土曜ドラマ「64 ロクヨン」第5回(最終回)~指 | 日々のダダ漏れ

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土曜ドラマ
「64 ロクヨン」




第5回(最終回) 「指」

記者クラブとの報道協定を守るため、三上(ピエール瀧)
は、松岡(柴田恭兵)が指揮する捜査車輌に乗り込んで
いた。三上は再び、被害者の父が身代金を運ぶ車を追
ことになる。新たな誘拐犯が父・目崎(尾美としのり)に
指示する受け渡しルートは、14年前のロクヨンと全く同じ
だった。一方、松岡は美那子(木村佳乃)にも捜査への
協力を依頼していた。そして、美那子が現場で目撃した
ものは…。さらに、三上の娘のゆくえは…。

**********



 昭和64年の犯人はお前だ
 娘は小さな棺に入っている


目崎) (泣き叫ぶ声)
電・睦子) もしもし、あなた? やっとつながった!
     あのね、みーちゃん、無事だったの。
     本当なのよ! 誘拐なんてされてなかったの!
     もしもし? あなた、聞こえてる? どうしたの?
     もしもし? あなた?

**********

三上) 14年前、雨宮さんは、もう一度犯人の声
    を聞けば、絶対に分かると言っていた。
美那子) じゃあ、
     雨宮さんが…無言電話かけてたの?
三上) 昭和63年当時の、電話帳をめくって、
    「あ」から順番に、電話を押し続ける。
    気の遠くなる話だ。
    いつから始めたかは、分からない。
    奥さんを亡くしてからか…それ以前か…。
    雨宮さんにとって、犯人の声を探す事が、
    生きる希望だったんだろ…。
    俺たち警察官が、取り逃がした犯人の声を…。
美那子) 私も…雨宮さんの無言を聞いたのね。
三上) ああ。俺もだ。
    雨宮さんは、その事を…
    俺の声と三上という名を、
    覚えていてくれたんだ。

(回想)
電・雨宮) 大丈夫ですか?
      あなたは、大丈夫ですか。
      悪いことばかりじゃありませんよ。
      きっといいことだってあります。

美那子) 雨宮さん…ついにその声、聞いたのね。

**********

美那子) 雨宮さん、じ~っとこう、空見上げてた。
     誰かに、こう何か報告するみたいに、
     じ~っと空見上げてた。
     いい事は…あったのね…。
三上) 分からない。何がいい事なのかも。
美那子) おなか…すいたでしょ。
三上) ああ。
美那子) ちょっと待ってて。

**********

美那子) あゆみはね、生きるために、出ていったん
     だと思うの。私そう思う。きっとどこかにいる
     んだと思うの。ああなってほしいとか、こうな
     ってほしいとか望まずに、ありのままのあの
     子を受け入れてくれる人が…。
     あゆみにとって本当に必要なのはね、
     私達じゃない、ほかの誰かなのかもしれない。
     ここじゃなかった…。私達じゃなかった…。
     それだけの事。
三上) 俺にはお前しかいない。
    そういう誰かは…お前しかいないんだ。
    俺と結婚した事…後悔しないでくれ。
美那子) やだ。よかった。
三上) え?
美那子) だって、
     あなたの方が後悔してると思ったから。
三上) ばか言え。(すすり泣き)
美那子) あなた。
三上) 会いたい。あゆみに会いたい…。
美那子) 言っちゃ駄目。
三上) すまん…。
美那子) 大丈夫…大丈夫だから。
三上) (すすり泣き)
美那子) ねえ。食べ終わったら少し横になったら?
     疲れてるのよ。ほら。
三上) すまん…。


**********

電・松岡) あいつが半分だけ握っていた紙には、
      「娘は小さな棺に入っている」と書かれて 
      あった。
目崎は自分の娘の事だと思った
      んだろうが、「小さな棺」というのは、
雨宮
      翔子ちゃんの事だ。
電・三上) それも追及するんですね。
電・松岡) やつも、人の親だ。
      マスコミには、何も言うなよ。
電・三上) 分かっています。人間、言える事と言
      えない事がある。目崎が逮捕されれば、
      妻と娘は犯人の家族になる。
      だから実名は言えない…。
      そういう事でしたか…。参事官。
      雨宮さんと幸田は、生きてるでしょうか?
電・松岡) 生きてる。命懸けで事を起こした人間は、
      結果を見るまでは死んだりしない。
      目崎を落とせば、必ず、出頭してくる。
電・三上) しかし参事官。たとえロクヨンを挙げても、
      捜査一課は祝福されません。
電・松岡) 幸田メモの中身か?
電・三上) そうです。
電・松岡) 気に病むな。俺たちは、
      狩りの事だけ考えていればいい。
      楽だろう? デカは。
      三上、また一緒にやるか?
電・三上) その時が来たら、お供させて頂きます。
電・松岡) ああ。



**********

三上) やっぱりお前が騒動師だったのか。
二渡) 騒動師?
三上) 祭りを盛り上げるために、わざと詐欺を起す
    道化だ。お前は刑事部を脅すと見せかけ、危
    機感をあおった。
記者クラブが会見をボイコッ
    トすると知ってからは、
わざと俺の目の前をち
    らついて俺を挑発した。半分刑事の皮をかぶ
    った俺に、ボイコットを中止させないた
めにだ。
    お前は本当は、県警の刑事部長ポストを守り
    たかった。ついでにうちから、ロクヨンの膿も
    出してしまいたかったか?
二渡) マスコミ対策っていうのは、
    そうやって物語を作る事なのか?
三上) とぼけるならとぼけるでいい。最後まで聞け。

    「確かに誤算はあった」と言ったな?
    「結果オーライだ」とも。
二渡) よく覚えてるな。
三上) 結果的に今回の事件が、
    お前の願いを叶えてくれた。
二渡) 犯罪が、刑事部を救ったって事か?
    皮肉も、いいところだな。
三上) 本当の皮肉はこれから始まるんだ。
    二渡、借りを返せ。
二渡) お前に借りなどない。
三上) 借りがないなら貸しでいい。
二渡) (ため息) 何をしろというんだ?
三上) 俺を広報室から異動させるな。
    参事官が会見に臨む時、
    広報官としてお供したいんだ。


**********

三上) 恐らく…というか確実に…目崎逮捕を機に、
    マスコミとの関係は死ぬ。一度死んだ関係を、
    どうやって再構築していくか。おのおので考え
    てもらいたい。
蔵前) 分かりました。
    私は、それでも…雨宮さんには、
    無事に出頭してほしいと思います。
三上) それは警察の人間として、当然の事だ。

美雲) 私は、マスコミとの関係が死んで、たとえ
    背中を向けられてしまっても、諦めずに、
    背中でもいいからノックし続ける事が大切
    だと思います。
たゆまずにです。
三上) たゆまずにか…。
諏訪) それは、広報の人間として当然の事だ。


**********



電・美那子) もしもし?
        ……もしもし?


**********

最初から最後まで骨太で、魅せられたドラマでした。
原作は未読。警察ものの小説にはあまり興味がな
いほうなのだけれども、そんな私にでも面白さは伝
わってきました。役者さんたちの本気がね…すごい。
脚本、演出、音楽、そして、役者がそろった、上質な
ドラマでした。視聴率なんて、ホント意味ないなあと。
いいものはいい。視聴率なんてものばかりに目をむ
けてると、ロクデモないドラマばかりになってしまう。
真面目にコツコツ、こんなドラマを作ってほしいです。

娘を殺された雨宮が、犯人の声を探す執念は、生き
る希望というより、生きていられた唯一の動機だった
のだと思う。生きていれば…いろんな可能性がある。
悪いことばかりじゃない。いいことだって、きっとある。

諦めないこと…。たゆまずに、ノックし続けること…。
その先にようやく、いいことも…あるのかもしれない。
暗い闇の中にも一筋の光が感じられたドラマでした。


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