「てるてる家族」(再放送)第57回 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「てるてる家族」 第57回

冬子(石原さとみ)は、部屋で秋子(上野樹里)
あての手紙を見つける。差出人はT.0.。冬子は
その手紙の内容から、秋子が松本(桂小米朝)
の本屋から万引きをしてきたと考える。不安に
なった冬子は、早速、松本に何気なく確認する
が、万引きはしていない事がわかる。しかし冬
子は秋子が手紙の相手から脅迫されているの
ではと考えるようになる。一方、秋子は米原(近
藤芳正)から借りた本の間に葉書を見つける。

**********

冬子) 「親愛なる秋子さん。先日は、思いがけ
    ず、あなたの名前を知る事になりました。
    あなたの妹さんらしき人が、あなたの名
    前を呼んでいたからです」。え…私が…
    ? あっ、ほな、私も会うてるいう事…? 
    「秋子さん。あなたにぴったりの名前です
    ね。暑すぎず寒すぎず。春のように浮か
    れすぎてもいない」。何でこの人は…名
    前呼んだん聞いただけで、季節の「秋」
    やと分かったんやろ…? 「あなたとはよ
    く、隣の本屋でお会いしていましたね。
    いつしか僕も、あなたの視線を気にする
    ようになっていました。あなたは気付い
    ていないでしょう。僕は、わざと君に読ま
    せたい本を選んでは、その表紙を見せ
    るようになったのです。あなたは、興味
    を持ってくれたようですね。だけど、万引
    きだけはいけません」。うそ! 秋ちゃん
    が…!? 万引き…。えらいこっちゃ…。
    「僕の名前は、今のところ、『T.O』とでも
    しておきます。今度会う時までは…」。


**********

秋子) いらっしゃいませ。
弘子) いらっしゃいませ。
米原) よいしょ…。
秋子) いらっしゃいませ。
米原) コーヒーとカレーライス。
秋子) はい。
秋子) コーヒーとカレーライス。
弘子) あ…はい。


**********

冬子) おっちゃん! 松本のおっちゃん!
松本) あ…何や冬ちゃんか…。珍しいなあ。
冬子) これやったら、
    万引きされてもしゃあないな。
松本) えっ! 万引き!? 誰や!?
    どこや!? どこのどいつや!?
冬子) いてへんて! もう…。
    「される」いう話や!
松本) 脅かしないな~! もう。
    この暑いのにもう…。はあ~!
冬子) けど、ほんまにされてへん? 最近…。
松本) 何や? 万引きか?
冬子) うん。
丸本) さあ…?
冬子) 「さあ?」て、気にならへんの?
松本) 気になるわ! そやけど気にしたかて、
    そういう不届き者は後を絶えんのや。
    もちろん、見つけたら、
    ただでは済ませんで。
冬子) えっ…どうすんの?
松本) 当然警察へ突き出すがな!
    どないしたん? 急に…。何や?
冬子) えっ? あ…アッハハ! いやいや…。
    あ…あの…そう…。こういう本、今ある?
松本) どれが…? 「シュールレアリズム」?
    「ゴッホの手紙」? 「芸術狂気」? コクト
    ーの「恐るべき子供たち」! はあ~!
    冬ちゃん、しかしすごいな~!
    これみんな読みたいんか?
冬子) えっ…あ…ああ! うん。まあ…。
    とりあえず、無くなってへんか、
    調べてほしいねんけど。
松本) ああ、分かった。
冬子) うん。
松本) …ああ!
冬子) えっ、どないした?
松本) 何や、これやったら秋ちゃんが
    みんな持ってるがな。
冬子) えっ!? 何で!?
松本) 最近、ここでこれ買うたばっかりや。
冬子) ああ…! お願い!
    警察には言わんといて!
松本) えっ!?
冬子) ええっ!?
松本) …何言うてんねん?
冬子) えっ? あれ? え…。買うてった…?
    今「買うてった」て言うた?
松本) うん。


**********

米原) この間はどうも。この本、とっても
    いい本だから、君にどうかなって
    思って。ハハハ…。
    勉強の合間に読んでみたらいい。
秋子) あ…。
米原) 僕の絵を、
    気に入ってもらったお礼です。
秋子) あ…すんません。
    あの…あなたは画家なんですか?
米原) いやいや…絵は描いてるけど、画家と
    か芸術家とか、そんなご立派なもんじゃ
    ありませんよ。そこまで身の程知らずじ
    ゃありません。普通の人です。生活者。
    まあ、今仕事にあぶれて、探してるとこ
    ですけどね。けど、絵を描く事も、僕の
    生活なんです。
秋子) はあ…。
米原) 趣味とも違う。ご飯食べるのと同じで、
    生きる事、そのものなんです。
秋子) …そうですか。ありがとう。あ…
    あの…この本、大事に読みます。
米原) そうですか。それはよかった。
    秋子さん…でしたよね?
秋子) はい。
米原) 僕は、米原です。米原恭司。
秋子) 米原さん…。ありがとう。はあ~。
弘子) 秋ちゃん! ちょっとええ?
秋子) な…何…?

**********

弘子) (小声で) あんな人と、
    あんまり仲ようしたらあかんで!
秋子) 何で?
弘子) 何か怪しいやんか! 訳の分からへん
    事ばっかりようしゃべって!
秋子) 大丈夫!
    何もおかしい事あらへん。普通。

**********

冬子) えらいこっちゃ!
    えらいこっちゃ、お父ちゃん!
    昼寝してる場合ちゃうで! もう、早く!
春男) 何や、もう…。分かった、分かった。
    もう、店行くがな…。
冬子) そんな事やあらへん!
    秋ちゃんが、えらい事やねん!
春男) 秋子が…?
冬子) そや。秋ちゃんな、どうも誰かから、
    脅迫されてるみたいやねん!
春男) 脅迫!?
冬子) そや。これ。
春男) 何や? これ…。
    まるでラブレターやないか!
冬子) 声が大きい。
    ええから最後まで読んで。
春男) …万引き!?
冬子) やってへんね。
春男) えっ?
冬子) そやから嘘やねん。
春男) 冬子…何言いたいんや?
冬子) そやから秋ちゃん、
    万引きなんかやってへんね。
春男) 当たり前やないか。何で秋子が
    万引きなんかせなあかんねんな。
冬子) そやけど、ここには「やった」て
    書いてきてるやろ?
春男) …何で?
冬子) そやから誰かに言いがかり
    つけられてんねて!
春男) 誰や!? そいつは誰や!?
冬子) 分からへん! 今のところは「T.O」や!
春男) 何が「T.O」!?
冬子) なっ? そう思て読んだら、
    えらい意味深やろ?
春男) 意味深…?
冬子) そや。例えば…「今度僕の部屋に遊び
    に来て下さい」。…てこれ、命令と違う?
春男) 命令?
冬子) そや。それから次の、「もう全く見知らぬ
    他人ではなくなったのですから」。…て何
    やもういやらし言い方やんか!
春男) いやらし、いやらし!
冬子) それから次の、「普通に暮らす人間の、
    心に潜む情熱について、大いにたたえ
    合いましょう」て…。どういう意味?
春男) 分からへんのか!
冬子) それから次の、「今度会う時までは」。
    …って今度会う時に何かするいう事や
    ないの!?
春男) 何すんねんな!?
冬子) 分からへん。
春男) 何や、考え過ぎや! ただのいたずら 
    か勘違いやろ。アホな男の子が、秋子
    に思い寄せてるだけやろ?
    ほんなほっとけ、ほっとけ。
冬子) アホやったらええねけど…。
    ローリーみたいに…。
春男) きっとそうや。
冬子) ローリーみたいなアホ…。


**********

(♪「ラブミ―テンダー」)
冬子) 秋ちゃん。その歌やめて。
秋子) 何で? ええ歌やん。
冬子) それでもやめて。
秋子) はあ~。はいはい!
冬子) さあ…勉強、勉強。

(本の中から落ちた葉書を読む秋子)
米原) 「今は、大阪にいます。ここの住所を
    書いておきます。送るものは、そこに
    送ってください…」。

冬子) フフフ…。春子姉ちゃんと
    夏子姉ちゃん、どこ行ったんやろな?
秋子) ああ~どこ行ったんやろな~?
冬子) フフフ…。


**********

照子) 秋子がそんなラブレターを…。
春男) うん…。まあ、万引きいうような事は
    やってへんねん。これは冬子が松本
    書店へ行って確認してきたんやけど
    な。秋子が持ってる本は、みんなちゃ
    んと買うたもんらしな。
照子) そしたらその手紙書いた子は、
    何考えてんねやろか?
春男) うん…。ほい。
照子) あっ、私はもうおなかがいっぱいやわ。
    よかったらあんた食べて。
春男) そうか?
照子) うん。
春男) まずっ!
照子) ほ~ら…。


**********

ヨネ) ほな夏子も今日は、春子と一緒に
    スケートに行ってきたんかいな?
夏子) うん。久しぶりに滑ってきてん。
    楽しかったわ!
春子) 夏ちゃん昔といっこも変わらへん!
    今でも頑張ったら、全日本選手権ぐらい
    出れんのと違う?
まあ、ジュニアの方やったらやけど。
夏子) 舞台で踊んのに比べたら、スケート
    なんか今でもお茶の子さいさいや。
冬子) あっ…踊りやったら、
    秋ちゃんかて得意やで。なあ?
ヨネ) 秋子も踊るんか?
春男) ほんまか?
秋子) フフフ…。
春男) ハハハ…笑てごまかしとる。
ヨネ) いつ踊るんや?
秋子) 別に。踊りたい時に踊る。
    それが私のモットー。
一同) モットー?
秋子) 私は人に見せるために踊んのんと違う。
    夏子姉ちゃんみたいには踊られへんもん。
    けど…才能がないからいうて、私踊る事
    諦めたないねん。踊る事でただ生きてる
    いうのは素晴らしいて実感したいねん!
    そやから踊んねん! 普通の人間にもな
    …いや、普通の人間やからこそな、踊れ
    る踊りを、踊っていきたいのや~!
    ごちそうさま~!

**********

照子) ほら…おかしいやろ? あの子ちょっと
    勉強のし過ぎで、ノイローゼいうのにな
    ってんのと違うやろか?
春男) ノイローゼ?
照子) うん。踊るだけやったらええけど。
    思い詰めたらあの子、何するか分
    からへん。ちいちゃい時に、家出し
    た子なんやからね。
春男) 脅かしなや…。
久世) ♪すみれの花 咲くころ~
    やあ、旦那さん。ようおいでになって。
春男) はあ…。
久世) はいはい、薬ね。
照子) すいません。
久世) 仲ようて羨ましいこと!
照子) 罪滅ぼしのつもりですわ。
久世) 罪滅ぼし?
春男) しそ梅干し…。
久世) あっ、梅干し! ハハハ…!
春男) ハハハ…。
照子) そんな事より、藤原先生はいつまで
    お休みですか? 代わりのあの若い
    先生、何や頼りのうて…。
久世) 来週には戻ってきはりますから。
春男) 藤原先生、休んではるんですか?
久世) 新婚旅行ですねんよ。「今やったら、
    難しい患者さんいてはらへんから」て、
    急に行きはったんです。
照子) ひどいやろ?
    私という患者をほっといて…。
春男) ひどい。藤原先生、ひどい、ひどい。
久世) まあね、照子さんは、あとは、
    足腰鍛えて、退院に備える!
    そこまできてますから。ねっ!
照子) はい。
久世) ほな。
照子) すいません。
久世) ♪すみれの花 咲くころ~
春男) あの人、いつもあの歌、歌てはんなあ。
照子) 何でも宝塚歌劇の大ファンなんやてよ。
春男) ふ~ん。

**********

米原) あっ、君…。えっ…?
    僕に会いに来てくれたの?
秋子) はい。


**********

秋子) うわ~! すごい!
米原) どうぞ。
はい! はあ~!


秋子姉ちゃんは、
まるで、色彩豊かな森の中に、
迷い込んでしまったかのようでした。


**********

冬子が秋子への手紙を読んで、女の子らしく心
配する姿にホッとする。「とと姉ちゃん」のヒロイ
ンが、時代的にも年齢的にもあり得ない行動や
言動ばかりするので、違和感が半端なくって…。
中学生の女の子らしい冬子にホッとして癒され
る~。冬子のぎこちないダンスも、そこだけずっ
とリピートして見ていたいぐらいに可愛い。可愛
さは活力のもと。しかも、面白い。至福の15分!

秋子は、普通の警戒心を持ってもいるのだけれ
ど、自分の直感、心惹かれるもの、人にはガー
ドが甘い。そこが秋子の普通じゃないところであ
り、面白いところ。顔は全然似ていなかったのに、
ちゃんと、子供の頃の秋子とシンクロして思い出
せるからすごいなあと思う。小っちゃい頃の秋子
がいるから、今回の行動にも納得できてしまう。
頭はいいけど不思議ちゃんなんだよね、秋子は。
これを機会に、本の虫から、芸術に目覚めるん
だろうか。秋子が自分の道を、見つけるのかな?

「ローリーみたいなアホ」と冬子に言われてしま
うローリーもまた、顔は全く似ていないのに、ち
びローリーが「ラブミーテンダー」を歌った時の
姿、雰囲気にそっくりで。子供時代をしっかり描
いてきた意味がちゃ~んとあると感じる大人編。
久しぶりに、ちびローリーに会いたくなったよ…。


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