「花子とアン」第140回~非国民と呼ばれた理由と奪えない想像の翼 | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第140回
第24週 「生きている証(あかし)
非国民と呼ばれた理由と奪えない想像の翼


それぞれが、
戦争の波に飲み込まれていました。


かよ) それで…石を投げた犯人は見たの?
花子) それが、美里と同い年ぐらいの男の子だった
    の。非国民って叫んで…。
かよ) きっと軍国少年だね…。石を投げられたのは、
    お姉やんたちにも責任があると思う。
花子) えっ…。
かよ) お姉やん…本当にわかってる?
    お姉やんたちがどう見られてるか。
花子) どうって…。
かよ) もも。あの話、
    お姉やんにちゃんと話した方がいいよ。
もも) いや…。
花子) えっ、何? もも。
もも) お姉やん…美里ちゃんに、「ラジオのおばさん
   を辞めたのは、戦争のニュースを読みたくない
   からだ」って言ったそうね。
花子) ええ。言ったわ。
もも) 旭さんも近所の人に聞かれたんだって。お姉
   やんはどうして、日本軍の勝利のニュースを、
   読みたくないのか。日本が負ければいいと思っ
   てるのかって。
花子) そんな事…。
かよ) お姉やんが英語の仕事をしてる事は、大勢の
    人が知ってるし、お姉やんの家に外国人が出
    入りしていた事も、近所の人たちはみんな知っ
    てるんだよ。敵国の言葉が分かって、敵国に
    知り合いがいるだなんて。近所の人たちは、み
    んなよく思ってないんじゃないかな。お姉やん
    の家には、英語の本や、敵国のレコードもある
    でしょう? こんな時だし、本当に気をつけない
    と、もっとひどい目に遭うかもしれないよ。

(戸が開く音)
かよ) いらっしゃいませ。
客) やあ、かよちゃん。
かよ) 先日はどうも。さあ、どうぞ。


**********

かよ) お姉やん。これで、
    美里ちゃんに甘いものでも作ってあげて。
花子) えっ…。お砂糖なんて、どうしたの?
かよ) うちの店は、軍人さんのご用が多いから、
    いろいろ都合してもらってるの。
    甘いもの食べれば、お姉やんも元気になるよ。
花子) ありがとう。
かよ) うん。じゃあ。


**********

英治) ご心配をおかけして、すみません。
吉太郎) もしまた何かされるような事があったら、
     すぐに知らせて下さい。
英治) はい。あっ、花子、
    もうじき帰ってくると思いますから。
吉太郎) いえ。
     今日は英治さんにお話があって来たんです。
英治) えっ…あっ、私に?
吉太郎) 失礼ですが…
     青凛社の方はいかがですか?
英治) はあ…。正直にお話しすると、かなり厳しい
    状況です。雑誌も休刊せざるをえなくなりまし
    たし、印刷の受注もなくて…。
    近いうちに、閉める事になるかもしれません。
吉太郎) 差し出がましいようですが、軍関係の印刷
     の仕事をなさったらいかがでしょうか。
英治) 軍の仕事…ですか。
吉太郎) 軍の仕事でしたら、優先的に紙とインクが
     配給されますし、自分もお役に立てるかと。
英治) あの…それは、
    花子が、お願いしたんでしょうか?
吉太郎) いえ、はなは何も。私の考えです。
英治) そうでしたか。
吉太郎) いかがですか?

**********

花子) ただいま帰りました。
    英治さん? 英治さん。
英治) ああ…。お帰り。花子さん。
花子) 今日ね、かよのお店でお砂糖をもらってきた
    の。美里が学校から帰ってきたら、久しぶりに
    お菓子を焼くわね。
英治) ああ。
花子) それから、かよに叱られてしまったわ。石を
    投げられたのは、私が敵国の言葉を使った、
    お仕事をしているからだって。
英治) そう…。
花子) 英治さん? 何かあったの?
英治) さっき吉太郎さんがいらして…。青凛社で、軍
    の印刷の仕事をしないかって言ってくれたんだ。
花子) 引き受けたの?
英治) 断ってしまった。
花子) そう…。
英治) 青凛社は閉めて、
    僕も軍需工場に働きに出ようかと思う。
花子) えっ?
英治) 軍の仕事を受ければ、細々とでも青凛社を
    続けていけたかもしれないのに…。
    ごめん、花子さん。
花子) 断ってくれてよかった。青凛社は、女性と
    子供たちのために作ったんですもの。
英治) 本当に、いいんだね?
花子) (頷く)
    ねえ、英治さん。踊って下さらない?
英治) えっ…踊るって…。
花子) レコードはかけられないけれど。ほら、こう
    すれば、いくらでも音楽は聞こえてくるわ。

あらゆる事を禁止されたとしても、
想像の翼までは、
誰も奪う事はできませんものね。


**********

1943年(昭和18年)・秋―

戦況は坂を転げ落ちるように
悪化していきました。

家を出た龍一は時折、
短い手紙をよこすだけで、
一度も帰ってきませんでした。


有馬) 「本日、東条首相による、国政運営革新に
    関する重要発表で述べられましたように、政
    府は、学徒をして、直接戦争遂行に、参与せ
    しむる事に方針を決定。これにより、全国の
    大学、高等学校、高等専門学校在学中の、
    理工、医系以外の、学生の徴兵猶予は、停
    止せられる事となりました」。

蓮子) そんな…。
純平) お母様!
    ようやく僕も、お国のために戦えるんです! 
    お母様たちを守るために、戦えるんです!


昭和18年12月、
大勢の大学生が本を捨て、
学徒出陣していきました。

純平) 安心して下さい。
    必ず命を懸けて、日本を守りますから。


**********

1944年(昭和19年)・7月―

その翌年、
マリアナ沖海戦で日本軍は大敗。
サイパン島も陥落し、
いよいよ本土決戦が叫ばれるようになりました。

食料をはじめ、あらゆる物が、
日を追うごとに無くなっていました。


花子) はい、お弁当。
    まあ、いつもの日の丸弁当だけど。
美里) ありがとう。お母様。
英治) 食べられるだけありがたいよ。
    それじゃ、行ってきます。
美里) 行ってまいります。
花子) 2人とも、行ってらっしゃい。
美里) 行ってきます!
女性) おはようございます。
花子) あっ、奥様、おはようございます。
女性) これ、回覧板。
花子) ありがとうございます。
女性) 今日は10時から防空演習ですよ。
花子) はい。
女性) 夜は灯火管制の見回りもありますから、
    光が漏れないようにね。
花子) はい。
女性) それじゃ、後ほど。
花子) ええ。ごきげんよう。


**********

(飛行機のエンジン音)

(回想)
ブラックバーン) (英)
花子) 「これからの飛行機の進歩は、世界を平和に
    導くか、戦争をもっと悲惨なものにするかのど
    ちらかです」と。
ブラックバーン) (英)
花子) 「我々人類は、この飛行機をどのように使お
    うとしているのか。平和か…戦争か…」。

花子) 平和か…戦争か…。

**********

醍醐) ごめんください。醍醐です。
花子) 醍醐さん!
    醍醐さん! 帰っていらしたのね。
    …醍醐さん?
醍醐) はなさん…。
花子) 醍醐さん…どうしたの?

南方から帰ってきた醍醐に、
一体何があったのでしょうか?

ごきげんよう。さようなら。


**********

前回の朝ドラと時代がかぶっているので、前回はどう
だったのかが気になって、時代がわかるところを探し
みたら、ふくが諸岡君のことを複製したいと襲いかか
ろうとしてるところでした(爆) あちらは大阪とはいえ、
随分違うものだなあと…。一体いつの話なのか前回
は非常にわかりづらかったので、昭和19年4月だとわ
かった貴重なお話がこれ。参考までにどうぞ↓
ごちそうさん(115)~うち、諸岡君のこと、複製したい

ナレーションで語られている当時の大阪の状況は…

昭和19年4月。
大阪では、空襲に備え、
防火帯を確保すべく、建物疎開が行われ、
一方でお国の、食物大増産の掛け声に、
道路は掘り返され、芋畑に。
残った者は、男も女も子供も、
勤労奉仕で軍需工場などに駆り出され、働きづめ。

働く場所はやっぱり軍需工場なのね。でも、英治が
軍の仕事を断って軍需工場っていうのは、軍の仕
事をするのと同じじゃないの?って、ちょっと思うw
まあ、自分の会社で積極的に関わりたくないという
事なのだろうけれど。軍の仕事に、青凛社の名前
を残したくない、使いたくはなかったのでしょうね…。

かよやももに言われるまで、非国民と呼ばれる理由
に気づかない程鈍い人だったとは思わないけど…。
大らかで肝がすわった人だったのだと思う事にして、
夫をダンスに誘う花子は、花子らしくてよかった。想
像の翼で音楽を聴き、エアーダンスする夫婦の図♪
子供の頃から、困難を想像の力で乗り越えてきた人
らしいエピソードです。こういうところを、もっと見せて
ほしかったなぁと思う。想像力こそが、花子の最大の
武器なのだから。そこから赤毛のアンにつなげてほ
しいところなのに!(赤毛のアンに興味のない脚本
家さんにそれを望むのは無理なようですが…ふぅ)
とはいえ、いまだ、戦争の悲惨さをリアルに想像で
きない花子に、醍醐さんが想像の翼を与えてくれそ
うです。陰りのあるお顔が妙に色っぽくてドキドキし
てしまった~!(中身がオヤジですみませんw) 朝
ドラ後の活躍が楽しみな、醍醐さんの中の人です。


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