「てるてる家族」(再放送)第2回 | 日々のダダ漏れ

日々のダダ漏れ

日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「てるてる家族」 第2回

春男(岸谷五朗)は銀行をやめようかと悩み、
妻の照子(浅野ゆう子)に打ち明ける。照子
は驚き、これからどうするのかと聞くと、長崎
県の佐世保にいる叔父のところでパン職人
になる修行をすると言う。照子は春男が勤め
人には向かない男だとわかっていたので、春
男の決断に賛成する。春男は早速銀行に辞
表を出すと、パン職人になるため、照子と生
まれたばかりの長女・春子を連れ、長崎県の
佐世保へと向かうのであった。


**********

さて、お父ちゃんが仕事で大失敗をした、
その翌日の朝です。

照子) 結婚式の時、
    あんた私に言うたやないですか。
    「死ぬも生きるも一緒や」て。
春男) いや、あの時、
    いきなり空襲きたさかいな。
照子) そやから、何が降ろうとも、
    あんたについていきます。
    何を悩んではるんですか?
    言うて下さい!
春男) 俺…会社辞めよ思てんね。 
    今の仕事な、俺には向いて
    へん思うのや。
照子) アホも休み休み言いなさいよ。
春男) えっ?
照子) 今の世の中、向いてる向い
    てへんで仕事を決める人が
    どこにいてるんですか!
春男) そやから…。
照子) そやからやありません!
    よろしですか? 昨日までお国のために
    命を捧げてきた人達が、
闇屋をして、お
    かみから取締りを受けてるこのご時世
    に、
あんたは自分が、私らが、どれだけ
    恵まれてんのか
分かってますのんか?
春男) 分かってるがな。そやから…。
照子) あんたはほんまにあかんたれやなあ。
春男) 話せえ言うたやないか。
照子) (ため息)
    それで、辞めた後、
    どないするつもりですか?
春男) もうええわ…。
照子) ええ事ありません!
    まさか、その後の事は、考えて
    へん言うんと違いますやろね?
春男) そやから…俺、
    パン屋になろかな思てんね。
照子) パン屋? 銀行辞めてですか?
春男) 親戚のおじさんが佐世保におんね。
    アメリカ軍の基地にパンを納める工場
    で働いてんね。俺もそこへ行ってパン
    職人になる修業しよか思てんね。
    前から考えてたんや。
照子) そらええやないですか。
春男) …え?
照子) そらええ事考えはりましたなあ。
春男) は?
照子) パン…。これからはパンや!
    そんな気がします。
春男) するか?
照子) します! あんたは偉い! 天才やわ!
春男) そこまで言うか?
照子) パン…。

**********

おばあちゃんといてるのは、
お父ちゃんの妹で、
まだ女学生の、滝子おばちゃんです。

おばあちゃんは、魚の骨も、
無駄にしません。

**********

春男) そやけど、銀行で何やったんか、
    もう聞かんでええのか?
照子) ええ~。
    もう何でもよろしいやないですか。
    私もね、前から、あんたは銀行の
    仕事には向いてへんような気がし
    てましたんや。ねえ、春子~。
春男) 何やねんな。
    さっきはそれで怒ってたやないか。
照子) あら、そうやけど。
    あんた、お見合いの時、
    言うてはりましたやんか。
春男) 見合いの時?
照子) そう。

(回想)
春男) あ…あの…。
照子) はい。
春男) 私は…軍人になりとうなかったんです。
照子) …は?
春男) 鉄砲撃つのが嫌で、一生懸命勉強して、
    陸軍経理学校の試験を受けたんです。
    私は…弱虫です。
    それでもよかったら、結婚してください。
小山) まあ、これはこういう男だ。
    岩田君もはっきり言ったから、私も
    はっきり言おう。照子君は、かつて
    私の部下の、恋人だったお人だ。
照子) 小山様…!
小山) ああ…いや、構わん。これは、そんな
    事は気にする男ではない。その中尉だ
    った彼が、指宿から鹿児島に行き、
    そこから、前線に飛び立った。
    今はもう、この世にはおられない。
照子) うっ…。
小山) 照子君は、深い悲しみに明け暮れ、
    とうとう、肺病を患った。
春男) えっ!
照子) もう治りました。
小山) うん?
照子) はい。
小山) 治った…? ああ…治った治った。うん。
    だから今度結婚する相手は、絶対に、
    戦死しない人をと、希望されておる。
春男) 分かりました。私は、死にません!


照子) 私ね、その時思たんです。こんな正直
    すぎる人には、戦争も合わへんけど、
    お金数えてる姿も何か似合わへんなぁ。
    こういう人は何か、こつこつ物を作る人
    になったらええのにって…。
    さっきふっとその事思い出しましてん。
春男) そうか。照子は俺のそういうとこに
    惚れてくれたんやな。
照子) フフフ…。別にそういう訳やないけど。
春男) そやったら何で結婚したんや?
照子) それは、小山少佐に言われたんです。
    「早く結婚しないと世の中から
    男がいなくなってしまうぞ」って。
春男) 何やそういう事か。
照子) そういう事や。
春男) まあええ。
    俺はお前と結婚できて幸せ者や。
    今はともかく、家族が食べていく事が
    一番大事や。そのためには…。
照子) パンや!
春男) そう! パンや!
照子・春男) ♪チャンチャカチャ~ン
        チャンチャンチャン チャンチャカ
        チャカチャカチャ~ン……
ヨネ) ええ加減にしいや! あんたら!

**********

上司) なんや、来たんか?
    会社に1万円も損さして、恥かしいて
    自殺でもしたんやないかと心配して
    たとこや。
春男) すんません。
    けど結婚する時の約束で、
    死ぬ訳にはいかへんのですわ。
上司) ほんだら今何時やと思てんのや?
春男) 長い間、大変お世話になりました。
    辞めさしてもらいます。
(辞表を出す春男)
上司) 何やこれ? 本気か?
    ほんまに辞める気か?
春男) はい!
上司) まったく君は、
    この不景気に何を考えてんね?
春男) はい。家族の事を考えて決めました。

**********

春男) お母ちゃん、堪忍な。
ヨネ) 別にええ。お前は昔からあかんたれ
    やさかいな。自分でこうと思た事は
    人の事気にせんと、やったらよろし。
春男) 商業学校まで出してもろたおかげで、
    やっと銀行の仕事に就けたいうのに。
ヨネ) 気にせんかてええて。

**********

(回想・防空壕)
(爆撃音)
照子) 「命あっての、物種」ですたい。
春男) ほんまですたい。
    女は逃げ足が速いのが一番です。
照子) おうちも、男のくせに、
    相当なもんですたい。
春男) これからは…
    死ぬも生きるも、一緒ですわ。
(爆撃音)


春男) あの時の照子の、あの澄んだ目を、
    俺は…一生忘れへん思うわ。


**********

そうして、お父ちゃんがパン職人の修業
をするため、佐世保にやってきたのは、
昭和21年の、10月半ばの事でした。

春男) ここで、一から出直しやな。
照子) それもええやないですか。

**********

朝から濃いわ~春男と照子のなれそめ物語w
僕は死にましぇ~ん。武田鉄矢か!って軽くつ
こみたくなる春男のセリフ「私は、死にません」。
その前に、「分かりました」っていうのもツボる。
照子のキャラが強烈だけど、最初から一貫して
いることで、だんだん慣れてくるから不思議だ。
2回目にしてもう、いきなり歌い出しても、踊りだ
しても驚かない境地に。これホント、うざっ!っ
て思うか、始まった~って笑えるかで分れる所。
朝ドラでミュージカルしちゃうという、画期的なド
ラマだったんだね~。てるてる家族、恐るべし!

「てるてる家族」、実は総集編しかDVD化して
ないというか、本編はDVD化できないという、
曰くつきのドラマ。その理由とは、こんな理由↓

「てるてる家族」はミュ-ジカル仕立てのために
DVD化にあたっては使用した数多い楽曲の著
作権処理が難航しました。放送では使用できて
も商品化する場合には新たな著作権(シンクロ
」権)が発生して、それを一曲づつ承諾してもら
わなければならないからです。当初はご要望の
多かった完全版のDVD化をめざしましたが、著
作権の許可がどうしてもおりない外国曲が何曲
かあるため、完全版のDVD化はいまだ不可能
です。(「てるてる家族・総集編」DVD化について

ゆえに、今回の再放送はかなり貴重という事!
DVDで観ればいいや~って訳にはいかないん
ですよ、奥さん! しっかり見届けなければ~♪


「てるてる家族」関連ブログはこちらから↓
「てるてる家族」関連ブログリスト