「てるてる家族」(再放送)第85回 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「てるてる家族」 第85回

昭和41年春、宝塚音楽学校に入学した冬子(石
原さとみ)は、毎朝早くに起きて池田の自宅から
通学している。宝塚の制服に身を包み、姿勢や
挨拶まで見違えるようになった冬子の成長ぶり
に、入学式に参列したヨネ(藤村志保)も鼻が高
い。ある日、冬子は学校で掃除中に、本科生(二
年生)の安達京子(竹中絵里)の美声に聞きほ
れてレッスンをのぞき見し、京子から注意される。
だが、彼女の優しいそぶりに冬子はますます興
味を持つ。

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昭和41年4月。
私は宝塚音楽学校に入学しました。
入学式には思いがけず、
おばあちゃんが来てくれました。


麻子) 私たちは、輝かしい伝統ある、宝塚
    音楽学校の新入生として、晴れて入
    学式を迎えさせて頂く事ができました。
    私たちは、「清く、正しく、美しく」の教
    えを守り、希望する道を選ばせて下さ
    った家族に、感謝の言葉をささげると
    共に、必ず立派な舞台人になることを、
    ここにお誓い申し上げ、答辞とさせて
    頂きます。
一同) ♪白雲なびく 六甲の
    松のみどりに いや映えて
    山秀麗の生を享(う)く
    われらは乙女 学舎(まなびや)は
    歌劇の国の宝塚 歌劇の国の宝塚


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(目覚まし時計のベル)
秋子) (時計を止めて) えい! おはよう!
冬子) ああ…おはよう。ごめんな。
秋子) 頑張ってな!
冬子) うん。


**********

(鏡の前で身繕いをする冬子)
冬子) よし…。

**********

冬子) おはようございます!
弘子) おはよう。すぐ食べられるで。
冬子) ありがとう。頂きます!
弘子) はい。
冬子) おはようございます!
ヨネ) おはようさん。ほう! あんたええなあ。
    宝塚に通うようになってから、
    挨拶がようなったなあ。
弘子) ほんまですねえ。あの朝寝坊やった冬
    ちゃんが、こんな早ようからシャキッと起
    きて。変われば変わるもんですねえ。宝
    塚音楽学校いうのはほんま、厳しいとこ
    なんですね。
冬子) 挨拶と笑顔も、私らの制服やねん。
ヨネ) はあ! ええ事言いますな。
照子) おはようさ~ん。
春子) おはよう。
冬子) おはようございます!
春子) 冬ちゃん! 家にいる時からそんなに
    気合い入れんかて…。
冬子) そやけど、この制服着たら、
    自然とそうなってしまうねん。
弘子) 偉いわ、冬ちゃん!
照子) そやけどあんた、その制服を着る前に
    やね、食べられへんか? もしこぼして
    染みでもつけたらどないすんの?
冬子) そうかて、すぐ行けるようにしてからや
    ないと、何か落ち着いてごはん食べら
    れへんねん。
ヨネ) へえ~! どない忙しいても落ち着いて
    ごはん食べたいいう、根性だけはなくさ
    へんのやな。
一同) ハハハ…!
冬子) 何や、もうこんな時間!
照子) えっ。何やちっとも落ち着いて
    へんやないの。
弘子) フフフ…。
冬子) ごちそうさまでした! 行ってきます!
一同) 行ってらっしゃい!
弘子)  気ぃ付けてな!
照子) 何やもう…もったいないな。
春子) ほんまや。あっ、ありがとう。


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冬子) おはようございます!
春男) おはようさん!
和人) おはよう!
春男) お弁当や。焼きたて一番や。
冬子) ありがとう。ほな行ってきます!
春男) ちょい待ちい。
冬子) 時間あらへんね。
春男) 頭スース―せえへんか?
冬子) …あっ、またや! 帽子忘れた!


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秋子) 冬ちゃん!
冬子) えっ?
秋子) ほい!

(物干し台から帽子を投げる秋子)
冬子) おっ! ありがとう! 行ってきます!
秋子) 頑張りや~!
冬子) うん!


**********

男性) おはよう!
冬子) おはようございます!


宝塚音楽学校の生徒は、
近隣の者は自宅から。
遠くから来ている人は、すみれ寮と
呼ばれる寮から通ってきます。
学校は2年制で、
1年生は予科生、
2年生を、本科生と呼びます。


冬子・恵美子) おはようございます。
上級生) おはよう。
冬子) おはようございます。あっ…。
(教室を覗く冬子)
京子) ♪アルディラ こんなに愛しい あなた
    アルディラ 呼び起こしてみたい あなた
冬子) 本科生の安達京子さんて、
    すてきやと思わへん?
恵美子) ああ、あの人?
冬子) 入学式の時にな、あの人から、
    「おめでとう」て言うてもろてん。
    ほんま優しい笑顔やった。
    「ああ…私も、あと1年したら、
    あんなふうになれるんや」思たら
    もううれしなって…。
恵美子) なられへんよ。
冬子) えっ、何で?
恵美子) だってあの人、入学した時から
     成績1番やってんて。
冬子) はあ…ああいう人がきっと主役に
    なっていくのやろな。
恵美子) 多分ね。
冬子) 私も、ああいう人と歌ったり
    踊ったりできんのやろか?
恵美子) 後ろの方でならね。
冬子) 頑張ろな。
恵美子) 頑張ろね!
冬子・恵美子) フフフ…!
京子) 何してるの!
恵美子) はい! お掃除を…。
京子) それが宙に浮いてたら、床って
    きれいにならないんじゃないの?
冬子) あっ、すいません!
京子) まあいいわ。
    委員と一緒に後で来なさい。
冬子・恵美子) はい。失礼しました…。


**********

麻子) すみませんでした!
冬子・恵美子) すいませんでした!
京子) いい? あなたたちは望まれてここに
    入った訳じゃないのよ。あなたたちが
    望んでここに入ったんでしょ?
冬子・恵美子) はい。
京子) あなたたちの後ろには、何人もの入れ
    なかった人たちがいるの。そういう人た
    ちに誇れるような時間をここでは過ごし
    なさい。浮かれてる暇はないはずでしょ。
冬子・恵美子) はい!
京子) それから、委員のあなたは、そういう
    自覚を常にみんなに持たせる事。
    同期の乱れはあなたの責任です。
    分かった?
麻子) はい! すいません!
    以後気を付けます。
京子) …って、私も去年言われたのよね。
    フフッ。
麻子) 失礼しました!
恵美子) 失礼しました!
冬子) 失礼しました! やっぱり違うわ…。
    ほんまは優しい人なんや…。はあ~。


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教室にはいつも、
自分を鍛えようとする生徒の
熱気が籠もっているようで、
そこに入ると、自然と私の
緊張感が増してくるのです。
…けれど、やっぱり、授業に
ついていくのは大変でした。


一同) あめんぼ 赤いな アイウエオ。

それでも私は、
毎日、楽しくてしょうがなかったのです。


先生) 柿の木 栗の木 カキクケコ。
一同) 柿の木 栗の木 カキクケコ。
先生) キツツキ こつこつ かれけやき。
一同) キツツキ こつこつ かれけやき。
先生) アイウエオ イウエオア ウエオアイ
    エオアイウ オアイウエ。
一同) アイウエオ イウエオア ウエオアイ
    エオアイウ オアイウエ。
先生) カキクケコ キクケコカ クケコカキ
    ケコカキク コカキクケ。
一同) カキクケコ キクケコカ クケコカキ
    ケコカキク コカキクケ。


**********

佐藤) 冬ちゃん、
    えらい頑張ってるみたいやなあ。
ヨネ) へえ。何とか頑張ってるみたいですわ。
    姿勢はようなるし、挨拶はきちんとする
    ようになったし。
佐藤) ふ~ん。
    そないに急に変わるもんかいな。
ヨネ) あの子は根が純粋ですよって、
    厳しいとこが合うてますね。
    「まわりに流されやすい」、
    とも言えますねけどな。
佐藤) うちの浪利な、えらい嘆いてるわ。
ヨネ) えっ?
佐藤) 街で会うてもな、口もきいても
    もらえんようなったちゅうて。
ヨネ) 冬子がですか?
佐藤) うん。
ヨネ) はあ。そらまた何でやろ?
佐藤) まあ、宝塚ちゅうとこはそういうとこと
    違うか? 「清く、正しく、美しく」がモット
    ーやさかいに、街中で、男の子と歩い
    てるところ見つかったら、あかんねて。
ヨネ) そらよろしですなあ。最近の若い人は、
    場所はばからず、くっつき過ぎてます
    よって。
佐藤) うん…。


**********

男性) あれ。岩田春子やろ?
    フィギュアスケートの。
男性) ああ! うちの2年や。
男性) ほんまにかわいいなあ!
    声かけたいな~!
男性) やめとけって。お前なんか相手に
    してもらえるかいな。俺らにはしょ
    せん「高根の花」や!
男性) 行くぞ!
一同) はい!


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照子) 春子! もう練習終わったんか?
春子) うん。今日はもう終わり。
照子) そうか。今日は、アイスホッケーの
    練習の日なんやねえ。
春子) こっからはあの人らの貸し切りや。
照子) あんたとおんなじ大学やったね。
春子) そや。今年の国体も一緒やったわ。
    話した事なんかないけど。
照子) 春子、調子どうや?
春子) まあまあや。
照子) この1年が勝負やで。今度の国体では
    絶対に勝たなあかん。分かってんのか?
春子) 分かってる!
    何べんも同じ事言わんといて。


**********

(春子を見つめている岡谷)
男性) 岡谷! 何してんね!
岡谷) お…おう!


**********

(ご飯を食べながら寝ている冬子)
秋子) 冬ちゃん。大丈夫!?
冬子) はい! 失礼しました!
春男) ハハハ…! 学校やないで。
ヨネ) 食べるか寝るか
    どっちかにせんと体に悪いで。
冬子) 食べる。
秋子) もっと早よ帰ってこられへんの?
    授業夕方で終わんのやろ?
冬子) 終わってからもいろいろあんね。
    私よりうまい人かて残って練習して
    んねんで。私かて頑張らな。
春男) 何やえらいしんどそうやな。
冬子) そらしんどいよ。しんどいのも
    私らの制服やねん。
秋子) よう分からへんわ。
ヨネ) 冬子。あんた宝塚に入って
    ほんまよかったなあ。
冬子) うん。入学式に、おばあちゃんに来て
    もろてんもん。恥かしい生徒にはなら 
    れへん。
春男・ヨネ) ほう~!
春男) ほんまに冬子か? はあ~。
ヨネ) ほなな。せいだいお気張り。
冬子) うん。
ヨネ) なっ? ホホホ…。
    よいしょ。あっ! あ…。
冬子) おばあちゃん?
春男) どないしたん?
ヨネ) う…どないもせえへん。フフフ…。
    ちょっと、おなかがな。
冬子) おなか?
ヨネ) うん…。
冬子) 弘子ねえちゃ~ん!
秋子) 大丈夫? 大丈夫?
冬子) おなかの薬ある?
ヨネ) 大丈夫や。
弘子) えっ?
冬子) おばあちゃんが痛いて。
弘子) あら! 大丈夫ですか?
照子・春子) ただいま~!
秋子・冬子) お帰り~!
弘子) あっ、お帰りなさい。
照子) どないかしたん?
弘子) いや、おばあちゃんが…。
秋子) おなか痛いて。
照子) えっ! お母さん、大丈夫ですか?
ヨネ) 大丈夫。ホホホ…。
    大丈夫や言うてますやろ。
    ほなおやすみなさい。
一同) おやすみなさい…。
照子) いや…何か、変わったもんでも、
    食べはったんやろか?
春男) 晩ご飯、何食べたんや?
弘子) ほとんど、何も。
春男・照子) えっ?
弘子) このごろ、あんまり食欲ないみたいで。
冬子) あっ! そういうたら、すき焼きの時も、
    お茶漬け食べてたもんな。
春男) 今までは肉ばっかり狙てたのにな。
照子) そやねえ。
春男) 年やしなあ。いっぺん病院で
    診てもらわなあかんな。
照子) そやね。


この時はまだ、
誰も深刻には考えていませんでした。


**********

♪スミレの花~咲くころ~。冬子の宝塚音楽学
校での日々が始まって、さっそく憧れの先輩が
出て来たりするところに萌え。学校でのシーン
がたくさんあるといいな~と、個人的には希望。
今までとは明らかに違う冬子の頑張りが眩しい。
そんな冬子を、嬉しそうに見ているヨネさんに異
変が! うわ~嫌な予感がする~。その予感だ
けで泣きそうになる。みんな順番に訪れる運命
だと分かってはいても…まだ嫌だよ~。ヨネさん
には、もう少し、冬子のそばにいてほしいよ~!

そして、別れの予感あれば、出会いの予感も…。
春子をじっと見つめる男子の影~。恋バナがあ
ってもいい年頃だものね~春ちゃんも。それは
ちょっと楽しみ。でもやっぱり…ヨネさんが心配。


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