかったんや
    けど。いや、ほんま美しいと思たんや。
    そん時…。ほんまに君はすごい選手
    やと思た。
春子) こないだと言うてる事違いますけど。
岡谷) えっ? いや…そやから、基本的には、
    すごいと思てる。ほんまやで。その後、
    おんなじ大学に入ったって聞いてもう、
    うれしかったわ。それから毎日大学行
    く度に、キョロッキョロ探しててん。とに
    かく、君といっぺん、話がしたかった。
春子) あれからずっと…気になってました。
岡谷) 僕の事?
春子) 言われた事。
岡谷) あ…。
春子) 私はどうしたらええんですか?
    どうしたらもっと強くなれるんですか?
    どうしたら、勝てるんですか?
    ずっと…悩んでたんです。自分の限界
    が見えてしもたみたいで。もう、これ以
    上は強くなられへんて…。
岡谷) そんな事ないで。君は技術的には、
    オリンピックに出た選手とそう変わら
    へんと思う。あとは、精神的なもんや
    ないかと思うんや。うん…。難しい技
    成功さすんも、精神的なもんが、大き
    いんと違うやろか?
春子) それは、
    どうやったら鍛えられるんですか?
岡谷) うん…そやから、楽しむ事やん。
    スケートを楽しんでやったらええねん。
    君、苦しそうやねん、時々…。
    見てられへんねん。
春子) 勝たれへんもんを、
    どうやったら楽しめるんですか?
岡谷) 自分を楽しんだらええやん。
    スケートやなくてもええねん。
    スケート以外にも、世の中には
    楽しい事がいっぱいある。
    すばらしい事がい~っぱいあるんや。
    それを、君に教えてあげたいねん。
    僕が、君に教えてあげられるんは、
    そういう事や。
    僕とつきおうてくれへんか?
    真剣に言うてんねんで。
    僕と、つきおうて下さい。


**********

佐藤) 何やて…? あかんかったて…?
春男) …手術はしたんやけど、結局、
    どうにもでけへんかったそうです。
佐藤) なんて事や…。
春男) 発見するのが、遅すぎたて…。
    医者は…もう長い事ないやろて…。
佐藤) ヨネさんが…。
春男) すんません。そやさかい、
    この診療室も、もう、終わりですねん。
佐藤) 春男…わしはな、そんな医者の言う
    てるような事、よう信用せんで。ええ?
春男) は…?
佐藤) あのヨネさんちゅう人はな、しぶちん
    なんや。ケチなんや。そんな病気に、
    大盤振る舞いして、あっさり、命を差し
    出すようなそんなお人やあらへんね。
    あんた、今店閉める言うけどな、わし、
    そんな事したらな、承知せえへんど。
    ええ? 看板下ろすような事したら、
    わし、承知せえへんど。ええか!?
    わしそんな事されたら…
    わし…困るんじゃ!(泣)


**********

(ヨネの顔をのぞき込む照子)
ヨネ) はっ…! 何や、あんた…。はあ…。
照子) お母さん…私です。照子です。
ヨネ) 何やまあ、けったいなもんが
    お迎えに来たんと思たわ。
照子) なんちゅう事言う…。アハハ…!
    手術うまい事いったそうやないですか。
ヨネ) 何ですねん。こんな時間に…。
    こんなとこにいててよろしんか?
照子) お母さん、不便な事ないかなあ思て
    来てみたんです。
ヨネ) なんもあらへん。
照子) ほんまですか?
    あれないと不便なんと違いますか~?

(テレビを指さす照子)
ヨネ) 何や、テレビか…。
    あっ、夏子が見られるなあ。
照子) ねえ? そう思て急いで用意してきた
    んです。夏子のコマーシャルはいつ
    流れるか分かりませんしね。
ヨネ) うん…。
    夏子、元気にしてるやろか…?
    会いたいな…。
照子) そやから夏子の元気な姿は
    いつでもテレビで見れます。
ヨネ) そやな…。おおきに。
照子) いや…お母さんに「おおきに」
    なんて言われた。何年ぶりやろ。
    雪降ってんのと違うやろか?
ヨネ) テレビに言うたんや。
照子) 何や、もう! アハハ…!
ヨネ) ハハハ…。
照子) 何や…!
ヨネ) い…痛い…。
照子) あっ、痛い、痛い。あっ、痛い痛~い。
ヨネ) 笑わさんといて。
照子) アハハ…!


**********

電・斉藤) そうですか。おばあちゃんが…。
電・照子) それで、夏子を一日だけでも
      こちらへ帰して頂く訳にはいか
      へんでしょうか? おばあちゃん
      が、会いたがってますよって。
電・斉藤) そうですか。けど、今舞台の
      稽古中でして、もうじき本番が
      控えてますから…。
電・照子) そこを、なんとかその前に、
      お願いします。
電・斉藤) そんなに急いで
      らっしゃるんですか?
電・照子) なんとかなりませんか?
電・斉藤) 残念ですが、
      今ちょっと約束できませんね。
電・照子) そうですか…。


**********

照子) ここにいてはったん。
春男) うん…。今…お父ちゃんが死んだ日
    の事、思い出してたんや。
照子) あ…あんたが、確か6つの時?
春男) その晩の事はよう覚えてんねん。
照子) 亡くなりはった晩の事?
春男) そや…。あれは…そやったんや。
    百貨店の食堂に、ライスカレー食べに行
    った晩の事やった。「お父ちゃんのカレー、
    うまかったか? これも買うてきたったで」
    て、俺に、ブリキで出来た電車のオモチャ
    渡した。これくらいの。ごっつい手ぇで頭
    ゴシゴシやられてなあ。それから…急に
    苦しそうんなって…。そのまま後ろに倒れ
    てしもた。お母ちゃんは「アホ!アホ!」
    言うて叩いてたんやけど。そのうち血相
    変えて、俺に「医者呼んで来い」て…。原
    因はよう分からへんかったみたいやな。
    それから葬儀も終わってしばらくしてや
    …。庭で、お母ちゃん…ブリキの電車、
    漬物石でたたき壊してんね。
照子) その、オモチャを?
春男) 今から思うと、何かのせいにせないてら
    れへんかったんやろな。俺は「やめてや
    めて」てその腕にすがって泣いたんや。
    後にも先にも、あん時だけやったな…。
    お母ちゃんの泣いてるとこ見たんは…。
    子供らにも…話した方がええやろな。
照子) うん…。


**********

春男) まあ、そういう事や。おばあちゃん
    はもう、長うは生きられへんね。
    そやからみんな、おばあちゃんが
    元気なうちに、ちゃんと…お別れし
    とくんやで。ええな?


**********

それから、私は学校にいる間、
なるべく、おばあちゃんの事は
考えないようにしました。
考えると、すぐに病院へ
飛んでいきたくなるからです。


**********

ヨネ) う~ん…。な…夏子!
夏子) おばあちゃん!
ヨネ) どないしたんや?
夏子) お見舞いに来てんやんか。
    手術したって聞いて、
    もうほんまびっくりしたわ。
    大した事あらへんで、よかったなあ。
ヨネ) わざわざ来てくれたん?
夏子) どないしても会いたなってしもて。


**********

すっかり涙もろくなってしまったこの頃。冒頭の
シーンだけでもう、涙が出てきてしまって。冬子
の優しさ、うれしそうなヨネさんの姿に涙、涙…。
何だか、自分のおばあちゃんを思い出してしま
って。ヨネさんが、大好きだったおばあちゃんに
イメージが重なるというか、やはり病気で入院
した時のことや、亡くなった時のことや、いろい
ろ思い出して泣けてきて…。おばあちゃんのぬ
くもりや、匂いや、デパートで食べたホットケー
キやクリームソーダの味を思い出したりして…。

春子の恋バナでちょっと一息ついてみたものの、
照子とヨネのやり取りに、笑いながらもしんみり
してしまい、春男の思い出話に泣いて、夏子の
顔を見て喜ぶヨネさんの姿に、やっぱり涙、涙。
今週はもう、ちょっと…いや、かなり辛いかも…。


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